日本人は頭を使わなくなってしまった
2019年05月29日
イチローが引退した時の発言に、
「メジャーの野球は頭を使わなくなってしまった。」
なんていうのがありましたが、
「メジャーの野球はスピード重視になってしまって、経験とかテクニックを活かすことができなくなった。」
と、捉えるとわかりやすいのじゃないでしょうか。
ピッチャーは速い球を投げ、バッターはその早い球に素早く反応して打ち返す。メジャーの野球はそれだけの野球になってしまっているのでしょう。実は、イチローは私と同じ年の生まれだったりするので40歳半ばなわけですが、これぐらいの年齢になるとスピードへの対応力は低下します。
イチローの発言を私なりに解釈してみます。
メジャーの野球は、30ー40球ぐらい投げたらピッチャー交代みたいなことになってんじゃないでしょうかね?ピッチャーは常に全力で投げて、球威が落ち始める前に交代しているわけです。そうなると速い球への対応力を失い始めているイチローではチームに貢献できないのです。要求されるのは速い球へ対応ができる若さをもった選手のみという事になっているのでしょう。
スピードに対応できないというのは衰えと感じるかもしれません。
しかし、野球というスポーツはスピードだけでやっているわけではありません。長くプレーし続けることによって、駆け引きが上手になって引き出しが多くなってくるという表現がわかりやすいですかね。
ドカベンなんかを読んでいると頭を使った野球をしています。
ストレートに目を慣れさせておいてから変化球で空振りさせにいくとか、序盤のピッチャーの球威があるうちは打てないけど球数が増えて球威が落ちてくるところで一発を狙うとか、打てない球はファールにしてピッチャーの球数を増やして失投を待つとか、野球には様々な駆け引きがあります。
長く野球選手として活躍していれば年をとってゆきますから次第にスピードを失います。
しかし、そのかわりに得ているのものもあるわけです。イチローぐらいの実力のある選手であればヒットを打つ以外でもチームに貢献する方法などいくらでもあるのです。このあたりの駆け引きが野球というスポーツの面白さであり、イチローが長く選手として活躍できた理由なのでしょう。そして、このことを踏まえて考えると、
「頭を使わなくなった。」
というイチローの発言はしっくりくるのじゃないでしょうかね?
求められるのは速い球を投げれるピッチャーとそれを打ち返すことができるバッターだけになってきているわけです。だから、今のメジャーは、
「よく頑張っても27歳ぐらいまでが限界ですよ。」
なんてことになってんじゃないでしょうかね。
ボクシングでいえば、ノーガードで殴り合ってどっちが先に倒れるかみたいな試合ばかりなわけです。そういうのが好きな人もいるでしょうけど、野球が好きな人だと見ていてつまらないんじゃないかと思いますけどね。
メジャーで活躍することにしか価値を見いだせない人ならイチローは衰えて引退したとしか考えられないでしょう。でも、本当のところは野球選手として成熟しつつあるイチローは、
「もっと面白い野球がしたい!」
と、メジャーに見切りをつけたんじゃないでしょうかね。
私も日頃仕事をして、
「もっと考えなあかんわ。」
なんて発言をする事が多いですね。
人間は年をとったからといって衰えるような生き物ではありません。年齢を重ねるにつれて洗練されてどんどん元気になってゆくことができる生き物です。
「年をとったら腰や膝が痛くなってきた。」
なんて発言は、スピードをなくした人間には生きる価値がないみたいな非常に面白くない考え方といえます。
ドリフのコントで老人を捨てる山みたいなのを見たような気がします。
ドラマなんかでも見たことがありますかね。じじ捨て山とか姥捨て山みたいなストレートな表現はなくなりましたけどね。最近になって、そういう施設が山のようにできているという事に疑問を感じてみてもいいのじゃないでしょうか。
「ある程度の年齢まで生きたら周囲の人に迷惑をかけないように施設にはいって心臓が止まるまでおとなしくしていてください。」
私ならこんな事をいわれら気が狂うぐらい腹がたつでしょうけどね。
「もっと面白い生き方をしたい。」
そんな具合に、頭をちょっと使ってみれば、もうちょっとましな生き方と死に方ができるんじゃないでしょうかね。
あ、書き終わってから気がつきましたがメジャーどころか、野球なんて10年以上まともにみていません。メジャーの事情も、イチローの頭を使わないという発言から想像の翼を広げただけですので、嘘をいっている可能性がありますから他人とこんな話をするときは注意してくださいね。
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