
2011年12月07日
はじめてこられる方は、よくこんな質問をされます。
「こんな運動をすればいいとかないですか?」
あるにはありますが、まずできませんので、
「ありません。」
とお答えする事がほとんどです。
世間にでまわっている情報をみると、
○○すれば体にいい
的なものばかりですので、そういう裏技的な物があるのではないか?お手軽に体の問題を解決できないか?そういう気持ちになるのはわかります。しかし、専門家としてやるべきことは、
そういう裏技を使わせない
ということだと思います。
体がいい状態というのは、食べて快食、寝れば快眠、疲れても一晩ねれば翌朝すっきりというのがいい体の状態です。このために基本的な事は、
早寝早起き、腹八分目
というのがもっとも大切な事になります。
ところが、毎晩酒を飲み歩き、油物ばかりを食べ、ろくな睡眠をとらずにいて、体の状態が悪い。そんな方の体の状態を変えるのは、まずは生活習慣をかえるということがもっとも大切な事になります。
それなのに、そういう生活習慣の問題はほっておいて、裏技をつかってちょちょいのちょいで問題を解決しようというのは、残念ながらありえないのです。
労働の面でハードな環境で仕事をしている方もおおいので、早寝早起き、腹八分目というのを実現するのが難しいという一面もあります。でも、もっとも基本的なことを抜きにした裏技で体が整うということは絶対にありません。
2011年12月03日
体の調子をうかがうと、
「先日、重い鞄をもってから体がおかしくなった。」
なんていう事を言われる方がよくおられます。
確かに、筋肉を酷使してつかったために、体が痛くなるという事はあるでしょう。でも、それで本格的に体がおかくなることはありません。
いっている事が矛盾しているように感じるかもしれませんね。
これはどういう事かというと、
筋肉疲労は一晩寝ればとれる
ということです。
ですから、ちょっと重い物をもったということが原因で体がおかしくなれば一晩眠ればすぐに解消するのです。でも、実際に異常が数日すぎても解消しない事があります。
これはどういうことかというと、以下のような事が起こっているということです。
1.眠れていない。眠りが浅い。
2.もともと体がおかしかったのが、体を酷使することで表にでてきた
3.重い物をもった事は関係無しに体が痛んできた
ですから、
「先日、重い鞄をもってから体がおかしくなった。」
という方がこられたら、私は
「本当にそう思うのなら帰って早く寝てください。」
とお答えするだけになってしまします。
こういった事は、重い物をもったということだけではありません。
運動した。山登りした。などなど、体を使えば疲れるのは当たり前のことです。でも、疲れを何日もひきづってしまう。これは異常だということです。微妙な違いに感じるかもしれませんが、体を整えるためにはとても大切なことです。
2011年11月22日
ここ1週間ほどですが、整体をうけにこられる方の体はすべて同じ状態といっていいかもしれません。どうなっているかというと、
ほぼ全員が体を冷やしています。
そして、
「ここ何日かずっと調子が悪い」
そうおっしゃいます。
わたしからすれば体を冷やしたのだから、調子が狂うのは当たり前だろうと思うのですが、ほとんどの方は寒くなったせいで体調がわるくなったとは思わないようです。だからこそ、かなり悪くなるまで気がつかないし、冷えために体が悪くなったと思っていませんから、手足が冷たいままなのにずっと放置のままです。
「わたしは冷え性です。」
なんていう人がいますが、そんな体質はありません。
冷えに対して敏感か鈍感かの差はありますが、冷えやすい体というのはありません。冷え性というのは、体が冷えているのにずっと放置しているというだけの事といっていいでしょう。
体とういのは一度冷え切ってしまうとなかなか元にもどってきません。ちょっと横着をして冷えを放置するだけで深刻な病気になることもあるのです。冷えに対してはオーバーすぎるということはないといっていいでしょう。
2011年11月17日
「こういう風な格好で寝ているんですがいいのでしょうか?」
よく頂く質問です。
残念ながら、質問がすでに間違っています。
人間、生き物にとってといいかもしれませんが、睡眠をとるという事は意識する必要がありません。むしろ、意識すればするほど眠れなくなります。
例えば、
「明日は大事な用事があるから早起きしなければいけない。」
なんていうことを考えて寝ようとする逆に眠りにくくなります。早く寝よう、寝ようとするほど眠れなくなるというのはどなたでも経験があるのではないでしょうか?
