不眠と耳鳴りの話
2015年09月15日
「耳鳴りが辛いのです。」
と、ほぼ同時期に二人の男性がこられたことがあります。
二人とも、眠ることができないと、薬で寝るようにしていました。そして、ふたりとも
「気持ちが落ち込んで辛い。でも、耳鳴りが止まれば眠れるようになって楽になるのではないか?」
と相談内容まで同じでした。
そこで、
「耳鳴りがうるさくて眠れないというのは気のせいです。眠れないから、耳鳴りが気になるだけです。薬で眠るのは眠ったことにはならないので、まず薬をやめて眠れるようになりましょう。」
と私は指導をしました。
眠れないという人は、みな同じことをいいます。
「寝ておかないと昼間がつらい、しんどい。」
個性など全くないといっていいでしょう。
しかし、まったく眠っていなければ、昼間、体が重い、辛いと感じるのは当たり前です。その当たり前を薬でごまかしていると、どうなるか?自律神経の働きは悪くなってゆき体はどんどん壊れてