君の膵臓をたべたいについて教えて欲しい
2019年04月25日
「もっと詳しくわかるように体や自律神経のことについて教えてくれ。」
そんな事を言われることがあるのですが、世の中には知らない方がいいことの方が多いと考えています。実際、知らないほうがうまくやれる事の方がおおいのです。その最たるものは、
「健康に元気に生きるにはどうすればいいか?」
なんて事でしょうか。
生兵法は大怪我のもとなんていいますが、はっきりいって、体のことについて詳しい人ほど生きるのが下手くそです。この事は周囲にいる人を何人か眺めていればすぐにわかるんじゃないでしょうかね。トクトクとうんちくを語る人はほぼ間違いなく体を壊しているはずです。それに対して元気な人は、なんとなくフィーリングで元気に暮らしていて、たいていの場合ちょっとかわった秘訣なんかを持っていたりします。週に1回カラオケいって歌うとか、夜な夜な自動販売機の釣り銭をこっそりあさっているとかね。
それで、先日とあるDVDレンタルのお店で今度の休みになんかみてみようかなぁと物色していると、
「君の膵臓をたべたい」
というタイトルが目にとまりました。
仕事がらこういう具合に体にちなんだタイトルがついている奴は見ておくと話をするネタが増えます。ついでにいうと、ちょっと前に、
「あなたは膵臓の働きが弱いのだと思うから映画なり漫画なりみてみると面白いかもね。」
なんていう会話をしたことがあって気にはしていたのです。
で、パッケージをみてストーリをさらっと見てみると、膵臓の病気で長く生きられないというヒロインが主人公ということでがっかりしてしまいます。さらにヒロインの顔や体型をみると、膵臓が悪いとは思えなくてさらにがっかりで、
「健全な人間が病人のふりをしてんじゃねーよ。」
と思ってしまいます。
まぁ、見ていませんから、このがっかりは見てしまうと変化するかもしれませんけど、私の場合はこの手の話は見ていると腹がたってきて見ていられなくなってしまいます。
なんでかというと、病気というのをテーマに盛り込んだ場合、必ず出てくる言葉が闘病というものだからです。
「なんで戦う必要があるんやっ!」
私はこう考えるからですけどね。
身内だったり自分が重い病気にかかったことのある人ならわかるんじゃないでしょうかね。
そういう時、戦いをけしかける人が周囲にどんどん湧いてきます。そういう人は心配という足かせをはめて、勝ち目のない、あるいは勝ってもなにも得るものがない戦場へ送り出すことを平気でやるのです。それは心配からじゃなくて身近に病人がいるのが耐えられないという気持ちが根底にあることがほとんどじゃないでしょうかね。それで自分の視界に入らないところへ行ってしまえという気持ちを隠して、正論っぽいセリフで戦いをけしかけてくるのです。
例えば、アナウンサーの小林麻央さんが亡くなられる時、医療に頼ることを辞めた彼女の判断や行動を批判する人が結構いたそうですね。
「医師のいうとりにすればもっと生きられた。」
なんていう批判が、あまり報道やネットを見ない私のような人間の耳にも届いてくるぐらいですから。
自分の病気や死に対してどう向き合っていくかなんてのは、自分に決めさせてあげればいいだろうと私なんかは思うのですけどね。
ついでに、選択肢を削って削って削りきってから、
「どうしますか?」
なんて、しゃーしゃーと聞いてくる人がでかい顔をしていたりとかもありますかね。これをやられると、本人、その家族みなが戦場に駆り出されて誰も幸せになれなくなります。やられたがある人ならすぐに思い当たる事があんじゃないででしょうかね
話がそれたので戻します。
実は、病気というのは味方です。
だから、どんな病気でも戦う必要などこれっぽっちもありません。生き物は病気を味方にできたときに健全な体の状態になるといってしまっていいでしょう。それなのに、闘病なんていう言葉を作って、それを美化して賛美するような内容は、見ていて腹がたってくるので話が頭に入ってこなくなります。
最近見たやつだと、宮崎駿の風立ちぬでしょうかね。
主人公の奥さんは結核だったのですけど、その対処があまりにも的外れで、もしかしたらもっと生きていられたのじゃないだろうかと、この映画の感想は私にとってそんなものになって内容があまり頭に残っていません。こういう具合にあれこれ知ってしまっている私では見ることができない映画なんかが結構多かったりします。で、このあたりの事を踏まえて考えると、「君の膵臓をたべたい」は私は怒り狂ってしまってまともに楽しめない可能性が非常に高いわけです。
体や自律神経の事など詳しく知らないでいても、元気に生活することなどいくらでもできるし、そういう風に生きていれば「君の膵臓をたべたい」だって楽しめます。その方がお得なんじゃないかと、私はそんな風に考えますけどね。ただ、ちょっと見てみたいという気持ちがあるのも確かなので、この映画なり漫画をみた人は、セリフの中に『闘病』とかそれに類するワードがでてこないか教えてくださると嬉しいのですが・・・。
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