ブログ「日々整体」

医療では語られない睡眠の話:整体師が教える自然な眠り

みなさんは睡眠についてどのように考えているでしょうか?
週に50時間眠らなくてはいけない、睡眠にたいして理想的な寝具、ふとんやまくらがある、一度寝ると朝まで目覚めてはいけない、などなど。多くの人が睡眠について、様々な蘊蓄やノウハウを聞いたことがあるでしょう。

睡眠不足は体に様々な不調をもたらします。
免疫の低下、記憶や集中力の低下、ストレスや不安、うつ病などのリスクを高めるなど、睡眠不足では健康的な生活ができなくなることはわかっています。しかし、どうしてこのようなことが起こるのか、実は、科学的には解明されていないのです。

はっきりとした答えがないにも関わらず、理想的な睡眠について語る人が大勢いることを不思議には思わないでしょうか。このような世の中の状態を踏まえて、今回は睡眠について私が知っていることをまとめてみようと思います。

アメリカのバージニア工科大学の名誉教授である、睡眠の歴史的背景を研究する第一人者であるロジャー・エクルヒが睡眠についての研究を発表しています。
その内容は、

産業革命前のイギリスやヨーロッパでは。睡眠が現在のように一度に連続してとられるものではなく「第一の睡眠」と「第二の睡眠」という2回の睡眠がありました。人々は、夕方に寝て、夜中に一度起きて、数時間の間、家事、読書、祈りをしたり、家族や友人と交流したりしたあと再び眠りにつくという習慣が一般的だったそうです。つまり、二度寝をするというのが当たり前の生活習慣だったのです。

この習慣に変化をもたらしたのが産業革命です。
生産性の向上のために昼に長時間働くようになり、電気による照明の普及で人の活動時間が長くなりました。その結果、一度に長時間寝る必要が生じたのです。

現在でも伝統的な生活を続ける地域ではこの二度寝の習慣が残っているそうです。
また、先進国で暮らす人でも、未開の地域で暮らすとやはり二度寝の生活習慣がはじまるそうです。そして、2度寝の生活習慣の方がより健康的である傾向もあるのだとか。

つまり、現代人の一度に長時間寝るという生活習慣は、必要性があるのでそうしているだけで、人間の本来の性質からははずれたものである可能性があるのです。人間の性質からはずれた生活習慣の結果、起こるのが不眠症であり、精神に関する病です。先進国で様々な精神に関する病気が増えてくる傾向があるのはこういうことが原因なのかもしれません。なお、この説は議論が続いている一方で、多くの専門家から支持を得ています。

整体においても、創始者である野口晴哉が睡眠について、

「夜に目が覚めた時には、一度、体を起こして再び眠くなったらもう一度寝るようにしなさい。」
「トイレで目が覚めるというのは、体が睡眠している状態ではないということです。人間の体は寝ているときにはトイレにいきたくならないようにできている。」

というようにその書籍で述べています。
夜中に目が覚めたら一度体を起こして、再び眠気がおとずれるのを待つようにという点において、ロジャー・エクルヒ名誉教授の研究内容と一致した見解をもっているといっていいかもしれません。

書いていて、ふと思い出したのは、

「都会の暮らしは辛いから田舎にいって農業をしたい。」

という人たちが一定の割合で存在していることです。
彼らは現代的な一度に長時間の眠りにうまく対応できないために、少し前の時代の2度寝の生活習慣を取り戻したいと本能的に思うのかもしれません。

もし、眠りについてあれこれと苦情を言われることがあればこの動画の内容を思い出してみるとよいでしょう。おそらくそれを言う人は、世界的に支持されているこのような学説があることすら知らないはずです。少なくともご自身の睡眠に対してダメ出しをする必要がないことを知るだけでも随分と気持ちが変わってくるのではないでしょうか。夜中に目が覚めるというのは当たり前のことで、異常でもなんでもないのです。

