ブログ「日々整体」

耳鳴りのよもやま話

「耳鳴りって本当にとまるのですか?」


最近、頻繁にいただく質問です。
耳専門のお医者さんに、


「耳鳴りは止まらないんですか?」


と聞くと、ほぼ間違いなく、


「無理だ。」


という返事が返ってくるそうです。
そのせいで、不安になってしまうようです。実際、今日も整体にこられた方とこんなやり取りがありました。


最近は、テレビで紹介された方法、補聴器を使う方法もみかけることが増えました。確かに、その方法だと多少は楽になる傾向があるようですが、そちらは私は懐疑的だったりします。理由は簡単で、耳鳴りのなる方の体の様子をみると明らかな問題がすぐにみつかるからです。いつもお話することですが、


「体が完璧であれば耳鳴りがなることなどはない。」


ということです。

耳鳴りの整体は以前では、私が未熟だったせいもあり、うまくいかなかったりすることもあったのですが、最近ではたいてい3ヶ月程度でなんらかの成果をあげられるようになってのではないかと思います。

ただ、世間では、


「止まらない。」
「死ぬわけではないから気にしないで生活しましょう。」


なんていう考え方が一般的なせいで、こんな話をすると、胡散臭く聞こえてしまうようです。
仕方がないことだとは思いますが、状況をもうちょっとなんとか変えれないかなぁとつくづく思います。


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耳鳴りの音が突然大きくなる原因

耳鳴りをなんとかしたいと整体に来られている方の話です。


「ずっと音が小さくなってきていてこのままなくなるかも?と思っていたらここ4~5日ほど突然音がおおきくなった。」


ということをおっしゃられました。
いつもはサーという音がなっているそうで、そちらならまだいいのですが、ザーっという雑音のような音が大きくてなってとても不快なのだそうです。


「最近、なにか変わったことをしてませんか?」


と聞いてみたら、


「稲刈りをやったぐらいで他にはなにも。」



と答えられたので、すぐにピンときました。そして、おそらくはと手腕の状態を確認すると予想通りで腕に疲労が残っている状態でした。

腕に強く疲労が残っているとそれだけで耳鳴りがなることがあります。
以前に、トラックの運転手をしているという方に耳鳴りの相談を受けたことがあったのですが、かなり重い荷物を扱うということで、腕の疲労が原因で耳鳴りになっている事がみてとれました。原因はすぐにわかったのですが、仕事をやめるわけにもいきません。どうしたものかと、相談しながらやっているうちにご本人はあきらめてしまいました。

耳鳴りが鳴るような状態の方が腕を疲労すると耳鳴りの音が大きくなったり、いつも違う音がなったりする事があります。ですので、今回のケースだと、腕の疲労をとってあげると、あっさりと音が小さくなりました。整体を終えて、立ち上がった瞬間に音が小さくなったのでご本人はとても驚いておられました。

ただ、腕が疲労すれば耳鳴りが鳴るというわけではありません。腕の疲労だけが引き金となって耳鳴りがなりはじめることはどちらかというと少数ですし、疲労が抜けてしまえばすぐに止まってしまいます。


同じタイミングで、最近急に息苦しくなったといってこられた方がいました。
体をみると同じように腕に強い疲労が残っていましたので、何をしたのか聞いてみると、


「子供の運動会に参加して綱引きをした。」


ということでした。
なにも息が苦しくなるまでがんばらなくてもいいだろうにと笑いながら整体したらすぐにおさまりました。


疲労さえ抜けてしまえば、異常や違和感はすぐになくなります。
しかし、疲労の度合いや体の状態によっては簡単に抜けないケースもあります。当然ですが、もともと体が万全でないような方は、疲労が抜けにくいといえます。腕の疲労といってしまえば、簡単な問題に思うかもしれませんが、腕の疲労が抜けていないことを自覚するのは案外難しいものです。
関連カテゴリー< 動悸、息切れ耳鳴り(耳なり)

