ブログ「日々整体」

自律神経の働きには最後我々が死ぬ事まで組み込まれている

我々はいつか必ず死んでしまう生物です。
歴史をふり返ってみると、不老不死を夢見た権力者は何人でもいます。有名なところでは、秦の始皇帝や藤原鎌足でしょうか。政治権力をもつ人間は、その責任感からかもしれませんが、死ぬ事が恐ろしくなるのか、それともそれ不死以外に欲っするものがなくなるかもしれません。

最近読んだあるマンガで、大金を手にいれた女性が、その大量の金貨の上に寝転がって、

「いつ死ぬかもわからないのだからこれぐらいのお金では足りない。」

なんていうセリフを言っていました。
だから人はお金を欲しいのかと、私にはこのセリフがとても腑に落ちました。お金を欲する事で死に対する恐怖から目を背ける事ができるのでしょう。

我々はいつか必ず死んでしまう生物です。
多くの人はその現実から目を背けるために『自律神経を整えたい』と考えているのではないでしょうか。
しかし、権力や大金を手に入れて死から目を背けても、我々はいつか必ず死んでしまいます。それが現実で、本来は現実を直視して受け入れるために自律神経の働きを整えるという事が目的でなければいけないのですけどね。

さて、死はどうしてあるのでしょうか?
これは生物学がおそらく正解であろう答えを導き出しています。我々、多声物細胞はDNAをコピーすることで子供を作っているのですが、子孫を残すために我々は死ななくてはいけないのです。

地球に誕生した生命に、本来、寿命はありませんでした。
生物が誕生してから20億年ほど、たとえば大腸菌などは栄養が枯渇しての餓死か、環境が変わった時その変化に対応できなくての死しかありませんでした。そのような生物から我々のような哺乳類に進化してオスとメスによって子孫を残すようになりました。大腸菌のように自身が分裂するのではなく、生殖行為によって子供を作って増えた方が環境の変化に対応する能力が高いからです。オスとメスの両方から遺伝子を受け継ぐことで多様性をもつことができるようになるからです。だから、どのような変化が起こっても対応できるのです。つまり絶滅することを防ぐという目的があったから性をもつように進化したのだと考えるとわかりやすいでしょう。

例をあげるなら、東北大地震が起こったとき、すぐさま高台に避難した人もいれば、自宅で食事をしつづけていた人もいたそうです。この時は、津波がきて避難しなかった人の大勢がなくなった訳ですけど、海から遠い地域で地盤が緩んで崖崩れが起こったりしたら高台に避難した人の方がより大きく被災していた可能性もあるわけです。このようにすべての人間が同じ行動をとらないようにする事で全滅してしまう事を防いでいる訳です。

性をもつ事で多様性を生じさせる事のメリットが不死である事より大きいのです。
今回は思考を例にあげましたけど、足が速い、寒さに強い、体が大きい、なども多様性の産物です。様々な環境に適応できるようになる事で私たち生物は地球のあらゆる地域で生きていけるように進化してきたのです。現在、地球上に生息する生物の大半は性をもっている訳ですけど、これは性をもつことによって多様性を得たからだと言えます。最近だと、温暖化の話題がよくあがりますけど、温暖化に対応できる人間もちゃんと存在してる事でしょうね。

ただ、物事には必ずメリットもあればデメリットもあります。
我々が持つDNAは長く生きていると少しづつ損傷してうまくコピーできなくなってゆくという問題が生じます。大腸菌やセンチュウといった性をもたないシンプルな生き物であればDNAは修復が可能なのです。実際、数百万年前の氷河から見つかった氷付けのセンチュウを再生することに成功したりしています。ところが、哺乳類のような複雑な構造のDNAをもっているとDNAの修復をする事ができません。もちろん、小さな傷であれば分裂の際に修復する機能はちゃんともっていますけどね。

ところが修復できないDNAの損傷は蓄積され、その損傷は子供に遺伝されてしまいます。
それを防ぐために生まれたのが死というシステムです。死がなければ、200年生きた人とその子孫が子供を作るという事が可能になります。長く生きてDNAに損傷がある個体の子供が健全なDNAを持つことはありません。このような状態を防ぐために、ある程度生きた個体は死ぬ事によって自身のDNAを消去するのです。

今の日本社会だとピンとこないかもしれません。
しかし、日本でも数百年前までは一夫多妻性だったと考えればわかりやすいでしょう。織田信長とか徳川家康がずっといきていて今でも子供を作っていたら、日本中に彼らの血と壊れたDNAが広がっていてもなんの不思議もありません。このような状態では種が健全さというものを失っていつ滅んでもおかしくありませんから、適当な期間生きて、そして死んでいくというように我々は進化してきたのです。

『人間は不老不死になれば滅ぶ』

そのような認識はもっておいた方がよいと思いますね。

個ではなく種の保存を優先させた場合、我々は適当な時期に死んでいく事が望ましいのです。
不死を求めるというのは核兵器を持つというのと同じぐらいの意味を持つでしょうね。我々は個性を大切に、個人の権利、人権を大切にしようという教育を受けていますから、この考えは受け入れられない人もいるかもしれません。

しかし、個人の権利を肥大化していくと結果として人間という種が滅んでしまう可能性が高くなるのです。私たち、多細胞生物は、様々な環境の変化に対応できるように多様性と寿命を持ったのです。その生物としての最大のメリットを捨て去れば種としての滅亡がやってくるのは当然の事といえます。

さて、話を戻しましょう。

我々はいつか必ず死んでしまう生き物です。
それがいつ頃になるか、早い人もいるかもしれませんがその目安もだいたいわかっています。その事と正面から向き合って、

「限りある生を精一杯生きて、その人生に満足して死んでゆきたい。」

そう思った時に、自律神経の働きは最も高まります。
ほとんどの人は、

「死にたくないから自律神経の働きを整えたい。」

と思っていないでしょうか。
自律神経は私たちが生命として生きていくための働きをしている神経です。だから、その働きには死に至る過程まですべて含まれていると考えるのが自然です。

自律神経というのは死ぬために活動しているのです。
もちろん生まれてきたからには、何らかの役割を与えられて生まれてきていると思います。生物として考えれば結婚して子供を作って次世代を残すって事がもっとも大切な事だと思います。でも、ご近所さんにあいさつするとか、客に喜ばれるように一生懸命に仕事するとか、もしかしたら他人からみたら些細でくだらないと思えるような事でもいいと思うのです。なぜならそういう社会を作っていくことで人間という種が繁栄するのですが、それに貢献することだって大切な役割です。

だから、知っている人をみかけたら、

「おはよう。」

と声をかけて、最後死ぬときは、

「さようなら。」

と言って亡くなっていく、自律神経を整えるっていうのはそういう当たり前の事をするためにやることだと私は思います。
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