ブログ「日々整体」

自律神経とダイエットの話

「しっかり食べてダイエット。」

私からするとずいぶんおかしな表現です。
だいたい毎年5月ごろになると、こういうキャッチコピーを目にするようになります。たぶん、『食べる』という事に対して無理解だからこういうトンチンカンな事をいってしまうのでしょう。

実は、食べるという行為には2つの目的があります。
1つはもちろん栄養摂取です。我々のような哺乳類が活動をしていくためにはその活動のためにエネルギーが必要で、それを食べる事によって得ています。小難しい事をいっていますけど、生きていくためには食べることが必須である事に疑問を感じている人はほとんどいない事でしょう。

ちなみに、たまに光合成をしていて何も食べていないとかいうような変わった人の話を聞かされることはあります。ただ、そういうのは極めて特殊な例ですので普通の人には真似をすることができないと考えた方がよいでしょう。変わったところだと土を食って生きているなんて人の話も聞いた事があります。

そしてもう一つは、緊張の緩和の為の食欲です。

「ストレス解消のためにおいしいものを食べる。」

なんていうのはそのよい例でしょう。
他だと、

「毎晩1杯のビール。」

なんていうのをずっと継続している人もいることでしょう。
これは、エネルギーを摂取するための食事とは意味と目的が全く違います。夕食は晩酌しながら、なんていうのも栄養を摂取するための食事ではありません。仕事帰りに一杯ひっかけて帰るなんていうのは、仕事をしている状態からプライベートにうまく切り替える事ができない人の行動です。もし、お酒を飲まない人でも、毎日ひとかけらのチョコレートやクッキーを食べるとかいうのも同様です。ほかだと、スナックやチョコレートを食べ始めたら止まらなくなった経験がある人多いでしょうし、ポケットやバッグの中に必ずあめ玉が入っているなんていう女性なんてのはすぐに思い当たるのではないでしょうか。

こういうのは緊張を和らげるため、つまり体を弛緩させるための食事です。
そして弛緩のための食事は、空腹、つまりお腹が減って湧き上がってくる食欲ではありません。食後、お腹いっぱいのはずなのにデザートに甘い物を食べる人は少なからずいると思います。このデザートは栄養摂取のための食欲ではないから別腹というのです。

食欲には、エネルギー摂取のためのものと、弛緩のためのものと2種類あるという訳です。
食べるという同じ行為にも関わらずその意味と成果は全く異なりますから、ほとんどの人は区別して考えた事がないようです。

それで、すぐに太ってしまう人、あるいはダイエットをしてもうまくいかない人というのは、この後者の弛緩のための食欲が過剰に働く、暴走気味である人がほとんどです。

「ダイエットなんて深く考えないでも、食わなければすぐに痩せてくるだろう。」

なんていう人は弛緩のための食欲がほとんどない人で、

「いくら努力しても全然痩せない。」

という人は、弛緩のための食欲が過剰に働いている人だという訳です。
食欲は2種類に分類されるという事を知らないままでは、この両者がお互いを理解することは不可能でしょうね。

以前に、18時以降は水以外のものを口にしないというダイエットをしている人の話を聞いた事があります。
その人は女性でしたが、17時になったら夜にお腹が空かないように、ラーメン、カツ丼、唐揚げそして、デザートにアイスクリームを食べるという事でした。弛緩のための食事を必要としない人がこの人を見たらどういう事を思うか考えてみるとよいでしょう。

さて、このように弛緩のための食欲が過剰に沸いてしまう人は胸椎1番に問題があります。
ただ、胸椎1番に根本的な問題があるケースと、他に問題があって結果として胸椎1番に異常が起こっているケースの両方があるため一様な異常が起こっている訳ではありません。

おかしなダイエット方法にはまってしまう人はほぼ間違いなく胸椎1番に問題があるといえるでしょう。多くの人は、思考と体の状態を別個に考えるのですが、思考は体の状態に多大な影響を受けています。だから、弛緩のために食べたいと上がってくる欲求を満たしながら、ダイエットをしたいという欲求もかなえようとすると、整合性がとれなくなって妙なダイエットにはまってしまうのです。

なお、身長から理想的な体重の目安をしめす指数がありますが、この指数はあまり参考にしない方がいいでしょう。骨格に合わせて自分の階級を決めるボクシングなどの競技をみればわかると思いますが、背が高くても軽い階級で競技している人がいます。また、仕事によってはぽっちゃり気味の体型の方がよい仕事ができたりするという事もあります。実力のあるオペラ歌手や声優には少しふくよかな体型の人が多いのは、ぽっちゃり体型である方がよい声がだせるからです。

