神経が緊張するとはどういうことか?
2022年03月15日
鬼滅の刃というマンガとアニメを知らない人はいないでしょう。
これを書いているのは2022年3月で、秋葉や日本橋だけでなく、スーパーのレジ横から喫茶、飲食店までありとあらゆるお店で鬼滅ノ刃のコラボ商品を見かけます。
その主人公の竈炭治郎(かまどたんじろう)という少年は嗅覚がとてもすぐれています。
友人が二人いて、一人は我妻善一(あがつまぜんいつ)、善一は聴覚がとても優れています。もう一人が嘴平伊之助(はしびらいのすけ)というのですが、イノシシのマスクをかぶって上半身が裸の人だというと、鬼滅の刃を知らない人でも見たことはあるのではないでしょうか。
伊之助なのですが、炭治やと善一と同様に優れた五感の能力をもっています。
それでその事を何人かの人に話したのですけど、どうもわかっていなかったようなのでちょいと説明してみようと思います。人によっては、伊之助の能力について理解をする事で健康に対する捉え方が変わる人もいるかもしれません。
伊之助は、五感の中では触覚が非常に優れています。
ですから、その能力を活かして姿を隠した鬼を探し出す活躍をしています。その能力を最大に発揮するのが『獣の呼吸 漆ノ型 空間識覚』ですね。五感を四方八方に伸ばして全ての方向の索敵を行う技です。マンガ原作らしい、荒唐無稽な技だと思うかもしれませんが、これは我々にも実際に備わっている、
「気配を感じる。」
という能力で伊之助はこの気配を感じる能力が常人より優れている訳です。
気配というのは何を感じているかというと空気の流れを感じています。
空気の流れは肌で感じます。伊之助はその空気の流れをはっきりと感じるためにずっと裸でいるのです。イノシシのマスクをかぶっているのは視覚、聴覚、嗅覚を制限することで触覚に意識を集中するためのものでしょう。伊之助は目で鬼の動きを追うのではなく肌の感覚で鬼を捉えているという訳ですね。アニメの中で数回、伊之助が服を着るのを嫌がるシーンがありますが、それは伊之助にとっては周囲の状況把握ができなくなる、つまり私たちにとっては目隠しされるようなものだからです。
劇場版を見たことのある人は思い出してみてください。
十二鬼月、下弦の一の魘夢(えんむ)という鬼は、炭治郎には視線を合わせる事で何度も炭治郎を夢の世界に誘い込んでいました。それなのに伊之助にはその攻撃は一切効果がありませんでした。野性のカンで視線を反らしているなんていっていましたが、数百もある目の総てと目をそらすのは現実的ではないので、伊之助は目を閉じていたのではないかと私は思っています。
ちなみに、目以外の感覚で行動する動物だと蛇なんかが有名ですかね。
蛇は視力が弱くほとんど見えていないそうですが味覚と触覚で目以上に状況を把握しているそうです。蛇が舌をチロチロと出しているのは周囲の状況を把握するためな訳です。
それで、どうしてこういう話になったかというと、
「寒いのに子供が服を着るのを嫌がって薄着になる。」
「靴下を嫌がる。」
という話があったからです。
こんな事をいう理由は、触覚の神経が緊張して過敏になっているからです。
肌感覚が過敏な人は厚着をした時に服を着ている感触を不快と感じるようになります。多分、服が重いとか体にまとわりつくとかそういう風に感じているはずです。家にいるときはジャージで過ごしているなんていう人にも似たような傾向があるかもしれません。
こういう神経の状態の人は寒いのに薄着で過ごして、でも暖房はガンガン焚いてみたいな事をやっているかもしれません。裸族なんていわれる人の大半はこういう人たちのはずです。だから、服を着るのを嫌がるのでその傾向を変えたいのであれば、触覚の神経の緊張を緩めてあげないといけません。頸椎でいうなら2,5,6番あたりがポイントになるはずです。
ちなみに、私だと砕けた服装は体だけでなく気もゆるみだらけてしまいます。 だから、ラフでもジーパンを履いてベルトをしている方が休日を有意義に過ごせるような感じがします。
ただ、伊之助の触覚神経が過敏かというと、たぶん違うと思います。
なぜなら、神経が過敏の状態だとアレルギー反応を起こしやすいからです。鼻の神経が過敏だと花粉症を起こすように、肌の神経が過敏だと、裸で山野を走り回る伊之助はすぐにかぶれて体が真っ赤っかに腫れ上がることでしょう。そうならないという事は、触覚神経の末端の根が普通の人より多い、たぶん数倍以上あるというような特殊体質だろうと思われます。
また、伊之助は何十メートルも離れた場所に潜んでいる鬼を知覚するほどの鋭敏な触覚です。
そんな高感度な肌の感覚があるとおそらく気が狂ってしまうだろうという事もいえます。例えば、サメなんかは触覚が敏感で鼻の部分に手で触れるとおかしくなってしまうなんて話を聞いた事はないでしょうか。サメは血一滴の匂いで平常心を失ってしまう事があるぐらい感覚が敏感なのです。伊之助の怒りっぽい無茶苦茶な性格は、彼自身の優れた触覚に由来しているわけです。
鬼滅の刃が大ヒットした理由は、こういう具合に、身体的な特徴がそのデザインにちゃんと反映して表現されているからといえるでしょうね。 あ、ちなみに私は設定資料なんかを一切見ていないのでもしかしたら原作者は違う事を考えているかもしれませんけどね。ただ、少なくとも私からみて伊之助のキャラクター設定には一切の穴がないと思える訳です。
ちなみに、こういう事がわかってくると、才能をもつという事、その才能は自身を傷つける諸刃の剣であるという事がわかります。普通であるという事がどんなに幸せな事であるかと考え直してみるとよいでしょう。
とりとめがなくなってきたのでまとめます。
人間の体は、神経の緊張があると体を壊すというほど単純ばものではありません。
それが、個性や才能に繋がる可能性があるという事も少なくありません。だから、無闇矢鱈と緩めればいいとかリラックスが大切だなんていう話を間に受けるのは辞めておいた方がいいでしょうね。そういう事を踏まえておいてもらって、
「裸族は嫌だから普通の人間になりたい。」
というのであればご相談いただけるとよいでしょう。
先に述べたとおり花粉症だったら目や鼻が、耳鳴りだったら耳が、めまいだったら三半規管が過敏だというだけです。伊之助のように天賦の才をもっている人なんてほぼないと思いますので、たいていの方はなんとかなると思います。