「納豆を食べると免疫力があがる。」
4月ごろには毎日のように見かけた話題です。
人間の体を化学実験につかうビーカーのようなものだと捉えているのでしょう。ビーカーに入れた素材を混ぜ合わせると人間の体ができあがると考えているわけです。そんな人には、
「人体錬成とか、鋼の錬金術師を読んで今から人生やり直せ。」
といいたくなるわけです。
ブラシーボ効果なんていう言葉は聞いたことがあるのじゃないでしょうか。
効果があると思って薬を飲むと実は効果がないのに効いてしまうという奴です。ですから、新しい薬の実験にはかならずブラシーボの可能性を排除するようなやり方をとります。例えば、薬を飲むグループと、薬と思って粉を飲むグループに分けてその効果の差を測るわけです。
10年ぐらい前にこられた方が、
「私の身内は医者だったけど、薬だといって小麦粉を渡していた。」
と自慢していました。それで十分効き目があるし、副作用のある薬を積極的に使う事に懐疑的に考えていたそうです。
ただ、これはどうでしょうね。
おそ松くんに登場したイヤミは小麦粉かなんかを、
「おフランス製の薬です。」
と謳って高額な薬として販売していました。
その薬は高騰してイヤミは自滅していましたけど、10円もしないような粉に何万円も支払わせるのは倫理的に問題があると思います。
それで、ビーカーの話に戻すと、人間の体は食べたものによってできるという考えがおかしいのです。効く、効果があると思って摂取していれば薬でも小麦粉でも納豆でも大して差がないのです。
山田花子さんという女性がおにぎりを握ったとしましょう。
山田花子さんの事を魅力的な女性だと感じている男性がそのおにぎりを食べれば元気になります。素敵な女性が作ってくれたおにぎりがおいしかったりしたら効果は100倍でしょう。それだけで活力が沸いて、体は元気、免疫力は爆上がり間違いなしと言えます。
ところが、山田花子さんの事を嫌っている男性がおにぎりを食べたらどうでしょうか。
この男性は、山田花子さんには女性としての魅力を感じていません。もしかしたら山田花子さんの事を不潔な人間だなんて考えているかもしれません。そんな風に感じるおにぎりを食べたらどうなるか?たぶん、免疫力が下がって病気になる事でしょう。
同じおにぎりを食べて元気になる人もいれば、病気になる人もいるわけです。
さて、嫌いな奴にもらったものを食べると必ず病気になるかというとそうでもありません。
ウッドノートというマンガがありまして、高校のバードウォッチング部の話です。
その部には仲の悪い男性部員が2人いたのですけど、その2人は山を散策中に台風で天候が崩れて遭難してしまいます。
なんとか雨宿りをする場所を見つけて数日のりきります。
そして、片方の男性は食料としてミミズをみつけてきました。しかし、もう1人はそれを食べようとはしないため体力を消耗して山を降りる事ができなくなってしまいました。
しかし、数日が過ぎていよいよとなって覚悟を決めました。
ミミズを食って元気と体力を取り戻した2人は山を無事に降りて他の部員と合流するという流れです。元気になろう、生きて帰ろうという意思と意欲があれば嫌いな人間が調理したミミズみたいなゲテモノだって活力の源になるわけです。
マンガの話ですけど、この話に違和感を感じるというのであれば、人間の体はビーカーでできていると考えてるのじゃないでしょうかね。
一応、みみずというのは普通に食べられる生き物です。
マクドナルドなんかは、みみずの肉を使っているという噂がありますが、きっとみみずがおいしいからそんな噂が広まるのでしょう。
こういう事をふまえて考えると、
「納豆を食べると免疫力があがる。」
というのがビーカーで人間を作ろうとする錬金術師の発想だというのがわかるのじゃないでしょうか。
今回、まとめた内容で免疫力を上げる要素を箇条書きにしておくと、
・納豆を食べると免疫力があがると思い込む
・好意を感じる異性にアプローチする
・生きる意思を持つ
・目標を明確にする
・周囲の人に敬意を払う
・ミミズを食う
という事でしょうか。
免疫力が何かということを考え直せば、納豆なんぞ食べなくても上げ方なんて人それぞれでいくらでもみつかるはずです。