このような動画はほかにもいくつも投稿しています。
主に医療とは異なる視点、医師が見落としているものに注目しています。もし、よろしければ他の動画もご覧になってみてください。きっと健康的な生活を送るための助けになるはずです。

体は神秘の宝箱、自律神経整体院でした。
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二宮進が伝えた野口整体の極意:整体師が語る


実は私が運営しているホームページにおいて検索ワードとして

「野口整体」「野口晴哉」

というものがかなりの割合を占めています。
ほとんどの人が、野口整体を知らないと思っていたのですが、どうやら私の勘違いだったようです。そこで今回は、野口整体と野口晴哉についてのエピソードを紹介したいと思います。

整体は体を強くひねったり、押したりして骨を強引に動かすものを想像する人の方が多いのではないでしょうか。しかし、野口整体ではそのように力任せに体を操作しようとすることはありません。なぜ誤った印象が広まったのかよくわからないのですが、整体という言葉だけが勝手に広まってしまった結果ではないかと感じています。

実は、野口整体という言葉を知ったのは私が整体をある程度学んでからのことでした。

「自分がこれまで学んできた整体という技術では対応できない問題がたくさんある。」

ということに気がついたとき、野口晴哉という人がかつて存在していたことを知ったのです。そしてこの人こそが整体という技術を考案したのだということも合わせて知りました。

「いままで私が整体だと思っていたものはいったいなんだったのか?」

という疑問を持ったのものです。

それで、野口整体を学んでみようとあちこちに出向いたのですが、その中でもっともわかりやすい教え方をしてくれたのが二宮進という人でした。二宮先生は、二宮整体という看板を掲げて整体を行い、後身を育成していました。ちなみに、名前が私と同じなのは単なる偶然です。

二宮先生のお母さんが野口晴哉師から直接に整体の教えを受けたそうです。野口師には10人ほど優秀な弟子がいたそうなのですが、その中の1人だったのだとか。

しかし、整体師として優秀だとしても整体技術の指導者として優秀かというと少し違っていたようです。
いつも、不思議な表現、言い方をする人だったそうです。整体した方は、必ずといっていいほど元気になるのですが、二宮先生は、その母の教えがまったく理解できなかったそうです。私が聞いたのは、体を少し観察することで直感的にどうすればよくなるのかがすぐにわかる人だったそうです。でも、その直感を言葉で表現するのが得意ではなかったのだとか。野球では、名選手は名監督ならずとよくいいますが、それを地で行くような人だったのではないかと想像しています。

きっとその反動だったと思うのですが、二宮先生は常に明確な表現を使って私たちに整体を教えてくれていました。例えば、

「動悸が起きる時には胸椎4番を整体しろ。」

というようにです。
しかし、そのような一見、わかりやすいと思える教え方でも私はやはり困っていました。問題と答えしか伝えてくれないからです。つまり、

「なぜ、そうすれば体が良くなるのか?」

という説明をほとんどしてくれないのでした。
つまり方程式の問題とその答えだけを教えられて、その解法の説明がまったくないというような教え方だったのです。

「2代にもわたってこんな極点な指導者にならなくてもいいだろうに。」

そう思ったのはきっと私だけではなかったと思います。
ただ、今になって思うことは、整体という技術の継承はそういう形でなくてはうまくいかないということです。理屈や仕組みを理解すれば整体のことを理解できるわけではありません。理屈を越えた直感と経験こそがもっとも重要で、その積み重ねが本当の理解につながるのです。

例えば、イチローに親切丁寧にバッティングのことを教えてもらったら、あなたもメジャーリーグで活躍できるようになるわけではないのです。整体というと知識の積み重ねさえあればできると考えてしまいがちなのですが、整体師であるということはプロのスポーツ選手であるということと似ているのかもしれません。

