パニック症候群について一言述べたいと思います。
パニック症候群というと、たいていの場合、過去の辛い経験や体験のトラウマや日常のストレスが原因で起こると考えられます。そのため、現代医療はパニック症候群を主に精神安定剤を利用しながら、悩みを吐き出したり切り捨てたりするといいと助言し、考え方を前向きに変えればよくなると指導されているケースをよく見かけます。
しかし、そんなやり方で解消するはずがないだろうというのが整体師としての考えです。なぜなら、人間の情動、つまり感情は考え方で変えられるようなものではないからです。
具合的に、私の知人の話を紹介してみましょう。
その友人はギャンブルが好きで、休みの日になると競馬やパチンコなどのギャンブルにでかけます。それで、1日で10万円買ったとか負けたとかで喜んだり、悲しんだりしています。それで、その友人が最近の円安の影響で、外貨預金でギャンブルとは文字通り桁が違う利益をだしました。しかし、あまり喜んでいる様子ではありません。なんでかと聞くと、円安は予測できていたことだから当たり前の結果で別に嬉しいとかいう気持ちは生まれてこないと言っていました。
おそらく逆の人もいるのではないかと思います。
つまり、ギャンブルで儲かっても嬉しくないけど、株などの資産運用で儲かったら嬉しいという人がいると思います。それで、その友人に、
「お前はそれではいけない。ギャンブルでは冷静でいて、外貨預金で利益がでたら喜ばなくてはいけない。」
とアドバイスをしたら考え方を変えることができるでしょうか。
これまでの人生経験や日常に置き換えて考えてみてください。
起こった出来事に対する感情をかえることはできるはずがありません。感情というものはコントロールできるものではないからです。
この話はギャンブルや資産運用だからそうなるのであって、ほかのことならできるはずだと思う人もいるかもしれません。
そういう人にはもっと身近な例を紹介してみましょう。
あなたが嫌いな食べ物を頭に浮かべてみてください。そして、その食べ物に対しての考え方を変えて今すぐ好きになってください。こんなことができる人は世界中を探せば10人ぐらいはいるかもしれませんが、それはあなたではない可能性が高いでしょう。それと同じで、不安を感じるのだけど、考え方を改めてその不安を解消しましょうという助言はかなりずれているのです。
整体においては、物事を前向きに考えるか、後ろ向きに考えるかは骨格によるところが大きいと考えます。物事の正の面を見るか、負の面を見るかは本人の資質や性質で、それに良いも悪いもないのです。自分なら宝くじに当たるに違いないと大金を払う人もいれば、そんなものはあたるはずがないと貯金にはげむという人と、それぞれの個性であってどちらが正しいというものではないのです。
さて、整体師として意見を述べさせていただくと、パニック症というのは様々な体の不調や症状の総称です。
具体的な問題のある場所は、頸椎6番、7番、胸椎1番、2番です。4つもの椎骨をあげなければいけないのは、これらの骨に問題があると心臓の動きに安定さを欠いて不安が高まってくることがあるからです。
簡単に説明をすると、これらの椎骨に異常があると心臓を制御する神経の働きに支障が起こります。その結果、心臓の働きが不安定になりそれが原因で不安の感情が湧き上がってくるのです。
なお、背骨の問題が(自律)神経の働きに影響してそれが心臓の機能にまで及ぶということは直感的には理解できないかもしれません。このことについては、長くなるのでまた別の記事でまとめようと思います。
整体においては、どの骨に問題があるか適切に判断して対処をします。
そしてその骨の働きが健全な状態にもどればパニック症候群の解消は問題なく可能です。それに対して、医学は大雑把にしかパニック症を理解できていないということです。