自分で自分の体を壊す人
2017年02月14日
耳鳴りで相談にこられていた人がいました。
だいぶよくなってきて、これならぼちぼち音が小さくなりはじめるだろうと考えていたのです。しかし、ある日、整体にこられると体がおかしくなっていました。
「これだと耳鳴りの音がかなり大きくなっているのではないか?」
ときくと、全くその通りで、音が大きくて眠ることすらできないという返事でした。
明らかにおかしい体の調子の崩し方だったので、
「一体何をやったんですか?」
と聞いても要領をえませんでした。
仕方なく、ここ最近、どういう生活をしていたのかと掘り下げてきいてゆくと、
「気晴らしにスポーツクラブへいって運動をしていた。」
という事で、原因は筋トレのやりすぎだということがわかりました。
この方は、胸椎1番の異常が原因で耳鳴りがなっていました。珍しいケースですが、どうも腕の運動に妙な癖があってそれが原因で耳鳴りがなっていたのです。
ほとんどの人は運動すれば体は健康で丈夫になると思い込んでします。
しかし、そんなものは早起きは三文の得という標語程度でしかありません。早起きにこだわって睡眠不足になれば体を壊すように、運動だってやり方を間違えれば体を壊すのです。ですから、運動の苦手な人は必ず十分な経験を積んだインストラクターにレクチャーを受けた方がいいのですけどね。苦手な人ほど、こういう手間を省く傾向があるように感じます。
そこで運動がしたいならやればいいと、どういう点に気をつけてやるのかを指導しました。
ところが、その次に整体にこられたときには、首がおかしくなっていることに気が付きました。これまた通常の生活ではありえないような事が起こっていたので、突っ込んで質問してみると、
「お医者さんでレントゲンをとったらストレークネックだと言われたので、綺麗な曲線がでるように首に力をかけていた。」
ということでした。
さすがの私も、
「アホですね。」
とつい口が滑ってしまいましたよ。
仕方がないので、
「余計な事をするな。」
と言わざるをえませんでした。
この方は2ヶ月程度整体にかよっておられましたが、ほぼ毎回、このように体の様子がおかしいのです。今はネットでいくらでも情報が氾濫していますから、その中でとっつきやすそうなやつに取り組んでいちいち体を壊してくるわけです。
ネットの情報には嘘はありませんが、生兵法は怪我の元というのは知っておいたほうがいいでしょう。特に今回のような医者のいうストレートネックという判断など、まったく参考になりません。なぜなら、ストレートネックというんはただの結果で、原因でもなんでもないからです。
植物で例えるわかりやすいでしょうか、木を見て
「枝が枯れていますね。」
というようなものでしかないのですから・・・。
この方は、その後、電話をかけてきて
「整体にはいけなくなりました。」
といっていました。おそらく余計な事をしたくなったのでしょう。
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