実は、整体することを操法すると表現します。
ただ、操法というと意味がうまく伝わらないので私はいつも整体するという表現を使うようにしています。整体をするときには、主に背骨に注目して体の問題点を探します。異常があると、骨やその周辺の筋肉がうまく動かなくなっています。体に生じる異常のすべてはその動かない骨や筋肉が原因です。

骨や筋肉には神経が通っています。
ですから、心臓に関連する神経が通る骨や筋肉に異常があれば、心臓の働きに変調がでるのはあたりまえの事なのです。残念なのは、医療においてはこのような視点や発想がまったくないということです。そのため医療では神経と心臓にはそれぞれの専門家が存在していますが、それでは体全体を見通しで考えることが難しくなると思えます。結果、不調や病気の原因を見抜くことが難しくなってしまうというのが整体師としての考えになります。

あるとき、二宮先生は、明日亡くなっても不思議じゃないと判断された末期ガンの方の相談を受けたのです。その時、技術も知識も不十分だったために自分では手に負えないと判断して野口先生を紹介したそうです。野口先生はその方に整体して、一言、

「まだ死ぬのは早い。」

というようなことを言ったそうです。
すると、本当に瞬く間に回復してしまったのだとか。野口先生はその数年後に亡くなったのですが、その方はさらに数年生きることができたそうです。

二宮先生の言葉で印象的だったものに、

「野口先生のいっていることはこういうことだったのか、今になってやっとわかったかもしれない」

と野口先生が亡くなって数十年経ってやっと理解できたことがあるようでした。
わかったというのは、この時に野口先生が行った整体がどのようなものだったかということではないかと私には思えました。

現時点の私ではどう考えても野口晴哉とうい人のことを宇宙人だったのだろうとかしか思えません。そう思わざるをえないような逸話がほかにもたくさん残っているのです。二宮先生はその領域まで指が届いていたのかもしれないと思うと、私はきっとまだまだ半人前なのでしょう。あと20年も続ければ、

「まだ死ぬのは早い。」

なんていうセリフが言えるようになるのだろうかとたまにこの話を思い出すのです。

以上、野口晴哉と二宮進、そして野口整体のお話でした。

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本当に運動は健康に良いのか?整体師が科学的視点で解説


「運動は健康に良い」という言葉はよく聞かれますが、果たして本当でしょうか?ジョギングや他の運動をすることで寿命が延びるのか、それとも短くなるのか、ネットやメディアで様々な意見が飛び交っていますが、真実は一体どこにあるのでしょうか?

今回は「運動をすると寿命が伸びるのか」というテーマで、科学的な視点と整体師としての視点、両方から運動がどのように寿命に影響するのかを考えてみます。


まずジョギングをしたら寿命が減るという論があるのはご存じでしょうか。
その論は「Does of jogging and  long-term mortality:the Copenhagen City Heart Study」という論文を根拠にしたものではないかと思われます。この論文の内容は、ジョギングの量と長期的な死亡率に注目したものです。英語の論文ですが、参照できますのでURLを掲載しておきます。


一時期、YouTubeで「運動をするな。」という見出しをよく見かけていました。
有名人のものだと、メンタリストのDaiGo氏もジョギングをしても意味がないというような内容の動画がありました。内容から察するに、おそらくこの論文の内容を根拠にして語っているのではないかと思われます。

公開されている内容を簡単に結論をまとめると、

「週2~3回程度、適度な負荷で運動をすると死亡率が下がる。」

という解釈でよいかと思います。
この論文で、注目すべき点は、ハードなジョギングを長時間行うと死亡率が約2倍にまであがるという点です。

判断が難しいのは、「適度な負荷」がどの程度なのかということです。
私が運動について話すときに困るのは、運動が苦手な人に適度な負荷がどの程度なのかをどのように判断するかということです。たいてい、運動の経験が少ない、あるいは運動が嫌いだという人ほど、過度な負荷の運動をしようとするので、運動を継続できないのです。

