パニック、不安

パニック、不安症の整体

パニック、不安症は心の問題か?


「子供の頃に親に虐待をうけていた。それが原因で息苦しくなるのですが?」


そんな、相談を受けたことがあります。

何年もカウンセリングをうけてきたのだけど、突然に襲ってくる不安と息苦しさは克服できなかったそうです。そこで、自律神経を整えれば、子供の頃に受けた心の傷を癒せるかもしれないと思ったようです。しかし、この考え方には無理があります。いくら整体をしても過去の出来事を変えることはできないからです。



多くの方が、



「仕事のストレスが原因で・・・。」

「人間関係のストレスが原因で・・・。」



などと、息苦しくなったり、不安になるのは心の問題だと考えてしまっています。

確かに、パニック、不安症の原因はストレスや過去の辛い体験が原因であるケースは実際にあります。しかし、息苦しくなったり不安になる原因のほとんどは、自律神経の異常です。過去の嫌な体験や出来事はほぼ無関係だと考えていただく方がよいでしょう。


相談にこられる方は、



「検査をしてもなにも異常が見つからなかった。」



といいます。

だから、心の問題だろうという判断のようです。



ずいぶん乱暴な話です。

肺や心臓に問題があるから、息苦しくなったり動悸がするという単純な発想しかしないから原因が見つからないのです。走ったときに息苦しくなる。怖い思いをした時に動悸がする。こういうのは、体の当たり前の反応で不思議でもなんでもありません。体に起こっているのは、走ってもいなければ怖い思い出もしてないのに息苦しくなったり、動悸がしたりするということです。これは体の反応がおかしいということで自律神経の働きの問題です。



また、ストレスや辛い体験で突然の恐怖や不安を感じるようになることは確かにあります。

私が知っている話だと、飛行機の墜落現場の後始末をした自衛隊員の方が、その後、自動車をはじめとする全ての乗り物に一切乗れなくなってしまったというものがあります。運転席だけでなく助手席や後部座席でも動悸がして抑えきれない恐怖を感じてしまうようになったそうです。こういうケースは心因性、強いストレスが原因といえるでしょう。


ストレスや心が問題が原因の場合、体の検査をいくらしても原因を見つけることができないとかんがえるのではないでしょうか?

しかし、自律神経の状態を確認することができれば、このような人の体の状態も正確に確認することができます。具体的ないい方をすると、強いストレスを受けている人は、胸椎8番と骨盤の状態に異常がみつかります。強いストレスを受けると、自律神経の働き悪くなってしまい、その影響で骨に異常が起こるからです。


つまり、パニック、不安という問題については、自律神経が原因なのか、それともストレスが原因なのかは体の状態をみればきちんと判断できるということです。



実は、本当にストレスのせいでパニックや不安になっている方はごく少数です。

割合としてはストレスが原因という方は30人に1人程度でしょうか。大半の方は自律神経の働きに異常があるのが原因です。人間の体はストレスを受けたぐらいでおかしくなるほど弱くはありません。





パニック、不安症の原因とは?


パニック、不安症の原因は、迷走神経と交感神経の部分的な緊張です。

一言で終わってしまいますが、これでは意味がわからないと思うので順に説明してゆきます。



迷走神経とは背骨のそばを通っている自律神経です。

副交感神経の一部分で、内臓の働きをコントロールしている神経だと考えてもらうとよいでしょう。不安症、パニックで動悸や息苦しさを感じるのは、迷走神経が心臓や呼吸の働きに深く関わっているからです。


たいていの場合、息切れや動悸のする方は胸椎4番に、不安を感じるという方は胸椎8番の横に迷走神経に強い緊張がみつかります。


ちなみに、体を冷やしたときに、お腹が痛くなったりするのは胸椎12番を通る迷走神経が緊張を起こしているからです。このように迷走神経が緊張をしすぎると体に様々な問題が起こります。不安、パニックというと、交感神経の緊張がすべての原因と考えられているようですが、実際は副交感神経の一部である迷走神経の緊張も深く関係しているのです。



もう1つの原因となるのは、交感神経の部分的な緊張です。

この部分的な緊張というのがとても重要です。体は緊張したときに、体全体が一様に緊張するわけではありません。緊張が強くなっても、部分的な緊張であり、ほかの部分はゆるんでいる事が普通です。全身が緊張しているというのは、死体ぐらいと言ってしまってもいいでしょう。この事を理解していないと大きな勘違いをしてしまいます。



この部分的な緊張ですが、交感神経の働きが悪くなったときに起こります。



「不安、パニックは交感神経の緊張が原因ですよ。」



とよく言われます。

確かに、それは間違いではないのですが、その緊張は部分的なもので全体としては、交感神経の働きが悪くなった時にそのような状態になります。


自律神経の問題というと、交感神経が高まりすぎ、副交感神経の働きが悪いと単純に考えてしまいがちですが、実際はもう少し複雑なのです。



ちょっと例をあげてみましょう。



「子供の頃、明日が遠足だということで楽しみで仕方ないからなかなか眠れないでいた。」



こんな話は誰でも聞いたことがあるでしょうし、実際に経験したことがある人もたくさんいることでしょう。これは期待のあまり交感神経の緊張が高まったせいで起こるのですが、



「遠足が楽しみすぎて、息苦しい、動悸がする、不安や恐怖を感じる。」



そんな人は一人もいません。単純に交感神経が高まったことが原因で不安やパニックになるのではないとうことです。



不安、パニックの原因は、迷走神経あるいは交感神経が部分的に強く緊張してしまっていることです。たいていの場合、交感神経、副交感神経、両方のバランスが悪くなっていますので、深呼吸して落ち着けば良いというような単純なものではありません。




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