プラス思考と耳鳴りとめまいと
2020年12月23日
「自律神経の働きを整える。」
言葉にすると簡単に聞こえることでしょう。
しかし、実際はかなり難しい事です。以前にもどこかで述べたように思いますけど、主体がどこにあるのかという事をほぼすべての人が勘違いしているからおかしくなるのかもしれません。
「プラス思考になれば人生がバラ色になる。」
確かに、現実を見ないでいれば頭の中だけは幸せかもしれません。。
しかし、現実をきちんと見ることができない人間は必ずどこかでつまずく事でしょう。生きて生活していれば良いこともあれば悪いことも、必ず両方の出来事が起こるからです。
多くの人が間違えているのは、
「悪い出来事を良いことだと考える事がプラス思考だ。」
と考えている事でしょう。
何かに挑戦しようとした時に、問題が起こるとします。
それに対して、
「これは辞めとけというサインに違いない。」
なんて言って辞めてしまうのをプラス思考とかいったりしている人がいます。
新しい事に挑戦するときに何らかの問題が起こるのは当然の事です。そういう課題を1つづつクリアしていく事を挑戦というのです。
逆の例もよく見かけますね。
あきらかな問題があって手を伸ばしてはいけないのに挑戦することをプラス思考といっていっている人がいます。知っている人がとある商品を輸入できる事になったのだけど、関税がかかるので値段があがってしまうと。それで、何を考えたのかとというと空港の職員を探して関税がかからないように空港を通り抜ける方法を探していました。たぶん、犯罪行為になってしまうのでうまくいっていないと思いますけどね。
こういう具合に、様々な形でプラス思考という言葉が都合良く使われている訳です。
だいたい医師なんかがプラス思考という言葉を使うときってどういう時かというと、
「私には治せません。」
という時です。
適切な治療があって快方に向かうのであればこんな言葉がでてくるはずがありません。治せないという言葉を使うと自分の権威が傷つくとでも思うでしょうか。そのつまらないプライドを守るために、目の前にいる人を傷つけたり、苦しめて良心が痛まないのかと思いますけどね。
プラス思考という言葉、自分の都合や気分によって使い分ける人たちが非常に多いのでは私はとても嫌いです。
「辛いのは穴がマイナス思考だからだ。」
なんていう医師に出会ったりしたときには蹴飛ばしてやればいいですね。
でも、それでも多くの人はあえてプラス思考とか前向きという言葉が好きなようです。
ですから、この言葉は
「悪い出来事をプラスに転じるにはどうすればいいか。」
と考えるための思考であると定義しておくといいのではないでしょうか。
そう考えると、めまいや耳鳴りで辛いなぁ、
『しんどいなぁと感じているのを気にしない。』
というのはプラス思考でもなんでもりません。
気にしないというのは、さっき述べた現実を見ないという事です。家で家事が起きれば火を消すか、逃げるかしないとまずいのです。いつか消防士がやってきて火を消してくれるというのはプラス思考でもなんでもありません。
ちょっと話がそれます。
最近知ったのですけど、仏教を開いた釈迦は、
「体の感覚を大切にしよう。」
という事をうたっていたそうです。
これ偶然にですが、私の考えと同じです。
「釈迦と同じような事を考える俺って、もしかしたらすごい奴なんじゃないか。」
という気持ちになるぐらいです。
でも、たぶん、幸せに生きようとか、楽しく生活しようとか考えていたらたぶん多くの人がこの考えにいたるのじゃないでしょうかね。なぜなら、幸せとか楽しいとかいう気持ちや感情は体で感じるものだからです。
映画館にいって映画をみる、ディズニーランドで乗り物に乗る、嵐やAKBのコンサートに参加する、こういう体験が頭の中だけで完結すると考えてしまうか?そういう風に考えてもらうと半数ぐらいの人にはわかってもらえるのじゃないかと思いますけどね。
そういや4DXという体験型の映画館での話です。
映画の主人公が胸の大きなヒロインに後ろから抱きつかれるシーンがあったそうです。その時に、シートからドンと背中を押されたのですが、
「これが彼女の胸の感覚か!」
とか思ったそうですけど、そんなはずがありませんよね。
話を戻します。
耳鳴りの音がやかましい事や、めまいでまともな生活を送れない事をプラスに転じるのはかなり難しいと思います。現実的に考えて不可能だといっていいでしょう。
例えば、今、とあるカフェでこれを書いている訳ですが、窓から外をみると背中を丸めた冴えないおっさんがポケットに手を突っ込んで歩いています。そのおっさんを、
「実はイケメンだ!」
「実はこのおっさんは存在しない。」
と思い込んでもイケメンに見える事はありませんし、消え去る事もありません。
なぜなら、そのおっさんは現に存在していますし、それが私の目に写って認識されているのです。認識してしまった以上、消える事はありません。
そして、このおっさんがどうしても不愉快に感じたとしましょう。
この時、どう考えるのがプラス思考といえるでしょうか。気にしない、存在しないものとするのは無理でしょうね。できると思うのであればやってみてください。目の前に人がいる状態で、
「この人は存在しない。」
と思い込めばその人は消えるのか?
気になるから不愉快に感じるのです。
だから、そういう時にはどうするかといえばカフェを変えるというのが正解じゃないでしょうかね。まぁ、幸いにして、目にとまっても不愉快ではありませんでしたし、気にもならず、すぐさま通り過ぎて視界から消えていきましたけどね。
ここまでいくと何がいいたいかわかってもらえることでしょうか。
耳鳴りやめまいをすでに感じてしまっているのです。それを、
「気にしない。」
というのは無理、不可能です。
ですから、幸せに暮らしたいと思うのであれば、
「めまいや耳鳴りをしっかり感じてどう生きていくのか?」
と考えるのが正解でしょう。
よい解決方法で1つ例をあげるのであれば、一昔前のヨーロッパの神父には、
「地球の自転の音が聞こえる。」
という人がいたそうです。
たぶん、耳鳴りがなっていたのでしょう。だから、前向きに生きていきたい、プラス思考になりたいと思うのであれば彼を参考にすればいいでしょう。めまいなんかも同じ要領でいけるのじゃないでしょうかね。
ただ、この考え方は普通の人には無理だと私は思います。
実際、めまいも、耳鳴りもかなり辛いものです。じゃあ、どれすればいいかといえば簡単です。
「ちゃんと止めてしまえばいい、治してしまえばいい。」
たった、それだけの事なんです。
あなたにプラス思考にとか、前向きに生きろとかいう人間がいたら、
「辛さも苦しさも解っていないくせに、聖職者みたいな人間になれとか簡単にいうな!」
と言い捨てて、その人とは縁を切ってしまえばいいでしょう。これが本当のプラス思考、前向きな考えじゃないでしょうかね。