これであなたも人生の達人になれる?
2021年09月09日
話をしていてこの人はダメだなぁと思う事があります。 ダメだと感じる人はたいてい、 「少しづつ、ちょっとづつ。」 という表現を好むような気がします。 小さな事からコツコツと、櫂より始めよといった具合に、いきなり大きな成果を望むのはダメだという言葉がありますから、 「なんでやねん。」 と突っ込みを入れたくなる人もいるかもしれません。 言葉ではこの感覚を説明するのが難しいと感じたので図にして表現してみます。 この図をみてピンとこない人はちょっとまずいかもと思っていいかもしれません。 なにがまずいかというと、努力や労力が必ず成果になって現れると考えている点です。 「努力をすれば夢が叶うんだ。」 という言葉は心地よいかもしれませんが、こう考えてしまう人は日々の努力の成果を実感できていないと努力や労力を継続する事ができないようです。 私は学生のころ、バスケットボールに打ち込んでいました。 今ふり返ると練習内容にかなり問題があったので大成はできませんでしたが、かなりの練習量はこなしていたのでそれなりの実力は身につける事ができました。(大阪北部公立で3位、大阪でベスト32位程度)それで、その技量の伸び方なのですけど、図示するとこんな感じだと思います。 練習を続けているとどこかのタイミングでいきなり上手になります。 これは私だけでなく他の部員もそうでしたから、大半の人はこういう具合に実力を身につけていくのだと思いますね。ポイントはなかなか伸びない期間があるという事でしょう。ここでどういう考えで取り組んでいるかで伸びる要素や伸びしろが決まってくると考えるとわかりやすいでしょう。 ホンダの創始者、本田宗一郎の言葉だったと思うのですけど、 「業績のよくない時にやっていた事が飛躍の原動力になっている。」 というものがあります。 これは企業の話だろと切って捨てるより、あらゆる物事に応用のできる考え方がいいと思いますね。 絵を描くのだって、スポーツだって、仕事だって、何かを身につけようと思うのであれば練習や労力を継続することはとても大切です。でも、そういった苦労がすぐさま成果になって現れるかというとそれもまた違います。成果になってあらわれるのは延々と練習を続けた後のことでそれがいつになるかはわかりません。スポーツみたいに身体能力を維持できる期間というのは終わりがありますから、努力の成果が得られる前に引退を考えなくてはいけなくなる事もあるかもしれません。 そうならないために、もう1つ考えておかなければいけない事があります。 それは、努力の方向性です。こういうものを作りたい、こういう成果をあげたいというのは、仕事、物作り、スポーツ、芸術などあらゆる分野に応用がきく考えだと思います。言葉にならない事もあるかもしれませんが、全ての人はなんらかのゴールを設定して物事に取り組む事でしょう。 そのゴールに向かって一直線に向かう事は無理だと考えた方がいいでしょう。 もし、そういう事ができる人がいるとしてもそれは天才と呼ばれるような人で一般の人に真似をすることは無理でしょう。だから、なるべく向かうべきゴールに近づくように労力を払って行くことになります。 私はテレビゲームが好きなのでそれを例にあげてみましょう。 「製作開始のころはこういう完成形を目指していたのではないだろう。」 と感じるゲームに出会う事があります。 予算なのか、納期なのか、プログラミング技術のせいなのか、遊んでいてこの部分は妥協しているなとか、作ってみたら想像していたような面白いゲームにならなかったのだなとか、途中で諦めたのだなと感じる事があります。逆にひどい内容なのだけど、そのひどさが反対に作用して神がかった面白さを演出する事も希にあったりしますけどね。 こういう具合に製作過程でゴールにたどり着けない事がわかったり、ゴールを変更しなくてはいけない事があったりする訳です。 そういえば、ドラマ化もされた東京トイボックスというマンガは、ゲームクリエイターが 「こうすればもっと面白くなる!」 という事に製作途中に気がついて大きな仕様変更をする話です。結果として、製作現場に大混乱をもたらすのですが、その混乱をどうやって治めていくかというのが絶妙に描かれていますのでおすすめです。
話を戻します。 結局の所、努力や労力を成果に結びつけるという事と、努力すれば成果があがるというのは似ているようですが、まったく意味が違うと私は思うわけです。そういう視点をもっていると、最初にあげた、 「少しづつ、ちょっとづつ。」 あと、ついでにコツコツなんかもそうですが、そういう言葉を好んで使う人って、 「努力さえしていればいい。」 という思考から抜け出せなくてしまっていると感じる事が多い訳です。
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