当然ですが、痩せ型の骨格だったり痩せている方がよい仕事ができるというものもあります。
見た目のかっこよさや美しさを重視する職業というのもありますが、日々、快活に元気に暮らしていくためにはどのような体格がいいのかは自身をふり返ってよく考える事をおすすめします。歳をとるにつれて痩せていく方がよいとか、太った方がよいという体質の人もいますから数字に捕らわれない方がうまくいくと思います。
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5月病の話

5月病というと、新入社員や新入生がかかるものと考えていないでしょうか。
4月に新しい環境になっていたのが慣れてくる時期で、緊張感がなくなり意欲がなくなるというような認識でしょう。しかし、私に言わせるとこれは大きな勘違いで、ゴールデンウィークの前後には毎年体には特有の変化がみられます。

一言で言うなら、軽い風邪のような状態になります。
リンパの活動が活発になるのですけど、風邪を引いているだから体が重くなるのは当然の事です。ゴールデンウィークを利用して旅行にいってしまうと吹き飛ぶ程度のようだというのが実際のようです。もしかしたら気持ちが高ぶっているから熱まででるような人がすくないだけかもしれませんね。

ただ、リンパが活発になるという事は頸椎6番に力が集まるという事で、その結果、めまい、動悸、頭痛などの症状を訴える人が増える時期でもあります。今年は4月末あたりから、『急に辛くなった』と駆け込んでこられる方が何人もいましたね。もちろん頸椎6番に十分な弾力があるような人だと、ちょっと温かくなってきて頭がぼーっとしやすいという程度でとどまるはずです。

さらに、補足をしておきます。

今年はゴールデンウィークが明けてから妙に肌寒いと感じる日がつづいています。
これが今後どう影響してくるのか?なかなか判断に迷うところです。五月病は気温が上がってくる事に対する体の準備ではないかと考えています。リンパの流れを掃除して汗をかきやすい体に変化するためですね。だから、このタイミングでは気温があがってきてくれた方がその掃除がスムーズにすむであろうと思われます。ところが、気温が上がらず掃除が不十分なままで梅雨に突入したりすると発汗がうまくいかずに調子を落としてしまう人がでてくるかもしれません。そうなると秋になって涼しくなるまで、ずっと、

「調子が悪い。」

なんて言い続ける事になるかも知れません。
そして、そのまま冬突入となると来年のゴールデンウィークで気温が上がるまですっきりしないなんて事になるかもしれません。だから、もし今月調子が悪いと感じるようでしたら積極的に汗をかくように工夫をしておくとよいでしょう。私がすすめるのは銭湯だったり足湯だったりでしょうか、運動しても汗ををかきにくいから手っ取り早いと思います。

頸椎6番ですが内臓でいうと腎臓に、体の働きでいうと代謝に深く関わっていると考えるとよいでしょう。
代謝というのは生きるという事と同意なので頸椎6番に不調があると何が起こっても不思議はないと思ってもらって問題はありません。多くの人が勘違いしているのは、頸椎6番の働きが鈍ると寿命が延びるという点でしょう。寿命が延びるのは良いことだと思うかも知れませんが、毎日走り回って活動している人と、寝たきりで暮らしている人とどちらの方が寿命が延びるかというと後者になります。理由は、必要な栄養を摂取してずっと安静していたら心臓が止まるタイミングなんてなくなってしまいますからね。だから、元気な暮らしを望むか、寿命が長い事を望むかはよく考えた方がいいでしょう。

余談ですが、医療で不治だと言われる難病の大半は頸椎6番の深刻な問題であることが多いです。
つまり難病っていうのはうまく生きる事ができない、うまく代謝が行えていないと考えるとわかりやすいのじゃないでしょうか。心臓を長く動かす事と元気に活動する事は、実は相反するのです。
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自律神経の働きには最後我々が死ぬ事まで組み込まれている

我々はいつか必ず死んでしまう生物です。
歴史をふり返ってみると、不老不死を夢見た権力者は何人でもいます。有名なところでは、秦の始皇帝や藤原鎌足でしょうか。政治権力をもつ人間は、その責任感からかもしれませんが、死ぬ事が恐ろしくなるのか、それともそれ不死以外に欲っするものがなくなるかもしれません。

