ぎっくり腰というのは熟練離婚みたいなものかもしれません。
定年まで勤め上げた男性が、定年退職して、
「これからは夫婦水入らずで穏やかにスローライフを過ごしたい。」
なんて思っていたら離婚を切り出されるという奴です。
こうなってしまうのは夫婦間の愛情や信頼が長い年月をかけて枯渇してしまったからです。当人にしたら寝耳に水になるのかもしれませんが、その兆候はずいぶん前からあったはずで、それに気がつかなかった男性が間抜けだっただけの話です。まぁ、こんな事をいっている私自身がそういう境遇に陥る事はないかというと、根拠も自信もありませんから間抜けなんていう言葉を使うのはかなり躊躇してしまいますけどね。
ぎっくり腰というとほとんどの人が急に腰が痛くなって動けなくなるのを想像すると思います。
しかし、体のなんの問題もない人が突然に腰が痛み始めるなんて事は絶対にありません。その兆候はずいぶん前からあったはずで、それに気がつかなかっただけの話です。
ぎっくり腰というのは、
「ある日、腰が痛くなった。」
という事に対して、医者がどうしてそういう事が起こったかを説明できないだけなのです。
こうなってしまうのは、人間の体を部位単位で考えてしまっているからでしょう。
医療は、心臓とか、腎臓とか、肺とか、整形外科とか、脳とか、耳鼻科とか、精神科とか、それぞれの専門をおいて人間の体を考えるのが常識になっているので担当分野を超えた思考ができなくなっています。だから、腰が痛いのであれば腰に問題があると考えて、腰だけをみて説明しなくてはいけないと信じ込んでしまっているのです。私に言わせると、間抜けとしか言いようがありません。
さて、
「熟練離婚の原因ってなんだと思いますか?」
たぶん、小さな違和感だったり、不満が少しづつ少しづつ積もり積もってそういう結論に達したのでしょう。そういう信頼がかけらも残っていない夫婦に、
「お互いを思いやり信頼する気持ちがない事が問題だ。」
なんてアドバイスをする事には全く意味がありません。
ぎっくり腰だって同じです。
痛みがでた時はもういろいろが手後れになっている状態です。将棋でいうと詰みの状態で、そんな詰んだ状態で痛みだけをなんとかしたくないというのは、離婚を切り出された時に、
「これからは夫婦水入らずでスローライフを過ごしたい。」
と言っているようなものなのです。
腰を痛めたくないと思うのであれば普段からそれなりに注意をして生活をしなくてはいけません。
実は、ぎっくり腰というのは心臓の問題です。
春への季節の切り替わりの際に骨盤が開いて体が緩んでくるのですが、それがうまくいかない人がいます。その時に体にもっとも起こりやすいのが、
「心臓がうまく緩まない。」
という事です。
だから、私はその事を
「4月1日が1年でもっとも心臓が止まりやすい日ですよ。」
と説明しています。
私の経験をひとつお話しましょう。
4月1日の土曜日だったのですが、整体の予約が朝から3件続けて取消になりました。その理由が、
「母が倒れて亡くなった。」
「母が倒れて亡くなった。」
「父が倒れて亡くなった。」
というものでした。
もちろん、この3名の方は縁もゆかりもない人たちです。その時は、こんな事があるのだなぁと思っていたのですが、その日の昼からの人たちの体の様子をみると、ほとんどの方が胸椎4番、腰椎3番に力が集まって抜けなくなっていて、大半の方が腰が痛いといっていました。胸椎4番、腰椎3番は心臓の動きに関わる骨で、心臓がうまく緩まなくなっていて力がこもってしまうのです。そして、その結果として、春は腰が痛くなる訳です。
最近はエイプリルフールなんてのは廃れましたけど、嘘をついて驚かせるとか多分心臓が緩むのでしょうね。
あと、酒を飲みながら花見をするなんていうのは、心臓を緩めるための行為でだからこそ習慣化されていたのだろうなぁと思い至りました。そう考えると、この時期はもっともお酒がおいしく飲めるだろうという事も想像できます。だから、桜の開花にあわせて日本全国で花見なんてやっているのでしょう。
さらに余談を続けると、近年はワクチンの摂取が盛んでこのワクチンがどうも心臓に悪さをしていると思われます。ここ数年は外出を控えるような事になっているので今年なんかは腰が痛いと騒ぎ出す人が例年より大量にでるだろうと思いますね。腰痛だけにとどまらず心臓が止まってしまう人も少なくないかもしれません。まぁ、誰彼かまわず心臓が止まる訳ではなく、
「この時期に心臓が止まるという事はそれは寿命が尽きているからだ。」
だと考えるのが正解だとは思います。
話を戻します。
当然ですけど、この時期は腰が痛いといって相談にこられる方が増えてくる訳です。
しかし、痛みがでたらもう手遅れというか、基本はもう痛みがでれば解決済みと考えるのが正解です。腰に力を集める事で、心臓を緩めているので、程度の差こそあってもしばらく放置したら痛みは消えていく事でしょう。だから、逆説的にいうと腰が痛くなって心臓が止まっていなければ目的は達成されているのです。
相談にこられた方の心臓が止まるような様子がなければ腰椎3番のケアをして、
「もうしばらく痛がっておけ。」
と済ませています。
まぁ、大半の人は、
「痛いのは嫌だからなんとかならんのか。」
といってきますけどね。
来年の春にはどうやったら穏やかに花見ができるようになるかと切り替えて考えた方がよいですね。
痛みが嫌だ、辛いと駄々をこねるのは、心臓が止まるリスクを高めると理解しなくてはいけません。
最近の医療の心臓を止めない技術はめざましいものがあるのでそう簡単には止まらないかもしれません。ただ、熟練離婚を切り出された男性が無理矢理に奥さんを繋ぎ止めて、その後の生活がどのようなものになるかはよく考えた方がよいでしょう。
春の腰痛の根本的な原因は、体を緩める能力が落ちているという事です。
人は、歳をとると体を緩める能力が落ちていきます。それは別に衰えるという事とはちがってメリットもちゃんとあるのですが、春に腰が痛くなるようであれば衰え過ぎていると考えるとよいでしょう。骨でいうと一番重要なのは頸椎6番、胸椎10番、腰椎4番です。もし、緩める力というのがわかりにくければ、ぐっすり眠って朝すっきり起きる能力だと考えるとよいでしょう。
あと、心臓が緩まないとパニックといわれる状態になる人がいます。そのためこの時期はヒステリックな電話がもっとも多くなります。
「春になって暖かくなるとなるとおかしな人が現れはじめる。」
なんていう言葉を聞いた事がありませんか?これは本当の事だと思います。