ブログ「日々整体」

腕の痛みの謎:四十肩は本当に40歳の病気なのか?

体の不調を表現する言葉はいろいろありますが、まったく状態を捉えていない表現になっていることが多くあります。その最たるものの1つが、

『四十肩』

です。
40歳を超えた頃に腕がうまくあがらない状態を意味しています。かつては五十肩といわれ50歳を超えてから起こる運動障害だといわれていましたが、近年になって低年齢化がすすみ40代で発症することも少なくないようです。

整体師である私の立場で言わせてもらうと四十肩には言いたいことがあります。
まず、整骨院や整形外科の医師が四十肩と五十肩を別の症例だと考える発言を耳にすることがあることです。私は病院に行くことはありませんから、医師から直接聞くわけではないのですが、当院に相談にこられる方がたまに、

「五十肩だと思って病院に行ったら、あなたは四十肩だと言われた。」

言うのです。
まるで五十肩と四十肩が全く別物であるかのように考えているようです。おそらくは患者の年齢にあわせているのでしょう。カルテには何と書いてあるのか閲覧をしてみたいと思うことがあります。

なお、この理屈は当然だと思われているようで、30代で肩の動きが悪くなると、三十肩と診断されている人を見たことがあります。年齢で不調の名称が変わるのはいけないとは思いませんが、混乱を招くだけなので辞めた方がいいのではないかと思います。実際、整体の視点から意見を言わせてもらうと年齢はほぼ関係がありません。

四十肩の原因は整体的にはっきりとしていて、頚椎6番の不調が原因です。
実は、これはもう間違いのないぐらいはっきりしていることでもあります。わかりやすいのは頚椎6番の調整をやっていると腕に異変や痛みを感じることでしょう。頚椎6番に問題のある人は、ここ10年ぐらいでもかなり増えてきていると感じていますので、五十肩の低年齢化というのはそれが原因だといえるでしょう。

腕の神経は頚椎6番から伸びていると考えるとよいでしょう。
ですから、頚椎6番に異常があるとその影響で腕の動く範囲が小さくなったり、うまく動かせなくなって痛みが生じるようになるのです。

ここまで説明すると、四十肩という言葉の違和感に気がつく人がいるかもしれません。
四十肩というと、40歳という年齢と腕に痛みが生じることを指しているのです。この不調に年齢はまったく関係ないし、腕そのものにも原因は存在しない、つまりこの不調にはまったく関わりがない名が付けられているということになります。もちろん現実に痛みを感じるのは肩付近になるのは確かなのですが、その名称は起こっている症状をまったく表現していないということになります。

四十肩という言葉は、40歳という年齢と腕の痛みを関連づけるものですが、実際の原因としては首の異常が関わっています。このように、名前と実際の原因・症状が一致しないことは、一般的に混乱を招くことがあります。私には、山の話をしているのに突然海の話を持ち出すような、違和感があるのです。

人の体を部品ごとに切り分けて考えるのではなく、全体としての生命、連携するシステムとして考えることが整体の視点です。例えば、山の生態系が川の水質や河口での漁獲に影響を及ぼすように、私たちの体の一部が不調となれば、それが他の部分にも影響を及ぼすことは自然のことと言えます。
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