・上向きで眠りのがいい
・左側を下に眠るのがいい
なんていうのも同様です。
眠りはじめたときには、上向きで寝ていても、寝ている間にどのように寝返りをうっているか?なていうことは確認しようがないのですから、全く意味のないことだとは思わないでしょうか?
さて、これではなんの話か意味がわからなくなってくるので、人間は眠りで体の疲れをとるときどういう動きをするか?ということを説明しましょう。
人は、疲れている部分を上にして眠ります。
ですから、体の右側が疲れている場合は、右側を上にして眠ります。当然、前側が疲れていれば上向きになりますし、後ろ側が疲れていれば下むきに眠ろうとするのが自然な体の働きです。
ですから、「上向きで寝るのがいい。」なんていうのは意味がありません。
当然、日々の仕事や、体の使い方によって、体の疲れ方は傾向があらわれます。右側が疲れやすい人、後ろ側が疲れやすい人などいます。ですから、ある人が下向けに寝ると調子がいいからといって、それをまねしたってまったく意味はありません。
さて、よい眠りがつづいて体の疲れがとれてくると寝返りをします。
どういう寝返りかというと、次に疲れた部分を上にするように寝返りをうちます。ですから、右側が疲れている人が眠っているうちに疲れがとれて、左側の疲れが残っていたりすると今度は左側を上にするように寝返りをうつのです。人はそうやって寝返りをしながら眠ることによって、体の疲れを抜いていくのです。
さて、ここで振り返ってみて欲しいのですが、
「今日は、左側が疲れているので左を上にして眠ろう。」
そんな事を考えて眠ったことはありますでしょうか?
まず、そんな方はいません。
ですが、人間は無意識にそういう風に体を動かせるのです。
つまり、大事な事はそういう無意識の体の働きを邪魔しないことなのです。
・○○な布団、まくらならよく眠れる。
・上向きに眠らないと疲れがとれない。
などなどといった思考は、無意識の体の働きの邪魔をしてしまうのものです。ですから、余計な事など考えずに、ただ眠たくなったら布団に潜り込めばいいのです。
なお、よい眠りができた時は朝おきたときに上向きになっているはずです。そういう状態でおきれたときは、体の調子を感じてみてください。逆にいうと、おかしな格好でおきるようなときは体の調子がどこか崩れている可能性もあります。
2011年10月24日
日常的に飲酒されている方はご自身に質問してみてください。
「お酒の量は適切でしょうか?」
お酒の飲み過ぎが体に悪いというのは、たいていご存じのことでしょう。
それをわかった上で、お酒を飲んでいるのですが、体をこわさないように注意している。たいてはそうだと思います。
ただ、日々整体に取り組んでいて、ちょっと面白い事があります。
それは、
お酒の飲み過ぎで体をこわしている方は、ほぼ間違いなく
「たいして飲んでいない。」
または、
「適切な量しかのんでいない。」
と、そうおっしゃられます。
さて、こういう方につっこんで質問をしてみると、
・1日ビール1本だから大丈夫
・ちゃんと休肝日を作っているから大丈夫
・たいした量を飲んでいないから大丈夫
こういう具合に考えておられるようです。
この大丈夫というのはいったいどこからくるのか?残念ながら、お酒を飲むための言い訳を自分自身にしているだけのことがほとんどのようです。
ですから、私はつづけてこう質問します。
「お酒をおいしく飲めていますか?」
「お酒を飲んだ次の日は調子が悪くなっていませんか?」
すると、言葉につまります。
おいしくないのに、うさばらしのためだけに飲んでいたりするのです。
最初に
「お酒の量は適切でしょうか?」
と、質問しました。
もし、この質問に「適切だ!」なんて思った方はたいてい飲み過ぎていると思った方がいいかもしれません。