最近、
「健康になるということは泳げるようになることと同じである。」
と、説明しています。
「耳鳴りを止めるためには何をすればいいんですか?」
「体にできた吹き出物をなくすには何をすればいいですか?」
「眠れないのですが、どうすれば眠れるようになりますか?」
「自律神経が悪いのですがどうすればいいですか?」
などといつも相談をいただくわけです。
そこで、こうしないさい、あぁしなさいと、説明するわけですが、当然のようにすぐに成果があらわれない方もおられます。すると、
「言われたとおり○○しているのにどうしてよくならないのですか?」
と、さらなる質問、詰問といってもいいかもしれません、をなげかけてくる。
そして、こういうのを聞かされるたびに、
「この人は横着者だなぁ。」
と私などは感じます。
どういうことか泳ぐという事を例に説明しましょう。
人間というのは、水に浮く生き物です。
ですから、バシャーンと海やプールに飛び込んでもそのまま沈んでしまうことはありません。ところが、泳げない人は沈んでしまいます。
なぜか?理由は簡単で浮かぼう浮かぼうとあがくからです。
浮かぼうと手足をばたつかせていると、体はどんどん沈んでいきます。ところが、溺れて死んでしまうとその人は浮いてくるのです。浮かぶ努力をしなくなると浮いてくるのです。
幸い私は、人を溺れさせて死んだら浮いてくるか?などという検証をしたことがありませんけどね。少々物騒な話ですが、一昔前のマンガやドラマで人を海に沈めるときに石をくくりつけたりしていましたが、これは浮いてこないようにするためなのだそうです。
水泳指導のプロに言わせると、泳げない人を泳げるようにするには、まず体が水に浮くという事を体感して理解することが大事だそうです。
実は、健康についても全く同じ事がいえます。
人間の体はほっておけば健康になるようにできています。自律神経がきちんと働いていれば、体のどんな異常だってみるみるうちによくなってしまいます。
ところが、多くの方が健康になるためにあがいています。
「○○という食べ物が体にいいらしい。」
「○○という運動をすると体がよくなる。」
といった具合です。
ほっておけばよいのに、余計な事をして体が自ら健康になろうとするのを邪魔しています。体のためといって食べていたサプリメントや運動を辞めた途端に、痛みや苦しみから開放された人など珍しくもありません。
泳ぎを覚えようと思った時あなたはどうするでしょうか?
おそらくはまず体を水につけて、慣れたら顔を水につけて、じゃあ、試しに浮いてみましょう。という具合に、手順を踏んでいくのではないでしょうか?DVDや教本をみて、泳ぐためのしみくや理屈を覚えても、実際に水にはいって体を動かしてみなければ泳げるようにはなりません。
健康になろうと思った時も同じです。
それなのに、知識やノウハウを頭にいれただけで健康になった気でいる人が多いのです。こういう人は私からは
「横着だなぁ。」
と感じるわけです。
健康になろうと思ったら、
・どのような状態健康なのか?その時体はどのような感覚なのか?
・調子を崩したときにどのような経過をたどって健康に戻るのか?
・自分はどのような体質なのか?
・季節によって体はどう変化するのか?
こういう事を頭ではなく体感して理解できるようにならなけばなりません。
きっと難しいと思う人もいるでしょう。でも、健康な人であれば誰でもが当たり前のようにやっていることですよ。
わかりにくいと感じる人は、健康になろうという努力などまったくしない子供がどうしているかをみばわかるかもしれませんね。まぁ、最近は親が一生懸命になりすぎてダメになっている子供がものすごい勢いで増えてきている気がしますが・・・。