ブログ「日々整体」

感受性の話

「感受性を高めていく事が元気になるということですよ。」

私がいつも言っているセリフです。
今回はこの感受性というものを掘り下げて考えてみようと思います。

基本的には、感受性というのは暑い時に暑い、寒い時に寒いと感じる事ができるという事です。
私は長袖のシャツを着ているのに周囲の人は半袖半パンで過ごしている。春から夏にかけて私がよく見かける光景です。暑さの感じ方は、個人差があるものですがいくらなんでもちょっと早いだろうと思うタイミングで薄着になる人がいます。そういう方は、夏真っ盛りになるとエアコンの設定温度を馬鹿みたいに下げてしまうのではないかと思われます。女性から職場のエアコンがきつい、買い物にいったスーパーが寒くて困っているという意見を聞かされる事が多いですね。

近年は熱中症という大義名分がありますからやりたい放題です。
私がそれを強く感じるのは新幹線でしょうか。5~6月あたりだと1枚余計に着込んでおかないと寒くて仕方がありません。エアコンでは凍死するほどは冷えないのに対して、暑さだと30度を超えたぐらいで呼吸が止まってしまう人がいるわけですからなかなか苦情をいいにくいのです。

夏、日差しの強い日だと、暑さで人が倒れましと救急車が増えるそうです。
それで救急医療に関わっている人が、30度を超える日はエアコンで室温の調整をして涼しく過ごさなくては駄目だと、強く訴えている文を読んだ事があります。でも、日常的にエアコンで過ごしていると暑さに弱い体質に変化していきますから、結果として熱中症で倒れる人が増えていく事になります。

これまたよく言うことですが、体は自分で作っていくものです。
ですから、30度を超えたら呼吸が止まってしまうような体づくりをして、日差しを恐れて生活するというのでいいか?1回ぐらいは考えてみてもいいのではないでしょうか。


暑さ寒さに関しての感受性は個人差があるのは間違いありません。
人間社会だと個人差だからと割り切ってもいいのですけど、野生の生物に置き換えた時にもそういう個体差がどのように影響するか考えてみます。

草食動物は食べものとなる草が生い茂る地域に移動しながら生活しています。
ドキュメンタリー映像で、ヌーやガゼルなどの草食動物が群れで移動しているのを見たことがあるのじゃないでしょうか。サバンナ地域など日本のように四季があるわけではなく、雨季と乾季という具合に気候の変動が極端に分かれます。基本的には、雨季に雨が降って、その水分で植物が増えて、乾季になったらカラカラに乾いてしまうので食べものがなくなります。

移動をするタイミングは雨が降って植物が青々としてくるタイミングである必要があります。
早すぎると十分な草が生えていませんし、雨季で降った雨が濁流となって移動を妨げる事があります。足止めをされてしまうと周囲には餌となる植物がありませんからそれで餓死してしまう事すら起こります。また、遅すぎれば、他の群れに食い荒らされたあとで十分な草が残っていません。

この移動のタイミングを見極めるのは感受性といえます。
鹿、象といった種はリーダーが群れを率いているのですが、そのリーダーが移動のタイミングを見極めます。リーダーの感受性が鈍いと群れを全滅させてしまう事があるわけです。私が見たドキュメンタリー番組では、鹿の3つの群れを追跡できるようにしてその移動のタイミングと経過を観察していました。

観察では群れによって移動するタイミングが異なっていました。
Aという群れが最初に移動を開始、Bが遅れて出発、Cがかなり遅れて出発するという流れでした。興味深いと感じたのは2番目に出発したBの群れが一端引き返した事です。タイミングが早すぎたと感じたBのリーダーは引き返して出発をやり直すという判断をしたのです。

最初に移動を開始してまっさきに目的地に到着したAの群れはどうなったか?
その群れは数を半数に減らしていました。そして生き残った鹿には負傷をしてるものがいました。移動が早すぎたので飢えてしまい、そのタイミングで肉食動物に襲われてしまったのです。一方で、BとCの群れは十分に草の生えているタイミングで無事に移動することができました。

たぶんなのですけど、鹿は気温、風向き、湿度といった状況をなんとなく感じ取って、それに経験を加味して判断をしているのであろうと思われます。観測して論理的に判断するのではなく感受性で感じとって、適切な判断をしているというわけです。

ほかでは、象の群れを追いかけた番組を見たことがあります。
若く経験が浅い象がリーダーの群れだったのですが、群れにいた子供の象が、川を渡る際に流されてしまっていました。このときは、移動するタイミングは悪くなかったのかもしれませんが、自分が率いる群れがどの程度の流れまで渡ることができるか、判断を誤ったわけです。

記憶があいまいですが、ヌーの群れなんかだとリーダーがいなくて集合知というか、群れ全体の感覚でなんとなく移動していたように思います。感受性は個だけのものではなくて、群れ全体としてのものもあるといえるわけです。そう考えると、人間の場合は、専制政治も民主政治もどちらも経験しているわけで、リーダーをおいてそれに従うという生き方と、話し合いをしてこうしましょうみたいな、どっちのやり方にも対応できるのかもしれません。

書いていて思いましたが、ヌーなんかは何万頭というような大きな群れを作ります。
人間だって昔はリーダーがいる専制でやっていたのが、今はほとんど民主的にやっています。数が増えてくるとそれを一人でまとめるのが困難になってきて、民主的にやるほうが効率がよくなってくるのかもしれません。空気を読めなんていう言葉は、群れ全体の感受性に従えという事なわけですね。ただ、これは今はあまり関係のない話なのでおいておきましょう。

野生の場合だと、感受性がにぶいということがそのまま死に繋がる事があるわけです。
群れを作る生き物だとリーダーの感受性が群れ全体の生死に関わります。日本に住んでいるだけだと、暑さを見誤って亡くなるぐらいでしょうか。そういや昨年だったかは、実力が不十分な登山家が無茶な挑戦をして凍死したなんてニュースがありましたが、感受性が不十分だと自然とは向き合えないということでしょう。

もっと手近で考えれば農業がわかりやすいですかね。
種をまくタイミング、水を引くタイミング、雑草を抜くタイミング、こういったタイミングを適切に判断するのは感受性で、感受性が豊かな人がおいしいお米だったり野菜だったりを作る事ができるわけです。基準を決めて機械的にやっていれば品質は安定するでしょうけど、高品質なものを作ろうと思うと感受性が豊かである必要があるのじゃないでしょうか。

さしあたっては、私たちの日々の生活に置き換えるなら、体を休めなければいけないタイミングなんてのは意識して感じてみるといいのじゃないでしょうかね。サラリーマンは休めない、主婦は休めないなんて言っている人がいますけど、健康と引き換えにしてまで働く必要があるかについて、たまには自分の感受性に問いかけてみてもいいのじゃないでしょうかね。



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