運動が不向きな人は他の方法を探すの無難だといえます。何も運動ににこだわることはないのです。

寿命についての研究には生物学にも興味深いデータがあります。
それは、

「生涯で消費するエネルギーの総量はどの動物もほぼ同じ。」
ヒトはどうして老いるのかー老化・寿命の科学 田沼靖一著 より

というものです。

この書籍で紹介されているデータを簡単に説明すると、体重200gの寿命2年程度のねずみも、6000kgで寿命60年程度の象も生涯に消費するエネルギーはほぼ同じであるということです。寿命に大きく差があるのに生涯に消費するエネルギーは同じになるというのは不思議に思うかもしれません。しかし、小さい動物は体温を維持するためにエネルギー消費が激しいのに対して、大型動物はエネルギー消費を小さくすることができるのです。

同じことが人間の寿命にもいえるでしょう。

つまり100歳まで生きた人と、50歳で亡くなった人の生涯のエネルギー消費量は同じだということです。もちろん、死因が事故などといったケースはこれに当てはまりません。

このことがわかっていると、

「心肺機能を上昇させることによってエネルギー消費の少ない体作りをする。」

ということをジョギングの目標にすると、寿命を伸ばすことができることになります。おそらくですが、先に紹介した論文のように週に1〜2回の適度な負荷のジョギングがこのような体作りに適しているということがいえるのでしょう。

以上のことから、もし寿命を延ばしたいと思うのであれば考えなければいけないことは、

1.過度な運動は死亡リスクを高めて寿命を短くする。

2.適度な運動とは、低燃費で生活のできる体づくりをすること。

ということになります。

このことを踏まえて、「運動は寿命の伸ばすか?」というと、関連がまったくない訳ではないですが、運動の成果がストレートに寿命に影響するというのは少しオーバーな表現かもしれません。


「運動は健康に良い」という単純明快な答えを多くの人が求めていることはわかっているつもりです。しかし、どのような目標をもって、何を実践するのか、よく考えてから行動しないと望むような成果は得られることはないと理解するほうがよいと私は思います。

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五行と整体:古代の知恵が解く現代の問題


医療においては、人間の体は様々な機能をもった部品の寄せ集めだと考えます。
ですから、心臓の専門家、脳の専門家、耳や鼻の専門家というように体を構成する部品ごとに専門分野がわかれています。その専門の細分化はかなり細かく分かれているようで、長年指の痛みについて悩んでいた人が、ある医師にそのことを質問すると、

「私は手首の専門家なので指のことはわかりません。」

という答えが返ってきたそうです。
鋼の錬金術師というマンガでは、人間を構成する成分を、水35リットル、炭素20kg、アンモニア4リットルというように、日本円で数千円もあればすべて揃うと説明していましたが、医師の専門化がさらに進むと、「私は水分の専門家です。」あるいは「私はアンモニアの専門家です。」と名乗る医師が出現してくるのかもしれません。

整体においては、生きている人間を物理や化学的な要素で構成されているとは考えていません。ですから、指に痛みがあると相談をされたときに、考えることは頚椎、胸椎、そして内臓の状態があたまに浮かびます。これは、五行の考えにもとづいて考えています。五行というのは、漢方の基礎に存在する考えで、世の中の要素を「木、火、土、金、水」で分類して考える思想です。

この5つの要素を内臓に置き換えると、五臓になります。
五臓というのは、肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓のことをさしています。「整体でも分類しているじゃないか。」と思うかもしれませんが、医学のようにはっきりとした線引きがされている訳ではありません。そして、このような発想は、長年の観察と試行錯誤から生まれた考えなのです。

少し具体的に説明してみましょう。
例えば腸は肺、つまり呼吸器系に属する臓器です。ですから、頻繁に下痢になるという人は肺の働きが小さい傾向があります。肺に空気を吸い込もうとすると腸が緊張して下痢をしてしまうのです。このような方は肺が小さくしぼんでいるので胸板が薄く肩幅が狭くなる傾向があります。さらに、肺の働きが弱いと脾臓がその影響を受けて消化吸収が弱くなりますから、華奢な体型になります。こういう方はたいてい周囲から、

