耳鳴りと不眠の整体 その1
2016年09月16日
最近、耳鳴りと不眠で困っているという人が、
「これならもう整体なしで自分でやっているけるでしょう。」
というところまで元気になられました。ここまで来るのに1年と5ヶ月ほどかかったのですが、その人の話を紹介しようと思います。50代の男性の方でしたが、この方や他の多くの方がそうであるように、
「耳鳴りがうるさくて眠れないので耳鳴りを止めたい。」
と最初は相談にこられました。
それに対して、私の返事は、
「それじゃ駄目です。まずは眠れるようになりましょう。」
というものでした。
ほとんどの人は、
「耳鳴りが気になるので眠れない。」
と考えてしまっています。
これは大きな間違いです。なぜなら、耳鳴りなどいくらやかましくなっていても眠ることはできるからです。
確かに、耳鳴りがなっている状態というのはよい眠りができる体の状態ではありません。
しかし、人間というのはいくら周りがやかましくても眠ることができます。だから、電車の中でガタガタと揺れて大きな音がなっていても眠れますし、家のとなりで大きな音をたてて工事をしていても眠る事ができます。もちろん、神経質な人や、眠ることがあまり得意ではない人はそのような環境ではうまく眠ることはできないでしょうけどね。ですから、まず考えなくていけないのは眠れるようになるということです。
「耳鳴りがうるさいから眠れないのではなく、眠れないから耳鳴りが気になる。」
これが正解だと考えてもらうのがよいでしょう。
不眠の解消でもっとも大事な事は睡眠導入剤を辞めるということです。
この睡眠導入剤が引き金になって耳鳴りやその他の問題が起こっている人も少なくありませんから当然の手順でもあります。薬の副作用は、専門家がないと説明していても、お医者さんの体の見方だとないというだけで、私から見るとかなり大きいものがあります。
相談にこられたときは心身ともにかなり参っていたこともあって、薬を辞めるのは会社を何日か休んだりと苦労しておられました。しかし、薬なしで眠れるようになるまでは3ヶ月程度でした。しかし、ここまで来ると仕事は休む必要などなくなっていましたし、これを書いている1年ほど前のことですがこの頃には
「久しぶりに息子とキャッチボールをしまいた。」
といっていたのが今でも印象にのこっています。
余談ですが、同時期にほぼ同年齢でまったく同じ内容の相談でこられた人がいました。
このもうひとかたは、
「辛いんです楽になりたいんです。」
「私以上に苦しんでいる人間などほかにいない。」
ということをずっといっておられました。
「50のおっさんが何を情けない事をいっているのだ。」
と私は思わず叱りつけていました。そんなセリフを口にするぐらいですから、当然、薬を手放すはずはありません。1~2ヶ月後には会社への出勤ができなくなりなり、当院に足を運ぶということもなくなりました。楽になることを目的とする人と、健康になる事を目的とする人では人生に大きな差が生まれてしまうというよい例といえるでしょう。
話を戻します。
薬なしで眠れるようにはなる頃には、耳鳴りは多少は小さくなっていたようです。しかし、
「ここがやっとスタートラインですよ。」
というようなお話をしたように思います。
経過としては、はじめの3ヶ月は週に1回のペースで、ただ辛い時にはいつでもくるように指導していました。ただ、体もずいぶん楽になったということもあって、ここから2週に1回のペースで体を整えていくことになりました。
つづく・・・