子供のぐずりと不安症の話
子供が泣き喚いて非常にやかましいということがありました。
先日の品川へ向かう新幹線での出来事です。最初、父親がみていたのですが涙をハンカチでふいているだけでした。で、10分ほどして母親が帰ってきて、
「ごめんさないねー。」
と抱きかかえて一旦落ち着いたのですが、5分もするとまたすぐにぐずりだしました。
すると、頭ごなしに泣きやめとしかりはじめてしまいました。で、最後に言いだしたのは、
「泣いてるとミッキーに会えないよ」
なんていう謎の説得です。
子供はたぶん3~4歳ぐらいですかね。それなりの大きさでちゃんと立っていましたから、見た目からするとぐずるような年齢じゃなかったんですけどね。
それじゃ駄目だろうと思って様子を見ていました。
最後に両親は、あやすのも相手をするのも諦めて放置してしまっていました。
電車の中でくずる子供に対して、
「親がちゃんとしつけしていない。」
と、そんな批判をする人間が多くいるようです。
こういう状況についての意見や考えをまとめている記事をみて、世の中終わっているなぁと思ったもんですけどね。このときの両親のように泣きわめく子供を放置してしまうというのはちょっと親としてどうなのだとは私も思います。ただ、その記事では、こういう具合にぐずる子供に対して緊急回避として、チョコやクッキーをあげてなだめるという親もいるそうなのですけど、そういう親に対して、
「電車の中で、周囲に人がいる状況で物を食わせるな、ちゃんとしつけしろ。」
なんていうもうどうしようもない事をいう人間がいるのです。
「しつけをちゃんとすれば子供は親の思い通りの行動をとるようになる。」
これはあまりに幼稚な考えだと私は思いますが、こういう意見が正論として取り上げられてしまうのですから日本の未来はあまり明るくないかもしれません。
私が見ていて感じたのは子供が不安になっているという事です。
だから、安心できるようにしてあげればいいだけだろうと、おそらく抱き上げてしばらく背中をぽんぽんと叩いてあげれば落ち着くだろうと。私の斜め隣に座っていましたから、声を掛けやすそうな両親だったら私は手と口を出していたかもしれません。ただ、
「泣いてるとミッキーに会えないよ」
なんて発言を聞いたせいで、この人たちは駄目だという評価を下してしまっていたのでできませんでした。
人間は、心臓の収縮が弱くなったとき不安になります。
子供がぐずっている時の体の状態がどういうものかというと、脈の力がちょっと弱っているといってしまっていいでしょう。まぁ、細かくみていけば他にもあると思いますが、理由がわからない時はたいていそういう状態であろうと思われます。だから、チョコでもあげて喜ばせてあげれば一時的には収まったりするわけですね。まぁ、チョコだとほんとに一時的であとでもっと困ったことになるということもあると思いますが・・・。
ただ、やっかいなことに不安というものは一旦感じてしまうと簡単に抜けないことがあります。
具体的にいうと、みぞおちの力が抜けないようになってしまっている状態です。私の場合だと、自動車で事故をおこしそうになってしまって、その恐怖感が消えなくて何日か眠れなくなってしまうなんていうことがありましたかね。
子供でもそんなことがおこります。
私の息子の場合だと、明るい時間に昼寝していて起きたときに夜になっているとどうしても泣き止まないなんていうことが3回ほどありました。何時間も泣き続け、つまりどうやってもみぞおちの力が抜けないわけで、子育てに詳しい方に相談したら
「お風呂いてれみたら。」
と言われて試したら、あっさり落ち着きました。
で、多分なんですが、新幹線の子供は寝ていたら母親が居なくなっていて驚いてしまったのでしょう。
母親が帰ってきて落ち着き始めたのですが、子供の心臓の動きが落ち着く前に手を離してしまったようです。すると、
「また、居なくなるかもしれない。」
そういう不安を感じているのだろうなぁと。
子供は、ずっと、
「ママー、ママー。」
と大きな声で泣いてしました。
で、そんな事を考えているうちに品川について新幹線を降りることになったのです。
さて、成人している人は不安を感じたからといって泣きわめくわけにはいかないことでしょう。
ただ、自分が不安症だと感じてる人は、ぐずっている子供をみたときに、その子供には自分と同じことが起こっていると考えてみるといいでしょう。子供がぐずるというのと、成人がわけもなく不安になるという事で体に起こっていることはほぼ同じなんじゃないでしょうかね。
あなたが不安になるのは、きちんとしつけられていないからでもなく、人間として至らないところがあるわけでもなく、なんかの拍子に脈の動きが弱ったり、みぞおちの力が抜けなくなっているからだったりします。大人だったら酒みたいな緊急回避もできなくはないですが、酒に頼りすぎるとやはり体を壊してしまいます。