以前に少し紹介させてもらったことにある音楽家の方のその後の話です。
耳の専門家に、
「演奏するせいで耳が悪くなったのだ。」
なんて言われたせいで、演奏をすることに対して消極的になっておられました。
しかし、私は、
「どんどんやってください。熱心にやればやるほど耳鳴りの音は小さくなっていくはずです。」
と指導をしていました。
整体にこられた当初とくらべて耳鳴りの音はだいぶ音は小さくなっていたようですし、体の様子が整ってきたのであとはもう活動的になってもらうほうがよいだろうと判断していたからです。体のどこかが調子が悪いときは、安静にしてしまいがちですが、
「引きこもっている人間が元気になるはずがない。」
という事を多くの人に考えてもらいたいものです。
たとえば、仕事もせず、勉強もせず、1日中、テレビをみてパソコンに向かっている人が、
「やる気がでたら本気出す!」
なんていっているのを聞いたら、蹴飛ばしてやりたくなるのではないかと思います。
ニートと耳鳴りを一緒にするなと思うかもしれませんが、そんな乱暴な考えで問題ないこともあります。大事なのは体にいいとか悪いとかそんなことでどうにかなるようなものではないのです。
さて、この音楽家の方ですが、先月にコンサートを開いたそうです。
すると、耳鳴りがかなり小さくなってきたのだとか。実際に行動したときの体と耳鳴りの変化を実際に体験してみて、
「あぁ、なるほど!そういうことか。」
と、どうすればよいのかが感覚的にわかってきたようです。
耳鳴りのしくみというのは、私も完全に把握しているわけではありません。
しかし、自律神経の状態と照らし合わせながら、体の状態を読み解いてゆくとおおよそどうすればよいかは判断することができます。最近また、耳鳴りの相談が増えてきていますが、みな、
「耳鳴りを止めることはできません。」
「もう止まりませんので諦めてください。」
なんて言われてしまっています。
そのせいか、
「体がこうなってますから、こうすればたぶん止まりますよ。」
なんて私が気安くいうもんだから、かえって胡散臭く、疑わしく感じられてしまう事が多いようです。
もっと物々しく深刻な印象を与えつつ、厳かに、
「私の言うことを聞きなさい。」
なんていう感じで説明した方が説得力が増すのかもしれないなぁなんて思ったりしますが、性に合わないので実際にやることはないでしょう。
何度も何度も口にしているセリフですが、
「体は完璧で何も異常がないのに耳鳴りが鳴る。」
という事は絶対にありません。体を細分化して原因を探すから耳鳴りの原因がみつけられないだけです。