自律神経の働きを高める方法
2020年12月14日
「自律神経の働きをよくするにはどうすればいいのか?」
よく頂く質問ですけど、答えようのない質問だという事に気が付いていない人が多いのです。
そもそも自律神経とはなにかという事をわかっていないのに、それをよくするとはどういう事かを考えても意味がありません。
交感神経と副交感神経があって交感神経が緊張するから体に問題がおこるのだという稚拙といっていい理屈がまかりとおっています。そんなんでうまくいくなら誰も困る人などいないはずだという当たり前の事を考えられないのは不思議でなりません。
多くの人が自分の体には自律神経という部品があると勘違いをしているのです。
自分は生きているという自覚はもっているのに、寄せ集めの部品で作られた存在だと勘違いしているのですから困ったものです。
どういう事かというと、人間の体は筋肉、内蔵、血液、脳、そして自律神経からできていると考えているわけです。それで、自分の体は自律神経の働きが悪いから、自律神経だけをちょこちょこといじれば元気になるはずだという理屈です。
残念ながら、生きているということはもうちょっと複雑です。
だから、血液だけが悪い、内臓だけが悪い、自律神経だけが悪いという事はありません。そういう具合にシンプルに考えてしまうとうまくいかきません。
私は、自律神経の働きを整えるという事は、自然環境を整えるようなものだと説明しています。
だから、1つ事だけとらえて考えてもうまく整いません。例えば、ある港のある海で魚がうまくとれなくなったとき何が起こっているかというと、山で木が枯れているからだったりする事があります。海の事なのに、山が関係あるのかというと不思議に思う人もいるかもしれませんけどね。
私が知っている話だと、日本においてはかつて住宅を建てるための木材を伐採してその分、杉の木を植えていた時期がありました。杉の木であれば需要があると見込まれていたわけですが、いまではそれが花粉症の1つの要因になっているのは多くの人がご存じでしょう。
また、杉の木ばかりになって影響を受けているのは花粉症だけではありません。
偏った種類の木ばかり植えていると、山に流れる川の水の成分が変化してしまうそうです。その結果、川から海に流れ込む河口にプランクトンが集まらなくなり、それを食べる小さな魚が減って、さらにそれを食べる魚も集まらなくなってという具合に山に植えられた木という要素が漁師の漁獲量に影響を与えてしまうのだとか。それはちょっと困るという事で山の気を伐採して、まな板やらに加工して販売しいてる人がいるらしいですね。
あなたが漁師だった場合、どうすればよいでしょうか?
漁師を辞めて他の仕事ができればいいですけど、そんなに簡単な事ではないのは想像がつくのではないでしょうか?木を切って山の様子を変化させるのもそれほど簡単にはできないわけです。何しろ杉の木を植える前の山の様子は、何百、何千年もかけてできあがってきたものですから、そんなに簡単に元通りになるわけがありません。
こういう様子を人間の体に置き換えてみてください。
「河口にプランクトンをまけば元通りの漁獲量になる。」
みたいな事を大々的に謳っている人たちばかりなんですよね。
まだピンとこないようであれば、農業で考えればわかりやすいでしょうか。
化学肥料で土作りをしていると土地がどういう風になっていくのか?環境というモノは、それほど都合良く変化してくれる訳ではないのです。
人間の体の場合は、さらにややこしい要素が増えてきます。
何かというと、モノを考えるという事です。全ての人が、健康で文化的で、毎日が楽しくて仕方ないように過ごしたいと思っているのです。でも、実際はそれを達成できている人など全体の一部でしかないのじゃないでしょうか?私が知っている人だと松岡修造氏ぐらいのものでしょうかね。
つまり、自律神経というものは、自分の意図する通りには働いてくれないものなのです。
だから、運動は毎日できないし、ダイエットは成功しないし、勉強も毎日つづけられない、仕事だって熱心に取り組めません。自律神経の働きが高まれば人生なんて思いのままになるはずですけど、現実にそんな風な生き方をできている人はかなり少数なのです。
だから、こういう自律神経の特性というものをまずはあたまで理解することですね。
やりたくないことをやる時、体は重くなって動かないものです。
それとは逆に、興味を持てる事が前にあると体は軽くなって動けるようになります。うちの息子なんて、眠いとかいってゴロゴロしていても、
「寿司でも食いにいこうか。」
というと急に元気になって体を起こして支度をはじめますからね。
ただ、こういう言い方をすると、
「好きな事をすれば自律神経が働きだす。」
多くの人が勘違いをしはじめます。
息子を毎日寿司につれていったらどうなるでしょうか?たぶん、3日目ぐらいには、
「今日は寿司の気分じゃない。」
というでしょうね。
さて、人間という存在をロボットのように考えていないでしょうか?
温めたら元気になって、冷やしたら調子をくずす、こう言ってしまうと確かにその通りの存在ではあるのです。でも、人間という存在、自律神経といものはそんな単純なものではありません。だからどうするかというと、
「笑う門には福来たる。」
「思い立ったが吉日。」
「案ずるより生むが易し。」
といった具合に、あれこれとことわざだったりにして残っています。
本当は、こういうのが自律神経の働きをよくするために必要な知恵や知識なんですけどね。
「学術的な理解がすすむと、なぜかそのものについての理解が浅くなる。」
そういう傾向がでてくるのは本当に不思議です。
たぶん、様々な知識や知恵がいろんな邪魔をしてくるのだろうと思います。
だから、いつも、
「お金儲けとか恋愛に置き換えて考えてみてください。」
とお話しています。
そうすると半分ぐらい人にはわかってもらえます。
自律神経の働きを整えるっていうことは、よりよい人生をおくるって事なんですよね。よい人生をおくろうとすると、自律神経の働きはたかまってくるし、自律神経の働きが高まるとよりよい人生になってくるものです。
ただ、体に問題があって自律神経の働きがうまくいかない人がまれにいるわけです。
そういう時は迷わず相談にきてもらいたいなぁと思いますね。
「恋愛やお金儲けがうまくいかないときにぐぐって解決する。」
なんてぐらいの事でうまくいくのであれば何の問題もないのです。それでもうまくいかないときに整体っていう技術が必要になってくるのですから。
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