最近読んだあるマンガで、大金を手にいれた女性が、その大量の金貨の上に寝転がって、

「いつ死ぬかもわからないのだからこれぐらいのお金では足りない。」

なんていうセリフを言っていました。
だから人はお金を欲しいのかと、私にはこのセリフがとても腑に落ちました。お金を欲する事で死に対する恐怖から目を背ける事ができるのでしょう。

我々はいつか必ず死んでしまう生物です。
多くの人はその現実から目を背けるために『自律神経を整えたい』と考えているのではないでしょうか。
しかし、権力や大金を手に入れて死から目を背けても、我々はいつか必ず死んでしまいます。それが現実で、本来は現実を直視して受け入れるために自律神経の働きを整えるという事が目的でなければいけないのですけどね。

さて、死はどうしてあるのでしょうか?
これは生物学がおそらく正解であろう答えを導き出しています。我々、多声物細胞はDNAをコピーすることで子供を作っているのですが、子孫を残すために我々は死ななくてはいけないのです。

地球に誕生した生命に、本来、寿命はありませんでした。
生物が誕生してから20億年ほど、たとえば大腸菌などは栄養が枯渇しての餓死か、環境が変わった時その変化に対応できなくての死しかありませんでした。そのような生物から我々のような哺乳類に進化してオスとメスによって子孫を残すようになりました。大腸菌のように自身が分裂するのではなく、生殖行為によって子供を作って増えた方が環境の変化に対応する能力が高いからです。オスとメスの両方から遺伝子を受け継ぐことで多様性をもつことができるようになるからです。だから、どのような変化が起こっても対応できるのです。つまり絶滅することを防ぐという目的があったから性をもつように進化したのだと考えるとわかりやすいでしょう。

例をあげるなら、東北大地震が起こったとき、すぐさま高台に避難した人もいれば、自宅で食事をしつづけていた人もいたそうです。この時は、津波がきて避難しなかった人の大勢がなくなった訳ですけど、海から遠い地域で地盤が緩んで崖崩れが起こったりしたら高台に避難した人の方がより大きく被災していた可能性もあるわけです。このようにすべての人間が同じ行動をとらないようにする事で全滅してしまう事を防いでいる訳です。

性をもつ事で多様性を生じさせる事のメリットが不死である事より大きいのです。
今回は思考を例にあげましたけど、足が速い、寒さに強い、体が大きい、なども多様性の産物です。様々な環境に適応できるようになる事で私たち生物は地球のあらゆる地域で生きていけるように進化してきたのです。現在、地球上に生息する生物の大半は性をもっている訳ですけど、これは性をもつことによって多様性を得たからだと言えます。最近だと、温暖化の話題がよくあがりますけど、温暖化に対応できる人間もちゃんと存在してる事でしょうね。

ただ、物事には必ずメリットもあればデメリットもあります。
我々が持つDNAは長く生きていると少しづつ損傷してうまくコピーできなくなってゆくという問題が生じます。大腸菌やセンチュウといった性をもたないシンプルな生き物であればDNAは修復が可能なのです。実際、数百万年前の氷河から見つかった氷付けのセンチュウを再生することに成功したりしています。ところが、哺乳類のような複雑な構造のDNAをもっているとDNAの修復をする事ができません。もちろん、小さな傷であれば分裂の際に修復する機能はちゃんともっていますけどね。

ところが修復できないDNAの損傷は蓄積され、その損傷は子供に遺伝されてしまいます。
それを防ぐために生まれたのが死というシステムです。死がなければ、200年生きた人とその子孫が子供を作るという事が可能になります。長く生きてDNAに損傷がある個体の子供が健全なDNAを持つことはありません。このような状態を防ぐために、ある程度生きた個体は死ぬ事によって自身のDNAを消去するのです。

今の日本社会だとピンとこないかもしれません。
しかし、日本でも数百年前までは一夫多妻性だったと考えればわかりやすいでしょう。織田信長とか徳川家康がずっといきていて今でも子供を作っていたら、日本中に彼らの血と壊れたDNAが広がっていてもなんの不思議もありません。このような状態では種が健全さというものを失っていつ滅んでもおかしくありませんから、適当な期間生きて、そして死んでいくというように我々は進化してきたのです。

