甘く見てはいけない打撲の話
2016年07月12日
「子供が顔面蒼白になってふらふらしだしので救急車を呼んだのですが」
という相談が先日ありました。
救急で運ばれた先では、体に問題は全くない、ただ首に脂肪の塊ができているというように言われたそうですが、心配になったので相談にこられたようです。体に問題がないのに、倒れるはずがありませんから、親の気持ちとすれば当然といえるでしょう。
しかし、
「首になにかのできものが・・・」
といっていても、私にはどう見ても打撲していると思えました。
本人も親御さんも思い当たるところがなかったようなのですが、私は絶対に体を強くぶつけているはずだと考えたので質問を変えながらしつこく聞いてみました。
そして、
「友達と遊んでいるときにぶつかったりしなかったか?」
と聞いた時にやっと、数日前に鉄棒に失敗して太ももと顎をぶつけたということを思い出しました。首にあった異常は、脂肪の塊ではなく、胸鎖乳突筋が異様に緊張していたものでした。何がおこっていたかというと、いわゆるムチ打ちというやつで、頚椎がねじれてしまっていたのです。このねじれのせいで頭に血がうまくまわらなくなって昏倒したと判断しました。
このような首の異常はほおっておくと後で深刻な問題をおこしがちです。
交通事故で一番怖いのはムチ打ちや打撲などの後遺症などという話はどなたでもきいてことがあるでしょう。打撲がぬけずに放置してあると後々になって様々な体の問題を起こすことがあるのです。そして、強い衝撃や打撲の異常が残った場合は、自覚がしにくい上に、その異常は関わりのないところに影響してしまいがちで原因の特定が非常に難しいという傾向があります。今回のように、ほんの数日前のことですらしつこく聞いてみないとおもいだせないのですから。
今回は、頚椎3番がねじれていました。
関係が深いのはまず鼻ですので、花粉症やアレルギー性鼻炎からはじまって、臭いが感じられないなんてこともあるかもしれません。また鼻は性に深く関わるのところです。女の子でしたから、成長してから、生理痛がひどい、妊娠できないなんていう問題を起こしたりするかもしれません。大人になってからでは、子供の頃に体を強くぶつけていたなどということは思い出すことも難しいことでしょう。
打撲というのは安易に考えてはいけないのです。