ブログ「日々整体」

過敏性腸症候群の話

いろんな病名があるものです。
過敏性腸症候群というのはこの方で初めて聞きました。しかし、私に言わせれば、腸が過敏になってずっと下痢をしている状態です。まぁ、厳密にいうと症候群というのは病名とは違うそうですけどね。

自律神経でいうと、胸椎12番に異常があるだけです。
胸椎12番は腸の働きをコントロールする神経が通っていますので、ここに異常がでると下痢をするわけです。名前を聞くのははじめてでしたが、このような状態の方なら何十人もみてきていますので別に驚きも困りもしませんでした。

表にでてくる症状から細かく分類すると違う異常になってしまうのでしょう。
しかし、背骨でみると単なる胸椎12番の異常です。体質や生活習慣によって、症状の出方が人によって違うだけなのです。乱暴な言い方をすると、


「アイスクリームを食べてお腹を冷やした状態がずっと続いている。」


たったそれだけの事だったりします。


まともな生活ができていなかったそうです。
2年ほど前からそんな状態で、今では安定剤や、睡眠導入剤まで使っているとのことでした。ただ、結局のところ腸の働きに異常があって、その影響で頭痛、不眠、うつ、不安、パニックといった問題が起こっていました。

体というのは表にでてくる問題を1つづつ解決していくというのでは普通うまくいきません。
たいていの場合は、原因となる異常が1つあって、ほかの問題は全部その異常の影響でおこっているのです。ボーリングみたいに1番手前のピンをうまく倒せば後ろにあるほかのピンは全部倒れるというわけです。


整体としてはいつもどおりのパターンです。
食事の内容と量など生活習慣の改善、体に冷えをとるための足湯の指導からはじまって、自律神経の働きが整うのに合わせて薬を減らしてゆきます。最初来られたときには、通勤もまともにできないような状態でしたが3ヶ月程度ですっかり元気になりました。

症候群とか変わった名前の病名を付けられてしまうと、不安になることもあるかもしれません。しかし、背骨でみると非常にシンプルな問題であることも少なくないというよい例といえるでしょう。
関連カテゴリー< うつ不安症、パニック症不眠過敏性腸症候群

パニックと動悸、息切れの違い

パニックや動悸で相談でこられる方の自律神経の状態をみていると気がつくことがあります。
なにかというと、


「お医者さんではパニックと動悸について明確に区別することが難しいのではないか?」


という事です。
実際、ただ動悸がおこっているだけのにパニック症だということで相談にこられる方が非常に多いのです。

確かに、どちらも体に起こっている現象としては心臓の鼓動が早まってしまっているということです。しかし、私などからみると全くの別物といえます。

まず、パニック症というのは不安や恐怖がつきまとうもので、動悸が起こるせいで不安になるのはただの動悸と考えてよいのではないかと思います。ところが、原因がうまくみつけられないときは、ストレスや心の問題ということでパニック症であると判断されてしまう傾向があるようです。

このあたりの定義など私にとってはどうでもよいのですけどね。
以前に、パニック症だということで相談にこられた方を1つ紹介します。車で高速道路を走るときに、渋滞したりトンネルに入ると強い不安のせいで車にのっていられないということでした。そして、この方がこうなってしまう原因は、ポテトチップスなどのジャンクフードばかり食べているせいでした。

私は常に


「体のどこが悪くなっているか?」


という視点を忘れないように注意しています。
そして、さっき紹介した方の原因は、それが毎晩お酒を飲みながら食べていたジャンクフードのせいで胸椎8番が悪くなっていたことでした。ですから、自律神経を整えながら食生活を改善してもらうことで解消することができました。

ちなみに、体質によっては同じような事が原因で胸椎4番が悪くなることもあります。また、日常的にジャンクフードを食べていると必ずパニックや動悸を起こすわけでもありません。この辺りの事を踏まえていないと体の事をきちんと把握する事が難しくなるといえるでしょう。

パニック症だからココが悪いはずだ、動悸がするからココが悪いはずだという決め付けをしてしまうと本当の原因はたどりつくことができないからです。


さて、自律神経と背骨から動悸とパニックをみた場合、動悸がする時は胸椎4番に異常がみつかります。
一方、パニック症である人は胸椎7番か8番に異常がみつかります。だから、それぞれの原因は、胸椎4、7、8番に関わる神経が過敏になっているせいです。しかし、本当の原因は、


「どうしてそこが悪くなったか?」


という事です。
生活習慣だったり、薬のせいだったり、怪我をしたせいだったり、エアコンで体を冷やしているせいだったいりと人によって様々です。










関連カテゴリー< 不安症、パニック症動悸、息切れ

強迫性障害と体の記憶のよもやまばなし

実はわたしは

「鍵をかけたか心配になる。」

という人間です。
専門用語で、強迫性障害というそうです。原因はわかっていて子供の頃の経験からくるものです。

小学生4年生ごろだったと思うのですが、親にこづかいをもらって留守番をしていたときのことです。
おやつを食べたくなったので、近所の駄菓子屋でおやつを買って家に帰ってきました。すると、ちゃんと占めたはずの玄関のドアが全開の状態でした。留守番を任されたからには、


