ブログ「日々整体」

二宮進が伝えた野口整体の極意:整体師が語る


実は私が運営しているホームページにおいて検索ワードとして

「野口整体」「野口晴哉」

というものがかなりの割合を占めています。
ほとんどの人が、野口整体を知らないと思っていたのですが、どうやら私の勘違いだったようです。そこで今回は、野口整体と野口晴哉についてのエピソードを紹介したいと思います。

整体は体を強くひねったり、押したりして骨を強引に動かすものを想像する人の方が多いのではないでしょうか。しかし、野口整体ではそのように力任せに体を操作しようとすることはありません。なぜ誤った印象が広まったのかよくわからないのですが、整体という言葉だけが勝手に広まってしまった結果ではないかと感じています。

実は、野口整体という言葉を知ったのは私が整体をある程度学んでからのことでした。

「自分がこれまで学んできた整体という技術では対応できない問題がたくさんある。」

ということに気がついたとき、野口晴哉という人がかつて存在していたことを知ったのです。そしてこの人こそが整体という技術を考案したのだということも合わせて知りました。

「いままで私が整体だと思っていたものはいったいなんだったのか?」

という疑問を持ったのものです。

それで、野口整体を学んでみようとあちこちに出向いたのですが、その中でもっともわかりやすい教え方をしてくれたのが二宮進という人でした。二宮先生は、二宮整体という看板を掲げて整体を行い、後身を育成していました。ちなみに、名前が私と同じなのは単なる偶然です。

二宮先生のお母さんが野口晴哉師から直接に整体の教えを受けたそうです。野口師には10人ほど優秀な弟子がいたそうなのですが、その中の1人だったのだとか。

しかし、整体師として優秀だとしても整体技術の指導者として優秀かというと少し違っていたようです。
いつも、不思議な表現、言い方をする人だったそうです。整体した方は、必ずといっていいほど元気になるのですが、二宮先生は、その母の教えがまったく理解できなかったそうです。私が聞いたのは、体を少し観察することで直感的にどうすればよくなるのかがすぐにわかる人だったそうです。でも、その直感を言葉で表現するのが得意ではなかったのだとか。野球では、名選手は名監督ならずとよくいいますが、それを地で行くような人だったのではないかと想像しています。

きっとその反動だったと思うのですが、二宮先生は常に明確な表現を使って私たちに整体を教えてくれていました。例えば、

「動悸が起きる時には胸椎4番を整体しろ。」

というようにです。
しかし、そのような一見、わかりやすいと思える教え方でも私はやはり困っていました。問題と答えしか伝えてくれないからです。つまり、

「なぜ、そうすれば体が良くなるのか?」

という説明をほとんどしてくれないのでした。
つまり方程式の問題とその答えだけを教えられて、その解法の説明がまったくないというような教え方だったのです。

「2代にもわたってこんな極点な指導者にならなくてもいいだろうに。」

そう思ったのはきっと私だけではなかったと思います。
ただ、今になって思うことは、整体という技術の継承はそういう形でなくてはうまくいかないということです。理屈や仕組みを理解すれば整体のことを理解できるわけではありません。理屈を越えた直感と経験こそがもっとも重要で、その積み重ねが本当の理解につながるのです。

例えば、イチローに親切丁寧にバッティングのことを教えてもらったら、あなたもメジャーリーグで活躍できるようになるわけではないのです。整体というと知識の積み重ねさえあればできると考えてしまいがちなのですが、整体師であるということはプロのスポーツ選手であるということと似ているのかもしれません。

実は、整体することを操法すると表現します。
ただ、操法というと意味がうまく伝わらないので私はいつも整体するという表現を使うようにしています。整体をするときには、主に背骨に注目して体の問題点を探します。異常があると、骨やその周辺の筋肉がうまく動かなくなっています。体に生じる異常のすべてはその動かない骨や筋肉が原因です。

骨や筋肉には神経が通っています。
ですから、心臓に関連する神経が通る骨や筋肉に異常があれば、心臓の働きに変調がでるのはあたりまえの事なのです。残念なのは、医療においてはこのような視点や発想がまったくないということです。そのため医療では神経と心臓にはそれぞれの専門家が存在していますが、それでは体全体を見通しで考えることが難しくなると思えます。結果、不調や病気の原因を見抜くことが難しくなってしまうというのが整体師としての考えになります。

あるとき、二宮先生は、明日亡くなっても不思議じゃないと判断された末期ガンの方の相談を受けたのです。その時、技術も知識も不十分だったために自分では手に負えないと判断して野口先生を紹介したそうです。野口先生はその方に整体して、一言、

「まだ死ぬのは早い。」

というようなことを言ったそうです。
すると、本当に瞬く間に回復してしまったのだとか。野口先生はその数年後に亡くなったのですが、その方はさらに数年生きることができたそうです。

二宮先生の言葉で印象的だったものに、

「野口先生のいっていることはこういうことだったのか、今になってやっとわかったかもしれない」

と野口先生が亡くなって数十年経ってやっと理解できたことがあるようでした。
わかったというのは、この時に野口先生が行った整体がどのようなものだったかということではないかと私には思えました。

現時点の私ではどう考えても野口晴哉とうい人のことを宇宙人だったのだろうとかしか思えません。そう思わざるをえないような逸話がほかにもたくさん残っているのです。二宮先生はその領域まで指が届いていたのかもしれないと思うと、私はきっとまだまだ半人前なのでしょう。あと20年も続ければ、

「まだ死ぬのは早い。」

なんていうセリフが言えるようになるのだろうかとたまにこの話を思い出すのです。

以上、野口晴哉と二宮進、そして野口整体のお話でした。

このような動画はほかにもいくつも投稿しています。もし、よろしければ他の動画もご覧になってみてください。きっと健康的な生活を送るための助けになるはずです。

体は神秘の宝箱、自律神経整体院でした。
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