学術的研究の罠: あなたの健康行動を再評価しよう
2023年10月27日
運動をすると健康になる。
このことは、多くの人が認識していることでしょう。数多くの学術的な研究も行われていて、毎朝のラジオ体操、ジョギングやウォーキングで健康度があがるというレポートはほとんどの人が見たことがあるでしょう。
ところが、このような知識を得てしまった人の中には、運動をしなければ健康になれないという考えに陥ってしまう人がいます。中には、汗をかく運動が嫌いだという人もいたりして、そういう人は、
「自分は、もう一生健康な生活など送ることなど出来ない。」
などと言い出す人も実際に存在します。
しかし、運動というものはそこまで厳格に考える必要はありません。そのためには、
「運動とは何ですか?」
こういう根本的な部分を考えなおすとよいでしょう。そうすることで、運動の捉え方、考え方を改めて、効率的そして効果的に生活を送ることができます。
先に述べたような勘違いに捕らわれてしまうのには理由があります。
毎朝のラジオ体操や30分のジョギングが、学術的に運動として研究されるからです。そのようになってしまう理由は、計測をすることを容易にするからです。学術的な研究は最終的にはレポートや論文という形にしなくてはいけませんから研究の対象となるものは必ず数量化、計量できるものになります。
このことは学問においての大きな欠点です。
数量化できない要素は検討からはずれてしまうのです。その結果、計測できない行動は運動ではないと勘違いを起こしてしまう原因になります。だから、学術的な研究は、そのような欠点を持っているということを知っておくとよいでしょう。
具体的な例をあげてみましょう。
ある音楽家の方が、60歳を迎えて一生に一度ぐらいは医者というものに行ってみようと思ったそうです。すると、その時の医師は、
「あなたは運動不足ですので、運動をするようにしてください。」
と助言をしたのです。
そして、スポーツクラブへ通うようにしたら、腰が痛くなったそうです。それで、私のところへどうしたらよいだろうかと相談に来られました。その方には、
「楽器の演奏自体が運動になっているのです。だから、今までずっと元気に活動してこれたんです。そんな筋トレみたいな余計なことをしなくていいですよ。」
とアドバイスをしました。
この方は演奏さえしていればずっと健康でいられたのです。
このような勘違いを防ぐために、少し運動について掘り下げて考えてみるとよいでしょう。ただ、、こうした概念は少し難しいかもしれませんので、言葉を換えてみることを提案します。つまり、『運動』を『発散』というように表現を変えてみるのです。整体では、運動にあてはまる行動を発散と表現します。つまりエネルギーを消費する活動をすべて発散だと捉えるのです。つまり、ありとあらゆる行動のすべて発散となるのです。具体的には、汗をかくようなウォーキングやジョギングからはじまって、大きな声を出す、感動する映画を見てあるいは小説を読んで泣く、旅行する、ドライブする、おいしいものを食べる、料理を作るこれらすべてが発散です。将棋においてじっと座って次の一手を考えるのも発散ですし、難しい数学の問題を解くのも当てはまります。
ポイントはどういうことかというと、体が求めている行動をすることです。
ですから他人に言えないようなことすらも問題ありません。会社の憎たらしい上司や同僚の悪口を日記に書くことだって発散です。最近だったら、SNSやブログを使って発散している人は少なくありません。重要なのは、それをすることで体の中に溜まっているエネルギーを発散できるかどうかなのです。
多くの人にとっては発散できているかどうかというのはわかりにくいかもしれません。
もし、世間で言われているストレス解消みたいな行動を実際にやってみて、すっきりしていないのであればそれは発散できていないということだと考えてよいでしょう。
具体的にどうすればいいかわからない人には、大きめの書店へ行くことをおすすめしています。
ぐるぐると歩き回って、目に止まった書籍や雑誌を買ってみましょう。無意識に、目が止まるものはその内容が発散に最も向いている可能性が高いからです。あまり深く考えないで選択することで、自身の無意識や興味がどういうものに向いているのかを発見しやすくなります。
そして、実際にそこに書かれていることを実行してみましょう。
もしかしたら、最初はうまくいかないかもしれませんが、このような行動を繰り返していくうちになんとなく自分の嗜好や傾向がわかってくるはずです。そうやって最も自分が効率的に発散できることを生活に取り入れていけばよいのです。
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