「もっと食って太れ。」

などと言われます。
しかし、肺が小さい方はいくら食べても吸収して蓄える能力がかなり低いのです。生まれもった特徴といってもいいでしょう。ですから、「太って元気に丈夫にならなければいけない。」などというのは、実は個性を無視した発言だということになります。

このように臓器の関連性を考えながら、その人本来の性質や特徴を考えることができるのが五行のつまり、整体の思想だということが言えます。

また、五行の思想の特徴だと思うのですが、五行は脳を重視しません。
この点は、構成するパーツごとに専門家が存在する医学とは大きく異なるといえるでしょう。そのため五行思想を重視する整体では、思考をあまり重視せず、体の感覚をもっとも重視します。食べ物で具体的に説明してみるとわかりやすいでしょう。

医学においては、常に体に良い物を栄養のバランスを考慮して食べるようにしなさいと指導されます。
これに対して、整体では、

「体が求める物を食べなさい、おいしいと感じるものが体が欲している物です。」

とすすめています。
汗をかいたあとにスポーツドリンクを飲んでそれがおいしい、甘いと感じたことはないでしょうか。そのように感じるのは汗をかいたせいで体の中の塩分が不足しているからです。つまり、不足している栄養素を食べたときに人間はそれをおいしいと感じるのです。

このことがわかっていると、世界でもっともおいしい食べ物は、一流のシェフが最高の食材を使って料理したものではないことがわかるでしょう。暑い日に山登りしたその頂上で食べる塩のかかった白いおにぎりでも食べてみるとそのことを簡単に実感できるはずです。

なお、これでは実際に食べてみないと必要な栄養がわからないと思うかもしれません。
しかし、人間には目で見るだけで自分が必要な栄養がわかるという能力を持っています。近くのスーパーにでかけてぐるっと一間周りしてみればよいのです。ぱっと目にとまったものがそれである可能性が高いといえるでしょう。実際に買ってためしてみると、かなりおいしいと感じるはずです。もしおいしくなかったら、それはあなたの体の感覚が鈍いのです。きっと頭で考えて体によいものを選んだのでしょう。それだけではなく、体が欲しているものを選ぶようにするのがコツです。

このようなことを前提に踏まえて、人間にとって健康とはどういうものかを説明すると、

「暑いときには暑い、寒いときには寒い、風邪をひいたら体は辛いし、嬉しいことがあったら喜ぶし、辛いことがあったら悲しむことができる。それが健康であること。」

ということがいえるのです。

今回の説明で五行思想について少し理解が深まったでしょうか?
医学の思想に染まっている人にとっては、五行は中国の古くさい思想であてになるようなものではないと考えているかもしれません。しかし、実際はかなり的確で実践的なものだと感じてもらえたのではないでしょうか。

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不安症とパニック症:医学とは異なる整体の見方



パニック症、不安症というと、不安や動悸を起こしたりするものというのが一般的な解釈です。しかし、症状の実際は人によってかなり差があります。電車やバスに乗れないというようなケースにはじまり、自動車は乗れるけど高速道路に乗れない、電車に乗れるけど各駅停車でないと駄目、学校の教室に入れないなど、様々なケースがあります。ストレスや過去の経験から不安や恐怖が思い出されてその影響で起こると言われることが多いようです。


しかし、整体師である私は不安症、パニック症はそういうものとは、まったく違うものだと考えています。その最大の理由の1つは、私自身が実際にその症状を体験したことがあるからです。家族が入院してしまいこの先どうなるかわからないという状況で、仕事を休むこともできず、家、職場、病院をを延々と周り続ける生活をしていたときのことでした。