『人間は不老不死になれば滅ぶ』

そのような認識はもっておいた方がよいと思いますね。

個ではなく種の保存を優先させた場合、我々は適当な時期に死んでいく事が望ましいのです。
不死を求めるというのは核兵器を持つというのと同じぐらいの意味を持つでしょうね。我々は個性を大切に、個人の権利、人権を大切にしようという教育を受けていますから、この考えは受け入れられない人もいるかもしれません。

しかし、個人の権利を肥大化していくと結果として人間という種が滅んでしまう可能性が高くなるのです。私たち、多細胞生物は、様々な環境の変化に対応できるように多様性と寿命を持ったのです。その生物としての最大のメリットを捨て去れば種としての滅亡がやってくるのは当然の事といえます。

さて、話を戻しましょう。

我々はいつか必ず死んでしまう生き物です。
それがいつ頃になるか、早い人もいるかもしれませんがその目安もだいたいわかっています。その事と正面から向き合って、

「限りある生を精一杯生きて、その人生に満足して死んでゆきたい。」

そう思った時に、自律神経の働きは最も高まります。
ほとんどの人は、

「死にたくないから自律神経の働きを整えたい。」

と思っていないでしょうか。
自律神経は私たちが生命として生きていくための働きをしている神経です。だから、その働きには死に至る過程まですべて含まれていると考えるのが自然です。

自律神経というのは死ぬために活動しているのです。
もちろん生まれてきたからには、何らかの役割を与えられて生まれてきていると思います。生物として考えれば結婚して子供を作って次世代を残すって事がもっとも大切な事だと思います。でも、ご近所さんにあいさつするとか、客に喜ばれるように一生懸命に仕事するとか、もしかしたら他人からみたら些細でくだらないと思えるような事でもいいと思うのです。なぜならそういう社会を作っていくことで人間という種が繁栄するのですが、それに貢献することだって大切な役割です。

だから、知っている人をみかけたら、

「おはよう。」

と声をかけて、最後死ぬときは、

「さようなら。」

と言って亡くなっていく、自律神経を整えるっていうのはそういう当たり前の事をするためにやることだと私は思います。
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自律神経は常に元気になるための活動をしている

自律神経は常に元気になるための活動をしています。
この考えは客観的なものではなく私の主観的な考えです。だから、この私の主張に異論を挟んだり否定することはとても簡単な事かもしれません。しかし、それでも人間という生物とその体の働きを観察していると、私は自律神経は常に体を元気にするための活動をしている事は間違いないと確信をしています。 

人間の体はとても合理的に成り立っています。 
多くの人は辛い状態や感覚が発生する事を、体を痛める、病気になると考えています。だから、熱が下がる、痛みがなくなる時に『病気が治った』と判断をしています。これが大きな間違いなのです。 

熱がでるのは体の中に溜まった老廃物を掃除するためです。 
老廃物というと疲労物質や細胞の死骸だと考えるとよいでしょう。老廃物は健全な生活を送っていれば、主に尿や便として体外に排泄されます。汗をかいたときに肌をこすると垢がでてきますけど、これも老廃物です。この排泄がうまく行われなくなったときに人間は風邪をひくという状態になります。熱をだして体液の循環をよくし強制的に排泄するのです。だから、風邪が終わる時には必ず便が柔らかくなります、下痢をする訳です。熱をあげて体液の循環を円滑にした後に排泄するという過程を経過して体をリフレッシュする事、それが風邪という現象です。 

ところが、熱がでる事、下痢をする事を別々の病気だと考えて個別に対応しなくてはいけないと多くの人は考えています。薬で熱を下げて、下痢をとめる薬を飲むのです。すると結果として、体の中に老廃物が溜まったままの状態になります。 老廃物が体にたまった人は元気がなくなります。意欲、向上心、やる気といったものを発揮できなくなります。

また、健康な人は、年に一回ぐらい風邪をひくものです。 
なぜなら元気だとしても普通に生活をしていればたいてい少しづつ老廃物がたまるからです。だから、元気に健康な体を保つためには年に一回熱をだしてリフレッシュする方がよいのです。 

私は、健康な人として私は松岡修造を私はよく例にあげます。 
彼は年に一回ぐらい高熱の風邪をひいています。彼が熱を出すタイミングはいつも寒波がやってきて大雪になるので松岡酒造ぐらい元気な人間でも風邪をひくのだとよく話題になっているから私でも知っているのです。高熱がでるのは彼が高いリフレッシュ能力をもっているからです。人間は気温が下がったタイミングが熱を上げやすいようで、寒波がやってくるタイミングで風邪をひいてリフレッシュしているのでしょう。だから、何年も風邪をひかないという人は体のリフレッシュがうまく行われていないと思った方がよいでしょう。 

