ブログ「日々整体」

自律神経の働きについて基本からもう一度

「自律神経ってなんですか?」

この質問については、いろんな答えがあります。
しかし、多くの人は解剖学的に解釈をしているのではないでしょうか。体を切り刻んで、血管だとか、筋肉だとか、内蔵だとか、神経だとか、体を構成する要素を分解していき、それぞれがどのような働きをしているか?そういう事を分析していくことは確かに大切でしょうけど、それだけではうまく説明できない事の方が多いといえます。

わかりやすい例で考えると、


「解剖学でわからないことは心の問題である。」


と切り分けて考えてしまう事でしょう。
この手の話で、まっさきに問題になるのは、


「心とは何か?」


という定義がまったくなされていないという事です。
だから、有名、著名なお医者さんだったり、先生だったりしても、


「気持ちを前向きに、プラス思考に物事をかんがえましょう。」
「悪いことを考えないように。」


なんて事をいいます。
心療内科でも、こんな事をやっているようです。私のところへ相談にこられる方はたいていこんな事をいうので間違いないでしょう。


でも、このコロナ禍において、それが現実的ではないという事に多くの人が気がついたのではないでしょうか?
恐怖に押しつぶされた人たちの行動を振り返ってみるとわかりやすいでしょう。報道で見かけて、一番ひどいとおもったのは、


「感染して自宅療養している人の家の壁に落書き、窓に石を投げて割る。」


という奴です。

私だったら、近所に自宅療養している人がいれば、


「安心して療養できるようにするにはどうしてあげればいいか?」


こう考えますけど、石を投げた人の心と、私の心の違いってなんですかね?
石を投げた人に、


「気持ちを前向きに、プラス思考に物事をかんがえましょう。」


と教えてあげたら、私と同じような思考ができたでしょうか?
たぶん、 無理でしょう。それでは、前向きになれないのは考え方だけの問題なのか?不安や恐怖を感じるのはなぜなのか?何に対してそれを感じるのか?そもそも、不安や恐怖ってなんなのか?


私からするとこういう感情の動きは割と簡単に説明できるわけです。
不安ってなんですか?っていうと、胃が収縮を起こす時に人間は不安を感じます。胃が収縮するというのがわかりにくければ、不安というのは胃が硬くなってしまってしまっている状態だとかんがえてもらうとよいでしょう。この状態では、消化吸収の力が弱まります。そんな状態では、食事をしても美味しくないですし、量を食べる事ができませんから太る事ができません。痩せ型の人は、胃が固く吸収が弱いから太れないのです。

そういう人は、胃の頑丈な人と比べて不安を強く感じます。
そういう人に


「プラス思考になれ。」


なんて具合に脳に働きかけて胃を柔らかくすることは非常に難しいのです。
言葉で、こういう胃の緊張を和らげるようなセラピストや占い師はいるとは思いますけどね。ただ、私に言わせればそんな遠回りな事をしないで、胃がそれなりに働くようにすればいいだけの話です。もちろん、生まれついての強い弱いという体質はありますから、


「松岡修造になろうとしてはいけない。」


という考えは忘れないようにして欲しいですけどね。


胃に関しては、逆で考えてもわかりやすいでしょうか。
胃が丈夫な人は食べることによって無理矢理、胃袋を広げて柔らかくすることができます。そうやって胃袋を広げることで不安も和らぎますから、胃が丈夫な人は自粛期間中に間違いなく太ったはずです。理由は簡単で、空腹で食べていたのではなく、不安で胃が収縮するので、それを広げるために食べていたからです。


不安と恐怖というのは別の感情です。


恐怖というのは、心臓が固くなっている状態です。
心臓はどくどくと収縮と弛緩を繰り返し全身に血液を送るポンプの役割です。そして弛緩がうまくできないときに、人間は恐怖を感じます。


「プラス思考になって心臓が柔らかくなるか?」


というと、なる人もいるでしょうし、なるケースもあるでしょう。

でも、ライオンに追われている時を想像してみてください。
逃げ切れる自信があれば心臓は収縮と弛緩をしっかりと繰り返して力強く動くでしょうから逃げ切れる確率があがります。でも、その自信がない人は、心臓の弛緩が十分にできませんから心臓の能力が落ちてゆきます。そうやって、息切れして足が止まって、今まさに追いつかれそうになっているときに、


「プラス思考になれ、前向きに物事を考えるのだ。」


というアドバイスに意味はありません。
そして、ライオンに追いつかれて倒されて、噛みつかれそうになった時にどうするか?


たぶん、


「石を投げる」


そうするんじゃないでしょうかね。もしかしたら、石じゃないかもしれませんが・・・。
石を投げて窓を割った人の体に起こったことは、ほぼ間違いなくこういう事です。これは心の問題か、というと違うといえるでしょう。もし心の問題であれば、日本中のあらゆるところで同じ事が起こったはずです。元々、心臓の動きが硬かった人が、それに耐えられなくなってやてしまったためにやった行動でしょう。


食べ物を食べた時の胃袋の働きとか、心臓を動かして血を全身に送るなんていうことを意識してやっている人はいません。
こういうのは自律神経の働きなわけですが、心の問題とか、体の問題とか、そういう具合に分けて考えてしまう事がそもそも間違えている訳です。




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