腹立たしいことに、耳鳴りの理解が深まる

最近になって、


「なるほど!こういう流れで耳鳴りがなっていることがあるのか。」


ということに気がつきました。
例によって、おおよそ耳とは関係がないと思えるような事が耳鳴りの原因になっているわけです。最近、きがついたということですから、当然、いままではわかっていなかったわけです。ところが、わかっていなかったからといって、このケースにあてはまる人の耳鳴りはどうしようもなかったかというと、なんとかなっていたりします。不思議に思うかもしれませんが、原因などちゃんとわかってなくなてもなんとかなっていたのです。どうしてかというと、


「ある程度体がよくなってしまえば、あとはほっておいても大丈夫。」



ということだったりします。
もちろん、実際は放置していたわけではありません。少しでも体がよくなるようにと工夫をしながら整体をしつづけていたわけですけどね。

ただ、いまから振り返ってみると、


「あの人とあの人は、こういう風にやればもっと早く耳鳴りが止まっただろうなぁ。」


なんていうのがわかってしまうわけです。
こんちくしょーとか叫びながら、そこらへんの自動販売機を蹴飛ばしてしまいたい気分ですね。
関連カテゴリー< 耳鳴り(耳なり)

耳鳴りと楽器に関する考え方

いま、ある音楽家の方が関東から整体に通われています。
いろんな方法を試したけど、納得できる結果がえられなかったそうです。音楽をなりわいにする方にとって聴力というのは生命線といっていいでしょうから、別に死ぬわけではないといっても、それと同じぐらい深刻な問題といえます。最近、NHKの番組で紹介された考え方と補聴器を使う方法も試しておられます。そちらは確かに多少は楽になるそうです。ただ、楽になるというだけで、根本的な解決になるか?というと、やはり違うようです。

整体にこられてからは、生活習慣の改善をやってもらい2ヶ月ほど経過しましたが耳鳴りの音が小さくなる日が増えてきたそうです。これは大きい日と小さい日が明確にわかれるためにこのような表現になります。先日こられましたが、


「今週は1日だけおおきかった。」


といっておられました。

さて、この方と話していて腹がたったことが1つあります。
この方は、若い頃からずっと演奏をやっていたということで、


「その楽器が耳鳴りの原因に違いない。」


と専門家にいわれたことがあったそうです。
しかし、私の見立てから判断するとそれは大きな間違いだと思います。

楽器というのは、その形はずいぶん昔に形がきまっています。
ピアノやバイオリンなど100年以上、形がかわっていないのではないでしょうか。これはどういうことかというと、すでに理想の形が完成しているという事です。その完成した形が、人間の体、演奏という運動とミスマッチを起こすはずがないのです。もし、その専門家が演奏や楽器について非常に詳しくて、この方になんらかの演奏の癖があるということを見抜いていたのであればまだいいのですけどね。

また、楽器は完成しているのですから、体に妙な癖があればよい音がでなくなるのは当然のことです。プロとして活動している方でそのような事はまずありえないでしょう。


結局のところ、


「よくわからないので、思いついたことをろくな考察もせずにいってみた。」


というだけの内容だと思えたからです。
しかし、言われた方はたまったものではありません。もし演奏をすることで耳を悪くしているのであれば・・・、という事は先にも述べたとおり死活問題なのです。そして、その結果として演奏を控えるようになってしまっているそうです。


耳のことしかわかりませんという耳だけの専門家ゆえに、演奏や楽器について、人の気持ちというものがわからなくなってしまうのかもしれませんが・・・。まぁ、私も口が悪い方の人間ですのでこれまでやってきた失言など数えてゆけばきりがありません。他人をみて自分への戒めにしたいと思います。


最近、また耳鳴りにについての相談が増えてきました。
耳鳴りを止めるには時間のかかる傾向がありますが、たいていは1~3回程度でどうすれば止められるか?というところまではたどり着くことはできます。いい加減な専門家の発言に惑わされているという方は、相談していただければと思います。

何度も何度も述べてきていますが、耳鳴りというのは耳だけに注目してしまうと解決がほぼ不可能になってしまいます。体全体をみていったい何が体に起こっているかと考えるのがコツです。
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耳鳴りと不眠の整体 その2

