ブログ「日々整体」

医学と整体の違いを知ることで得られる新しい視点

実は、医学と整体は似て非なるものです。
どちらも人間の体と健康についての研究や考察を行うため、多くの人が似ていると感じる部分もあるでしょう。しかし、その成り立ちから現在に至るまで、異なる過程を経てきました。ですから、まったく違う知識体系なのです。それにも関わらず、混同して考えてしまう人があまりにも多いのが実状です。そのためだと思うのですが、

「医者に○○と診断を受けているのですが、その○○はよくなりますか?」

などという質問を受けることがあります。

このような質問はまったくの検討外れです。
なぜかというと、医者は確かにそのように判断したかもしれませんが、私が同じ判断をするとは限らないからです。そして、ほぼ全てのケースで異なった見解を示すことになるでしょう。このような勘違いのせいで、とても残念なことが頻繁に起こります。それは次のようなことです。

「医者がもう治ることはないと言ったから、私は死ぬまでこの病気と上手に付き合っていかなくてはいけない。」

と思い込んでしまう人が多くなることです。私に言わせれば、

「それって医者がそう言っただけですよね?」

ということになります。よく言われる「それってあなたの感想ですよね。」という有名人のセリフに似ているのが少し気に入らないのですが、まさしくその通りなのです。

ですから、私に体の問題について相談を持ちかけるのであれば、「医者はこう言ったけど、整体師であればどのように判断するのだろうか」と考えてほしいといつも思っています。

そこで、今回は、医学と整体がいったいどういう点で異なるのかについて、2つの点でまとめてみました。

1点目は、整体という技術が医学とは全く違うものだということです。整体師である私がよく指摘されることに「医学的な根拠がない」というものがあります。しかし、整体に医学的な根拠を求めるのは誤りです。整体も医学も人間の体を探求してきたものですから、似ている部分も多くありますが、整体と医学は全く別の経緯から発展してきた知識体系です。ですから、整体に医学的根拠を求めることがそもそもの間違いなのです。例えば、生物学の主張に対して「医学的根拠がない」という指摘には意味がない、と言えば理解してもらえるのではないでしょうか。

2点目は、整体は学問ではないということです。整体とは何かを簡単な言葉で説明すると、「先人たちの知恵や経験を集めて知識や技術としたもの」ということがいえます。医学は、実験や観察を論文やレポートといった形で記録として残すことで発展してきたのに対して、整体ではそのような文献はほぼありません。そのために現代の社会では廃れてしまったのだと思いますが、だからといって全く有益ではないということではありません。逆に医学は、エビデンスや証拠に囚われてしまっているため、整体であれば簡単に対処できるような病状でも苦手にしているものもあるくらいです。

「おじいちゃんの言うことにエビデンスがない。」

この言葉に疑問を感じるでしょうか。長い人生経験から得た教訓にエビデンスがないのは当然のことです。しかし、その教えには聞くべき事柄がたくさん含まれています。整体にもエビデンスがないのは当たり前のことですが、価値も意味も十分にあるのです。

整体では医学とは全く違う視点で人間の体と健康にアプローチしていると考えてもらうとよいかと思います。少し難しいのは、大半の方が医学の考え方に馴染んでいるため、医師と同じように考える傾向があるという点です。テレビやネットの影響というのはとても大きく、医学的な考えやエビデンスに染まってしまっており、そこから外れた考え方をするのがとても難しいようです。ただ、少なくとも医師に、

「その病気はもう治らないので、一生上手に付き合っていくしかない。」

と言われたときでも、それは本当なのだろうか、異なった知識体系から違った意見や考えが浮かんでくることもあるかもしれません。それはあなたにとって決して損なことではないはずです。

関連カテゴリー< 整体について
<戻る | トップ | 次へ>
出張整体
品川での整体指導予約受付中
名古屋での整体指導予約受付中

RSS

月別

自律神経整体院

京都府長岡京市天神1丁目1-56
ながおかスタジオビル2F
(阪急長岡天神駅から徒歩1分)


075-954-0036