「癌なんて病気は風邪をひかない人がなる病気だ。」

整体の師である二宮進師がよくいっていた言葉です。このように風邪は我々が健全な生活をおくるために必要なものなのです。 

次に、腰痛など、主にぎっくり腰といわれるような突然に腰が痛くなるようなものも必要なリフレッシュです。 
ぎっくり腰だといって相談にこられる方の背骨を確認するとほぼ間違いなく胸椎4番、腰椎3番が後ろに飛び出しています。胸椎4、腰椎3番は心臓を動かすための神経が通っている骨、つまり心臓の動きに深く関わっています。これらの骨が後ろに飛び出しているというのは『骨に力を集めている』ということで、これは心臓に力を集中するために無意識に起こる動作です。 

ちょっと話がそれます。 
『丹田に力を集める』という言葉がありますが、腰椎3番に力を集めるというのを同じ意味です。だから、丹田に力を集めるというのは心臓に力をあつめる、つまり心臓の働きを高めるというのと全く同じ事になります。腰椎3番に力を集めるときには、胸椎4番にも同様に力が集まっているのですが胸に力を集めようとすると胸椎1、2番に力みがでて肺の動きが悪くなってしまうのでへその下の丹田を意識するのがよいと言われるようになったのでしょう。

さらに余談を続けると、人間は丹田のような実際には存在しない架空の臓器を意識した方が体をうまくコントロールできる傾向があります。スポーツなどでは、必ず肩の力を抜けと言われますが、これは筋肉の存在を意識しないようにするためです。だから、イチローのバッティング理論を学んだからといって、イチローのようにメジャーリーグでヒットが打てるようにはなりません。理屈で体を動かそうとすると絶対にうまくいかないからです。このあたりの事に興味がある人は、宮本武蔵が書いた『五輪の書』なんかに書いてありますので読んでみるとよいでしょう。 

話を戻します。 

ぎっくり腰というのは、腰椎3番の力が抜けなくなったために起こります。 
これはもうぎっくり腰だといって駆け込んでこられる方の体を観察すると間違いようがにぐらいはっきりをしている事です。腰椎3番の力が抜けなくなるのは心臓がうまく動かなくなっているせいです。そのうまく動かなくなった心臓を動かそうとしていると結果として腰に痛みがでてくるのです。だから、腰が痛いと相談にこられた方には、 

「大丈夫だからしばらく痛がっておけ。」 

とアドバイスをします。
 
痛みだけをとってしまうと心臓が止まってしまうからです。
すぐに腰の痛みをとろうと思うと心臓を止めるしかありません。心臓の動きが悪くなる理由は他にあるのですけど、基本的には老廃物が溜まり過ぎた結果だと考えて間違いありません。簡単に説明するなら、日頃の不摂生の結果として腰が痛くなっているので、そのツケを整体師などに回して楽になろうなんていう考えでは健康になどなる事などありえません。 

「自分の尻は自分で拭く。」

それができるのが健康に生きるということです。

今回、発熱と腰痛について簡単に説明してみました。
このように自律神経は熱を出したり痛みを出したりという働きをしています。 なんのためにそうしているかというと、元気に、そして健康に生活をしていくためにです。ところが、最初に述べたように熱を出す事や、痛みをだす事を病気だとして捉えていると自律神経の働きの邪魔してしまう事になります。だから、自律神経の働きを整えるという事がどういう事なのか、健康に元気に生活するという事はどういう事なのかという事をちゃんと理解する必要があります。
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自律神経は生物の根幹である

『人間の体には自律神経という部品がある』

多くの人がそう考えているのではないでしょうか。
人間の体は骨、肉、内蔵、血液、脳などの部品がたくさん集まって作られているものだと錯覚してしまっています。鋼の錬金術師というマンガでは、人間を構成する要素として、

「水35リットル、炭素20kg、アンモニア4リットル、リン800g、石灰1.5kg、塩分250g、硝石100g、硫黄80g、鉄5g、フッ素7.5kg、ケイ素3g、その他少量の元素。」

