耳鳴りと楽器に関する考え方
2016年09月30日
いま、ある音楽家の方が関東から整体に通われています。
いろんな方法を試したけど、納得できる結果がえられなかったそうです。音楽をなりわいにする方にとって聴力というのは生命線といっていいでしょうから、別に死ぬわけではないといっても、それと同じぐらい深刻な問題といえます。最近、NHKの番組で紹介された考え方と補聴器を使う方法も試しておられます。そちらは確かに多少は楽になるそうです。ただ、楽になるというだけで、根本的な解決になるか?というと、やはり違うようです。
整体にこられてからは、生活習慣の改善をやってもらい2ヶ月ほど経過しましたが耳鳴りの音が小さくなる日が増えてきたそうです。これは大きい日と小さい日が明確にわかれるためにこのような表現になります。先日こられましたが、
「今週は1日だけおおきかった。」
といっておられました。
さて、この方と話していて腹がたったことが1つあります。
この方は、若い頃からずっと演奏をやっていたということで、
「その楽器が耳鳴りの原因に違いない。」
と専門家にいわれたことがあったそうです。
しかし、私の見立てから判断するとそれは大きな間違いだと思います。
楽器というのは、その形はずいぶん昔に形がきまっています。
ピアノやバイオリンなど100年以上、形がかわっていないのではないでしょうか。これはどういうことかというと、すでに理想の形が完成しているという事です。その完成した形が、人間の体、演奏という運動とミスマッチを起こすはずがないのです。もし、その専門家が演奏や楽器について非常に詳しくて、この方になんらかの演奏の癖があるということを見抜いていたのであればまだいいのですけどね。
また、楽器は完成しているのですから、体に妙な癖があればよい音がでなくなるのは当然のことです。プロとして活動している方でそのような事はまずありえないでしょう。
結局のところ、
「よくわからないので、思いついたことをろくな考察もせずにいってみた。」
というだけの内容だと思えたからです。
しかし、言われた方はたまったものではありません。もし演奏をすることで耳を悪くしているのであれば・・・、という事は先にも述べたとおり死活問題なのです。そして、その結果として演奏を控えるようになってしまっているそうです。
耳のことしかわかりませんという耳だけの専門家ゆえに、演奏や楽器について、人の気持ちというものがわからなくなってしまうのかもしれませんが・・・。まぁ、私も口が悪い方の人間ですのでこれまでやってきた失言など数えてゆけばきりがありません。他人をみて自分への戒めにしたいと思います。
最近、また耳鳴りにについての相談が増えてきました。
耳鳴りを止めるには時間のかかる傾向がありますが、たいていは1~3回程度でどうすれば止められるか?というところまではたどり着くことはできます。いい加減な専門家の発言に惑わされているという方は、相談していただければと思います。
何度も何度も述べてきていますが、耳鳴りというのは耳だけに注目してしまうと解決がほぼ不可能になってしまいます。体全体をみていったい何が体に起こっているかと考えるのがコツです。
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