適切な体重とは?
2016年09月14日
細身の体型の人がたいてい陥っている事があります。
それは、
「痩せ過ぎだからもっと太らなければいけない。」
という根拠のない思い込みです。
ヤセ型の体型の人は、周囲から、
「痩せすぎているからもっと太れ。」
と言われ続けるようです。
たったこれだけのことで、痩せているということにコンプレックスを感じて無意味に太ろうとする傾向があります。ですが、これだけは覚えておいてください。
「人間は健康であれば太ってくる傾向はありますが、太れば健康になるわけではない。」
ということです。
体重というのは骨格に依存します。
ちょっと例えは悪いですが、白骨化した頭蓋骨に肉を盛りつけて生存していた当時の顔を再生するということが可能です。こういう技術があるから、過去の人類が顔を、姿形をしていたかという事がわかります。これは骨の形と大きさがきまればそこに蓄えられる肉の量というのは決まってくるから可能なことです。単純にいってしまえば、骨の太い人は肉の量が増えて体重はおもくなりますし、骨の細い人は蓄えられる肉の量がすくなくなって細身の軽い体重の体型になります。
それにも関わらず骨格の細い人が、適切な体型以上に太ろうとしたらどうなるか?
これはいわゆるメタボという言われる状態です。メタボリックシンドロームの基準には、ウエストサイズが男性で85センチ以上というものがありますが、骨格の細い人と太い人で85センチというのは全く意味が違います。だから、厳密にみるなら骨格に対してどの程度のウエストであるかというのを判断材料にしなくてはいけないと思います。
体重別に分けられた競技をみるとわかりやすいかもしれません。
柔道やボクシングなどは、体重別に別れて競技しますが、選手は背の高さで出場する階級を選んでいるわけではなく、骨格と相談しながら最もパフォーマンスが高くなる階級を選んでいます。ですから、軽い階級でも背の高い人はいますし、その逆で重い階級でも背の低い人がいます。
例を1つあげるなら、ボクシングのヘビー級のチャンピオンのモハメッド・アリは身長190センチ、107kg程度に対して、マイク・タイソンは180センチで98kg程度でした。日本人でみると、浪速のロッキーといわれた赤井英和は身長178センチですが、階級はスーパーライト級で規定はだいたい61~63kgです。10センチも体重が違うのに階級が同じだったり、2センチしか差がないのに体重には30kg以上差があるわけです。
あと、書いていてふと思い出しましたが、1980年台にテニスで世界ランク一位だったイワン・レンドルという選手がいます。彼は子供の頃のニックネームはガイコツだったそうで、そのニックネームがとても嫌だったインタビューで語っているのを見たことがあります。彼の身長は188センチで、全盛期の体重は79kg程度だったのだとか。錦織圭が178センチ、75kgだそうですから、レンドルがずいぶん細身の体型であるということがわかると思います。
「世界一位だったイワン・レンドルを基準に錦織圭のベスト体重はどれぐらいか?」
などと考えるのが無意味だということは説明する必要もないでしょう。
そして、イワン・レンドルに、
「痩せすぎているからもっと太れ。」
というような人もまずいないことでしょう。
繰り返しになりますが、健康な人は太ってくる傾向があります。
それは、健康であれば胃腸の働きがよくなって栄養の吸収がよくなるからです。しかし、太れば健康になるか?というとそれは違います。
私の知人は体を壊して入院していましが、
「痩せ過ぎだからもっと太れ。」
と言われ続けていました。
しかし、体を壊しているせいで胃腸がうまく働いておらず食事の量を増やせないでいました。そして、こまった彼は、
「ポテトチップスなら食べられる。」
ということに気がついて、1日3袋のポテトチップスを食べて必死に太ろうとしていました。彼がその後どうなったかを説明する必要はないのではないでしょうか。
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