「最後までちゃんとまっとうしなくてはいけない。」


そう考えた私は野球のバットをもって家の中を点検して回ることにしました。
もしかしたら、自分で締め忘れただけかもしれないけど、もしかしたら泥棒がはいったのかもしれないと考えたからです。すべての部屋を点検しおわって泥棒がいないことを確認した時には本当に安心しました。その時の恐怖感が原因で、これ以後、


「ちゃんと閉めたつもりだけどもしかしたら閉め忘れたかもしれない。」


そういう風に考えてしまうようになりました。
そのためひどいときには外出してはもどって玄関のドアを確認するという作業を5回ほど繰り返すようなこともありました。最近では、ひどくてもせいぜい3回までとずいぶん緩和されました。また、こうならないようにするために鍵を締める作業は必ず妻に任せるようにします。そして、


「ちゃんと鍵を占めたんだろうな。」


と5回ほど妻に確認することで確認のために戻る作業を省略するわけです。

ちなみに、この鍵の確認がひどくなるときがあります。
それは、


「気力が充実している時」


だったりします。
意欲に満ち溢れている時に、こうなるというのはちょっと意外に思うかもしれません。ちょっと投げやりの時には、


「この私が鍵閉めを忘れるはずがない。」


と開き直ることができるのですが、気力が充実しているときには戻って確認するという作業が億劫ではなくなってしまうようです。

また、以前に、こんな私とはまったく逆の強迫性障害の方の話をある心理学者から聞いたことがあります。
女性だったそうですが、その方は鍵を閉めることができないそうです。本人がいうには、


「鍵を閉めると幸せが逃げてしまいそうな気がする。」


と感じるのだそうです。
仕事から帰って、玄関のドアをあけて、家の中に異変がないのを確認したその時に幸せを感じるのだとか。本人にはそうなった原因となる記憶はないとのことでしたが、もしかしたら私とまったく逆の体験をしたのかもしれませんね。


さて、これは心の話だと思うかもしれません。
しかし、体でも同じような事がおこります。例えば、交通事故を経験したことのある人はわかっていただけると思うのですが、車を運転していて似たような状況になると身がすくんでしまいます。

また、大きな地震のあとの余震で身がすくんだという経験はないでしょうか?
私は阪神淡路大震災のとき大阪でその揺れを経験しています。地震の後、3年ぐらいは地震のたびに身がすくんでしまって動けなくなっていました。なお、身がすくんでしまうというのはおそらく胸が緊張してしまうという状態ではないかと思います。

プロボクサーが強烈なパンチでダウンしてしまった後に、同じようなパンチを見ると目をつむってしまって選手としての活動ができなくなるなんていう話もありますね。この場合は、首が強く緊張しているはずです。

このような反応は脳が反応しているのではなくて、反射的に起こっているものではないかと思います。
ボクサーがパンチに対して目をつむる、交通事故にそなえて身構えるというのはそうでなければ間に合いませんし、脳であればかえって危ないということを判断できるのではないでしょうか。そう考えれば、脳の記憶ではなくて、体が何かを記憶していることがいえるのではないでしょうか。

そう考えた場合、強迫性障害というのも体のどこかが強く緊張して、それが原因で起こることがあるのではないだろうと思ったりもします。背骨のすぐそばを通る迷走神経が強く緊張すると人は強い恐怖心にかられることがあるからです。

心と体というのはついついわけて考えてしまいがちですが、迷走神経の状態は無意識に直接的に影響をしますから、体の状態が心にそのまま影響するといえるのではないかと思います。
関連カテゴリー< ブログ不安症、パニック症

パニックと骨の関係

パニック症候群だという人の相談には大きく分けて3つあります。

1つは、心臓の働きに難がある場合です。
簡単にいうとドキドキと心臓の動きが高まる動悸が起こっているケースです。


panic_hone.jpg
背骨に異常が見つかります。



骨でいうと胸椎4番です。
心臓の働きに関わる交感神経の働きに異常あるわけです。
ただ、こういってしまうと


「この辺りを温めればよいのか?」
「この硬いところを揉んで柔らかくすればよいのか?」


という具合に早合点してしまう人が多いので、あまりこのような説明はしないようにしています。

緊張が起こるということは、緊張する必要があるということです。
つまり、緊張が起こるのは結果であって、原因ではありません。ここに緊張が起こる原因は1つではありませんが、ジャンクフードばかり食べているという人が割合多い印象ですね。なお、メンタルやストレスはあまり関係がないことがほとんどです。食べるのが好きでいつもにこにこしていたような人、すこしぽっちゃり気味の体型の人が困っているのも多いようにも感じます。


2つ目は、呼吸がうまくできない、つまり肺が上手く動かないケースです。
この場合は、肩甲骨がうまく動かなくなっています。肩甲骨の動きが悪くなると肺の動きが悪くなってずっと息苦しい感じが続くようなことが多いといえるでしょう。こうなる原因も、仕事での手の使い方が悪かったり、過去の怪我や病気のせいだったり、生活習慣に問題があったりと様々です。