という説明があります。
これは嘘ではなく、現実に人間の体の構成要素はこれらのから成り立っていて、すべての材料を集めようとすると3000~4000円程度の費用だそうです。ごく普通の家庭であれば、家の中にすでに大半がありますね。だからといって、家の中で突然に、人間あるいは生命が誕生する事などありえないという事もわかることでしょう。

実際に、かつての科学者は(当時は錬金術師と呼ばれたりしていたようですけど)、人間を構成する要素を集めて熱したり、冷やしたりしたら人間を作る事が可能だと考えて研究が行われていたようです。馬糞と精子を混ぜて人造人間ホムンクルスを作るなど、今の知識と科学技術から考えると、それは無理だとわかるような研究が行われていたようです。

『生きている』

という事は非常に特殊な状態で、それがどういう状態であるかという事を現時点の人類はうまく説明する事ができていません。

それで、これから科学が進歩してクローン技術が発達したとしましょう。
心臓、肺、胃腸などの臓器をクローンで作れるようなり、脳、目などもクローンで作れるようになったとします。それで人間を構成する要素をすべて、遺伝子操作で作って人造人間を誕生させる事ができるか?と思うかもしれません。でも、矢張りそれは不可能です。なぜなら、材料として多少まとまったというぐらいの事でしかなく、それは水や炭素を集めて人間を作ろうする行為となんら変わらないからです。鋼の錬金術師では、

「魂はどうするのか?」

なんて疑問がでていましたね。


古生物学だと、生命の誕生にはとても大きな壁があって、どうすれば、あるいはどういう事が起こればその壁を越える事ができるのかは大きな謎とされています。そして、実はその壁が『自律神経の働き』です。世の中を見渡すと、自律神経の働きについてふんぞりかえって偉そうに語っている人が大勢いるのですが、生命誕生の大きな謎について語っているようなもので冗談としかいいようがありません。

ところで、ここまで話すと大層な話になってしまっと感じる人がいるかもしれません。
しかし、自律神経の働きというのはどういうものかよく考えてみてください。そもそも生命を保つための働きをしているのが自律神経なのです。自律神経の働きとは、我々はどうして生きているのか、どうして生き続けようとするのか、子孫を残そうとするのか、種として繁栄しようとするか?これらすべては自律神経の働きが根底にあるのです。それを肝心なところを端折って、シンプルに説明してわかったつもりになっている人たちの方がおかしいのです。

話を戻します。

生命は火山活動が活発な海底で誕生したといわれています。
偶然生まれたアミノ酸がくっついたり離れたりを繰り返している内に、突然に自己増殖をはじめるようになったと考えられています。つまり、この時に自律神経が働きだしたという訳です。もちろん、この頃は神経なんていう組織はなかったでしょうから、まったく違う姿と形だった事でしょう。しかし、その働きは進化を経て現状のような形に変化してきたのです。こんな事はわりと当たり前で、ちょっとでも学んだ事のある人なら誰でもが知っている知識なのですが、医学という学問になると様子ががらりと変わってしまいます。

医学は、生命というものを部品の寄せ集めだとしか考えていません。
だから、医者に言わせれば生命を誕生させる事など簡単です。最近は、老いは病気だから老いる事は防ぐことが可能であるなんていう理屈がまかりとおりつつありますね。生まれて、成長して、歳をとり、そいて老いて死んでいく事は自律神経の働きを考えればとても当たり前の事です。だから、その自律神経の働きを止めてしまったり、変えてしまうような事をすればその人自身だけでなく、人間という種そのものが滅んでしまうでだろうと私は思います。

自律神経の働きに問題が起こると生命はすぐに死んでしまいます。
だから、生きている以上は自律神経はちゃんと働いています。ここで疑問を感じるのは、自律神経はちゃんと働いているのであれば、どうして様々な不調を感じるのかという点でしょう。ただ、これは自律神経が何をしようとしているのかを考えなくてはいけません。

さて、こういう前提をふまえてもらうと

『自律神経は生物の根幹である。』

という概念を理解しやすくはならないでしょうか。
私たちは生命なのです。材料の寄せ集めのロボットではなく生きているのです。生きる事は当たり前の事のように感じるかもしれませんが、生きているというのは宇宙全体を見回しても奇跡としか表現のできない事です。そんな奇跡に対して、『体の調子が悪いのは自律神経という部品が故障した』と考えてしまうのはどこか間違っているのではないかと気がつかなくてはいけません。
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