ある夜、突然の動悸とともに不安な気持ちになり寝つくことが全くできなくなりました。

実は、私自身は、そのような状態であっても案外冷静さを保っていて、


「これが噂に聞くパニック症という奴か。」


と喜んでいた記憶があります。

なお、翌日すぐに整体の師匠に体を見てもらい、すぐにこの不安症は解消することができました。すぐに整体したので深刻にならずに済んだのでしょう。


このような経験をしているので、


「これはストレスや過去の記憶は全く関係がない。」


と、はっきりと理解できました。


当時は不安に押しつぶされそうになりながら、極限の疲労状態でした。ですから、ストレスとは無縁とは言い難い状態です。しかし、整体の知識と技術を身につけている私には、自身の体に何が起こっているかをきちんと理解することができました。


パニック症のメカニズムを簡単に説明すると、


「心臓を上手に動かせなくなっている状態。」


ということがいえます。

背骨の状態を読み取ることができると、このことを理解するのはそれほど難しくありません。パニック症の根本的な原因は、胸椎1番、4番、腰椎1番、3番にあり、骨を観察をすると硬く弾力をなくしています。これらの背骨は脾臓と心臓の動きに関わる神経が通っていて、2つの内蔵の働きに深く関わっています。そのため、背骨に問題が生じると脾臓と心臓がスムーズに働かなくなるのです。


ただ、1つ注意することがあります。

それは脾臓や心臓そのものに問題があるわけではないということです。自動車に例えるとわかりやすいでしょう。アクセルを踏み込んでもエンジンの回転数があがらない状態なのです。つまり、エンジンそのものには問題がないにも関わらず、エンジンに送られるガソリンや空気が不足したり、回転数をあげるための信号がうまく伝わらないということです。このことが、医療において不安症、パニック症の原因をつきとめることを難しくしているのではないかと考えています。


多くの人にとって理解が難しいのは、背骨に異常が生じるということがどういうことかわからないという点ではないでしょうか。

最先端のレントゲンやMRIでは背骨の異常は判断ができません。また、近年の医療は、触診をあまり重視していないために、背骨に触れてその状態を判断する技術がありません。医療においては、検査数値のような客観的なものを重視する一方で、手の感覚という主観的な判断材料には頼らない発展を遂げてきている弊害なのだろうと考えています。


その点、整体師は手の感覚が主な判断材料です。

手の感覚に特化しているといってしまってもよいでしょう。ですから、容易に異常のある背骨を見分けることができます。


パニック症に対して、整体が医療と大きく違う点は、整体では根本的な異常を発見できるという点です。感情は体があってこそはじめて生じるものです。ですから、体になんらかの問題があれば、その人の感情に異常が生じることは不思議なことではないのです。


不安や心配の気持ちが高まるのは、脾臓や心臓が不安や興奮という感情と強く結びついているからです。簡単に説明するのであれば、脾臓に力が集まりすぎるとみぞおちに力が集まり不安が強くなり、心臓に力が集まりすぎると興奮して落ち着かなくなります。これは、脾臓や心臓の働きを制御する神経が緊張していると言い換えるとわかりやすいでしょう。


整体的な説明を加えると、内臓は必要に応じてその能力を高めたり静めたりします。しかし、それがうまくいかないときにその臓器に気が集まりすぎる、つまり力みが生じてしまうということです。そして、その内臓の働きに不調が生じると感情が影響を受けてしまうことになります。


もちろん、ストレスや過去の記憶によって内臓の働きが影響を与えることはあります。

しかし、大半の人は体の不調が感情に影響しているのです。実は、私自身はストレスや過去の記憶が原因でパニック症を起こしている人を見たことがありません。ですから、まずは体の不調を整えた上で、それでもパニック症の症状が落ち着かないかを確認するほうが確実で間違いのない対処法だと考えています。


もしお困っておられるという方はご相談いただければ、医療とは違った視点、技術、知識からアドバイスができるはずです。連絡先はホームページで確認ください。


体は神秘の宝箱、自律神経整体院でした。


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