3つ目は、胸椎8番に問題がある場合です。
整体という技術を通して体をみるとこれが本当のパニック症候群です。しかし、このケースは非常にレアですね。滅多にみることはなく、ほとんどが最初にあげた動悸がおこっているだけです。事故やストレスなどの影響で体の一部に緊張が残っていたりすることも確かにありますが、ほとんどはやはり不摂生が原因です。


パニック症候群というとストレスが原因であると考えたい人が多いようです。
しかし、残念なことにしストレスが原因でないことがほとんどです。こんなボタンの掛け違いで何年も、ヘタすれば一生ひきづってしまうのはずいぶんもったいないことだと私などは思うのですけどね。
関連カテゴリー< 不安症、パニック症自律神経失調症

チェックリストの罠

先日、テレビをみていて久々に腹がたつ番組をやっていました。
元関脇の貴闘力がギャンブルのせいで、人生を大きく狂わせたという内容でした。角界からは追放され、それと同時に家族も失ったわけですから大きな転落といっていいでしょう。

その彼が今どうしているかというと、約10の飲食店を経営する経営者として生きているそうです。怪我で相撲を引退した元力士や、間違いを犯して第2の人生を歩もうとしている人たちの働ける場、人生をやり直したいと考える人達が活躍できる場を作りたいと語っていました。

ここまでは非常によかったんです。
しかし、この後がひどいものでした。彼が身をくずしたのはギャンブル依存症だったということで、彼のこの依存症がもう治ったか?という事を20項目のチェックリストでチェックして専門家が診断したのです。

その結果は、20項目中20が当てはまり、重度のギャンブル依存症であるという診断をくだしていました。彼は5年間まったくギャンブルに手をつけていないにもかかわらずです。

当院でも、

「心療内科でチェックリストによる診断を受けたらうつ病だという診断をされたんですが?」

という相談がたまにあります。
そして、そのような人の体の様子をみるとたいていは確かに元気はないですが、うつ病というほどでもない方がほとんどです。

そして、詳しく話を聞くと、


「最近、親がなくなった。」
「先月、妻がなくなった。」


なんていう事がほとんどです。
大切な家族をなくしたのですから、気持ちが落ち込むのはあたりまえです。チェックリストはそれを病気にしてしまっています。

また、うつというのは自律神経の働きにはっきりとした異常がみられますので体の様子をみればすぐにわかります。それを見もしないで、チェックリストに丸投げしてしまっている専門家がすくなくありません。

さて、インターネットで検索してみると、今回、貴闘力氏が行ったチェックリストはインターネットですぐにみつかったので内容を紹介しておきます。

言いたいことは山ほどありますが、とりあえひとつだけ。
過去のことばかりで

「今どうなのか?」

という質問がひとつもありませんね。
私も競馬がすきでちょくちょく通っていました。ここ10年ぐらいはほとんど馬券を買っていませんがこのチェックリストによると重度のギャンブル依存症のようです。7つ以上があると治療が必要だそうですが、競馬でなくてもパチンコやスロットなど、ちょっとでもかじったことのある人ならおそらく全員ひっかかりますね。



チェックリスト

  • ギャンブルの為に仕事や学業が疎かになることがありましたか?
  • ギャンブルの為に家庭が不幸になることがありましたか?
  • ギャンブルの為に評判が悪くなることがありましたか?
  • ギャンブルをした後で自責の念を感じることがありましたか?
  • 借金を払うためのお金を工面するためや、お金に困っている時に何とかしようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  • ギャンブルの為に意欲や能率が落ちることがありましたか?
  • 負けた後で、すにまたやって、負けを取り戻さなけらばと思うことがありましたか?
  • 勝った後で、すぐにまたやって、もっと勝ちたいという強い欲求を感じることがありましたか?
  • ギャンブルが原因で自殺しようと考えることがありましたか?
  • ギャンブルの資金を作るために借金をすることがありましたか?
  • ギャンブルの資金を作る為に自分や家族のものを売ることがありましたか?
  • 正常な支払いの為に「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
  • ギャンブルの為に家族の幸せをかえりみないようになることありましたか?
  • 予定していたよりも長くギャンブルをしてしまうことがありましたか?
  • 悩みやトラブルから逃げようとしてギャンブルをすることがありましたか?
  • ギャンブルの資金を工面する為に法律に触れることをしたとか、しようと考えることがありましたか?
  • ギャンブルの為に不眠になることがありましたか?
  • 口論屋失望や欲求不満の為にギャンブルをしたいという衝動にかられることがありましたか?
  • 良いことがあると2・3時間ギャンブルをして祝おうという欲求がおきることがありましたか?
  • 一文無しになるまでギャンブルをすることがよくありましたか?


関連カテゴリー< うつ不安症、パニック症自律神経失調症
<戻る 12345
出張整体
品川での整体指導予約受付中
名古屋での整体指導予約受付中

RSS

月別

自律神経整体院

京都府長岡京市天神1丁目1-56
ながおかスタジオビル2F
(阪急長岡天神駅から徒歩1分)


075-954-0036