東京で整体にこられていた方が一人、出所したのでその事例を紹介しようと思います。
最初、相談にこられたときには、
「頭が痛い、不眠、目の痛み。」
ということを言っておられました。
不眠なんていうと、
「ストレスがー。」
なんてことをたいていの人は言いたくなるんじゃないでしょか。
ただ、体の様子をみると明らかに違うわけです。簡単な表現をするなら、心臓と腎臓の働きが落ちていました。こういう状態のときは、ぶよぶよにむくんで体に力が入らなくなっています。だから、ある程度の経験と知識がある人がみれば、
「ストレスがどうこういう問題ではない。」
という事がすぐにわかるはずです。
それで、
「不眠がどうこういう状態じゃないですね。腑抜けと言われる状態になっています。」
と説明をしました。
辞書なんかで調べると、はらわたが抜かれている状態、気力がない、腰抜けというような意味がでてきます。
こういう時、寝ることを目的にしてしまうと具合が悪いです。
「寝れさえすればいいを目標にすると、気力の抜けた中身がスカスカの人生を送ることになるでしょう。それでいいなら1回薬漬けになってみてどういうことになるか試してみて、それから出直し来てもらう方がいいですね。」
なんて説明を続けました。
すると、なんとなく心当たりがあるとういうか、ピンとくる事があったようです。
それじゃあということで、
「たぶん大きめの怪我をしたことがあるはずだけど?」
と聞くと、派手に転んで右肩を脱臼してそれがくせになっているということでした。
これがいろいろな不調の原因なわけです。
脱臼が原因で背骨、頚椎から肩の胸椎にかけて働きに支障がでているわけです。その影響は特に頚椎6番に大きくでていたので腎の働きがひどく低下していたわけです。これでは眠れないのは当然です。
最初こられたのが2018年の10月末でした。
年明けにはそこそこ寝れるようになったといっていまいたかね。翌年の春頃にはもう元気になってきたといっていましたが、私が気に食わないからもうちょっと来ておいてくれと伝え。最後にしたのは、11月4日でしたから、ちょうど1年ぐらい通ってもらったことになります。そうはいっても春以降は2~3ヶ月に1回のペースでしたからトータルで9回こられただけです。
「人間の体は基本はほっとくのが一番いいなぁ。」
ということを再確認しましたね。
なんとか元気になってもらおうとついつい手を出してしまいたくなるのですけど、人間の体の力をもっと信頼してあげないといけないといけません。
野口晴哉氏の本なんかみていると、
「何もしない時間をうまく使うのが整体の極意だ。」
なんて書いてあるのですが、私にはまだまだその領域は遠いです。