人と違った事をすると
2017年06月30日
体の調子が悪い人が、ちょっと他人と違う事をしていると、
「それが原因で体の調子が悪いに違いない!」
とかいわれたります。
たいていの場合、それを否定する根拠とか考えがなかったりするので、
「そうかもしれない。」
と思ってしまうようですね。
実際に、私が相談を受けた話をいくつか紹介してみましょう。
まず最初は、以前にも書いた話です。
プロの演奏家が耳鳴りで困っているということで医師に相談したところ、
「楽器をずっと演奏してきたことが原因だ。その楽器を演奏するときの姿勢が耳に悪いに違いない。」
と答えたそうです。
何十年も演奏することで生きてきたという人間に安易にいっていいことではないと思いますけどね。
この医師は相談するに値しないと思います。
耳鳴りの原因や原理がわからない、楽器の演奏について造形が深いわけでもない、姿勢とそれにまつわる運動がどのように耳に影響するかについて研究しているわけでもないのですよ。それなのに何を考えてこんな発言をしたのか理解ができません。
医者というのはその立場や背景のせいで、その発言に大きな影響力を持っているという自覚もないのですから、最悪の医師だとといっていいでしょう。
ちなみに、この人の場合、耳鳴りの原因はただの不摂生でした。
楽器の演奏はこの人の場合、体調の回復には非常に効果的でした。まったくの正反対の事をなんの根拠もなしで発言していたわけです。
次は寝る時の姿勢についての話です。
「寝る時に足をひし形に組んで寝るのですがこれでいいのでしょうか?」
と相談された事があります。
この方は食べるのが非常に好きな方でした。当然、胃腸も頑丈なのですが、頑丈さにまかせてずっと食べすぎていたせいで膝や腰が痛いとか、眠りが悪いとか、動悸がするとか、そういう事が起こっていました。
これもまた私のところへ相談に来る前に、医師に相談していたそうです。
すると、
「そんな格好で寝ているから眠りが悪くなって体を壊すのだ。だからまっすぐ足を伸ばして眠りなさい」
といっていたそうです。
まぁ、私も話を聞いただけでは意味がわからなかったので実際にどういう格好なのかとやってみたもらったわけです。するとひと目見てわかりました。
なんのことはありません。
食べ過ぎで胃が壊れている影響で腰椎2番の力が抜けなくなっているわけです。腰椎2番の力が抜けないとうことは、体の力が抜けてないわけですから当然眠りが悪くなります。ですから、そんな変な格好をすることで、体の力を抜いて眠っていたわけです。そう考えれば、足を伸ばす事を意識すると眠りが悪くなることもわかります。
寝相というというのはその人がもっとも眠りやすい形を勝手にします。
うつ伏せだろうか、手を組んでいようが、どんなに変な眠り方をしていてもたいていは気にするようなことはありません。当然ですが、この方も胃の調子を整えれば足を変な形に組んで眠るようなこともなくなります。
最後は、お風呂に1時間以上入るという学生の話です。
この学生は、朝、スムーズに目をさますことができないために不登校がちになっています。で、母親としては風呂にはいりすぎなのかもしれないとつい思ってしまうそうです。
しかし、そうでないのは体の状態、主に背骨と骨の状態をみればわかります。
体の調子がいまひとつなので、つい長湯をしてしまうようです。おそらく心臓の働きがちょっと物足りないのがお風呂にはいると高まって元気になってくるのだろうと推測されます。
変わったことをしていると、
「それが原因だ!」
と言われがちですが、そういう行動をとるのは普通、体の調子を整えるためやっているのであると考えておいてください。