耳鳴りと不眠の整体 その1 からの続きです。


この方にはちょっと困った欠点がありました。
それは、


「身体感覚が鈍い。」


ということです。
身体感覚が鈍いということは、テレビやインターネットで調べた有益な情報もうまく活用できません。身体感覚の事を簡単にいうなら、寒いときには寒いと感じる、暑いときには暑いと感じる、お腹が減ったら空腹を感じるということです。

寒いということがわからなければ体を冷やしてもそれに気が付きませんし、暑いときでも冷やしてはいけないと必要以上に厚着をします。そして、お腹が空いていないのに、時間がきたからと食べるから食べ過ぎたりします。こんな事をいうと、


「そんな馬鹿な・・・。」


と思うかもしれませんが、体の調子を崩している人はほぼ例外なく体の感覚が鈍くなっているといえます。なぜなら、身体感覚が高まっていれば体を壊すような事はありませんし、一時的に調子を崩していてもどうすればいいかが自分でわかるからです。

余談ですが、以前にこられた方の娘さんが、


「調子が悪いなぁと思ったらご飯を抜いて寝る。」


という行動をとるといっていました。
そうすると体の調子がよくなるからだそうです。とても理にかなったやり方ですが、体のことについて詳しく勉強したというわけでもなく、なんとなくそうするといいことに気がついたそうです。このように身体感覚の高い人は、知識ではなく知恵を併せ持つようになっている事が多いように思います。


本題にもどります。


この方は身体感覚がとても鈍い方でした。
ですから、運動をしても体の調子がよくなるということがありませんでした。テニスをしておられましたが、テニスをするとフォームが崩れているので体の調子を狂わせてきます。ですから、私は、


「水泳をやりましょう。」


とすすめていました。
学生の頃に部活で経験があるのためテニスのように体を痛めてくることがないと考えたからです。しかし、水泳をすると一時的に耳鳴りの音が大きくなるからと水泳は避けておられました。


「そんなものは一時的なもので、腕の使い方よくなればすぐに変わってくる。」


と説明はしていましたけ。
経験があるので、腕のストロークで浮力がうまくでていないの自覚はできるようでしたけど、これがテニスだとフォームのどこが悪いかも自覚できないわけです。

あるときは、


「急に耳鳴りの調子が悪くなった。」


といってこられたことがありました。体の状態を確認すると、腕に尋常ではない疲労をためていました。


「腕が疲れることをしませんでしたか?」


と聞くと、仕事で手先に強い力を込めるような作業をずっとやっていたということでした。身体感覚が鈍いとこういうことにも自分で気がつけなかったりします。

万事が万事こんな調子です。
体によかれと調子を崩すことをやって、体の調子が悪くなってもその原因にきがつくことができず、なんか体の調子が悪いと、インターネットまったく関係のないキーワードで検索していたりするわけです。

もちろんこういった事は説明はしています。
しかし、身体感覚として理解できていませんから、理解が浅く結局何をやってもうまくいかないということになってしまうわけです。


そういえばこの頃に、


「もうあと3年ぐらい耳鳴りは鳴らしておきましょう。」


と話したことで少し憤慨されておられました。
私にすれば、3年というのは冗談にしても、耳鳴りをならしておくことで体に対しての関心が高まります。そうすれば身体感覚が高まってくるだろうという考えがあったのですが、そもそも身体感覚が鈍い人にはそれも理解できないわけです。


わかりにくいと思うので、食事を例にして考えてみましょう。


「何かおいしいものを食べにいこう!」


という話をしたときに、マクドナルドといったファーストフードを選ぶ人はほとんどいないでしょう。しかし、味覚が鈍い人にはそういう感覚がうまく理解できないのです。そんな人に一生懸命に、


「この店のこの料理ががうまいのだ。」


と説明するようなものでしょうか。
自分の味覚ではなく、食べログの評価でしか、おいしいとかまずいとかわからないわけです。


つづく・・・


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