健康とインナーマッスル:根本的な問題解決に向けて
2024年05月07日
先日、私に
「残りの人生を充実させたいのですが、インナーマッスルを鍛えればいいでしょうか?」
と、聞いてくる人がいました。
どのように答えたのかはっきりと覚えていませんが、その時の私は、
「そう考えるのであれば、そうすればいいだろうに。」
ということを考えていたように思います。
経験上、本当にアドバイスを求めている人はこのような質問をしないものです。だから本心は自分が見つけたとっておきの情報を肯定して賞賛して欲しいということなのかと思います。そこで「よく考えて思いつくことを1つずつ試していくしかないですね。」というような内容の返事をしたように思います。
その方の体の状態を整体師として客観的に判断するのであれば、仕事はそれなりにできるでしょうし、ご飯も食べることはできるでしょう。でも、ご機嫌に日々を過ごせるような状態ではないと思えました。また、おそらくは医師に問題ないという評価を受けているような印象を話しぶりから感じました。
私に言わせれば、この時点ですでに誤りを重ねてしまっていることになります。
体の様子からなんらかの薬を使っていてその副反応で問題が生じていることがはっきりと見てとれていました。わかりやすいところだと、おそらく眠りがかなり悪いはずです。睡眠状態は骨の状態からはかなりはっきりと読み取れるので間違えることはほぼありません。また、これもおそらくですがあるワクチンの副反応によく見られる症状がみてとれました。
腰が痛いとのことだったので、インナーマッスルを鍛えれば腰痛を解消できるというような情報を目にしたのでしょう。しかし、体の根本的な問題を放置して、インナーマッスルで胡麻化していては元気な生活を送ることは無理です。底の抜けたやかんに水を注ぎ込んでも水が溜まるはずがありません。このような思考に陥っている人に、何らかの助言をしても納得できることは100%ありません。
結局のところ、健康についての具体的なノウハウの前提となるいくつかのことを理解しておかなければいけないということです。つまり、
「健康と人生についての考え方。」
についてきちんとした考えがなければ、その時に目にしたり、耳にしたりした、何かしらちょっとよさげなものに釣られてしまいます。結果、振り回されるばかりで自身が納得できるような健康な日々を送ることはできないでしょう。そこで、以下の2つについて説明してみました。
1.生きるということと死なないということは全く意味が違う
2.寝たきりの状態というのはもっとも死ににくい状態だから、死なないことを目標に生きていると晩年は寝たきりの生活になる可能性が高まる。
「元気に暮らせるなら数年後に亡くなってもいい。」
と本人は言っていました。
本当にそう思うのであれば、インナーマッスルのトレーニングをすればすべての体の問題が解消するか考え直してみて欲しいのです。
優秀な人にありがちなのですが、体に関する問題点を1つずつ書き出して1つづつ解消してゆけばいつかすべての問題が解消すると考える人がいます。残念ながら、仕事などではとても有効ですが、人間の体にこの方法を当てはめることはできません。薬を例にあげればわかりやすいでしょう。薬には必ず副作用があるのです。ですから、健康な体を手に入れたいと思うのであれば何かをすることで、今起こっている問題のすべてを解決することができる方法やものを探し出さなくてはいけません。
自身の健康に自信がなくなったときに、弱気になって安易な方法に頼りたくなるのは私にも実際にありますからこのような考えになることも理解できます。しかし、体調に不満や不安を感じた時には、基本にかえって自分自身のあり方、生き方を見直すよい機会なのです。安易に目先の問題だけ消し込んで、その結果すべての問題が解消されると思い込んでしまうと望まぬ人生の終わりに直面する可能性が高まってしまいます。