パニックや不安症について勘違い
2017年12月05日
パニックや不安症に関して勘違いをしている人が多いので辟易しています。
世間のいい加減な説明をきいてわかったつもりになって、凝り固まっている人ばかりでいちいち説明するのに嫌気がさしてくることもあります。まぁ、そういうわけでパニックや不安症についてここでもう一度基本的な部分をまとめておこうと思います。
一番の大きな間違いは、ストレスが原因だと考える点でしょうか。
はっきりいって全然違います。この考えを改めるつもりのない人は、もう無理なんで、死ぬまでずっとパニックや不安症ですとかいってることになるでしょう。
こういうのは動物を例にとって考えると割合とわかりやすいような気がするのでうさぎなんかを例に考えてみましょうか。
野生のうさぎが肉食動物とであってしまったときにはどうなるか?
心臓がドキドキと高鳴り始めるわけです。命の危険を感じた時に激しく心臓を動かすこによって、全力で逃げることができるようになります。平時の1.2倍ぐらいのスピードと2倍ぐらいの持久力はでるんじゃないですかね?
これは人間でも同じです。
刃物をもったおっさんが、
「おりゃーーーッ!」
とか大きな声をだして自分の方向に走ってきたらと考えてみてください。
恐怖を感じて、心臓が激しく鼓動をうちだすはずです。この体の変化が異常であると考える人はいないことでしょう。
ついでに、ある学者がいっていたことです。
訓練されていない人が、人を殺そうとしたしたときには血圧が240ぐらいにまであがるそうです。当然ですが、心臓はこれ以上ないというぐらいに高鳴っているでしょう。いまから思うと、
「どうしてそんなことがわかるのですか?今まさに人殺しをしようとする人の脈を測ったことがあるのですか?」
と質問したらよかったと思わないでもないですけどね。
ただ、人を殺そうとしたときには、血圧が上がって心臓がドキドキいいだすのは間違いないでしょう。口論や喧嘩するだけでもそうなりますしね。
こうならないようにしようと思うと、謎の暗殺結社にでも入って人殺しの訓練をするしかないのではないでしょうか。まぁ、どっかの戦場にでもいって人を殺しまくっていれば慣れてきたりするかもしれませんが、それだと自分が死んでしまう可能性もあるのであまりおすすめできませんしね。
さて、暗殺結社では冷静に人を殺せるように、不安や恐怖にとらわれないようにするために薬を使いません。なぜなら、不安や恐怖を感じない人間では、危機を感知する能力がなくなってしまうからです。直感がまったく働かなるといいかえてもいいでしょう。うさぎが腹を空かせたライオンと出くわしても危険を感じることができないようでは、すぐに捕まって食べられてしまいます。
ですから謎の暗殺結社は、危機や危険にでくわしても、その影響で心拍数や血圧があがらず、冷静さを失わず、必要なときにだけ心肺機能を高めてどのような状況でもフルに身体能力を発揮できるように暗殺者を訓練するわけです。
自分でもくだらない例え話になってしまったと思いますので話を元に戻しましょう。
刃物を持ったおっさんが大声をだして自分の方へ走ってきたら?
この状況で不安や恐怖を感じないというのは異常です。心臓が高鳴り、血圧や脈拍があがってくるのは当たり前のことですね。そうなるのが嫌なら暗殺結社にはいって血の滲むような努力をするしかないわけです。
ところが、世の中で言われているのは、刃物をもったおっさんが迫ってきている時に、
『深呼吸して気持ちを落ち着けましょう。』
『薬で心拍数と脈拍を落として冷静になりましょう。』
『前向きに物事を捉えてプラス思考になりましょう。』
というような事だったりします。
まぁ、こんな事を本気で考えている人には、
「できるものならやってみたら?」
と、私はほり投げたくなるわけです。
プラス思考になって、おっさんがもっているナイフはおもちゃで、驚かしておいて実は花束をプレゼントして安心させてくれるに違いないみたいに考えてもおそらく事態は好転しないことでしょう。
ポイントは何かというと、体にある問題があると1の不安を10の不安に増大してしまうことがあるということです。ストレスなんかほぼ関係ないことの方が多いんですけどね。
前向きに物事を捉えてプラス思考になれば体が元気になると考えているとか、会社のストレスが原因でとかいっている人は、私にクソ味噌にけなされるはずですので注意が必要です。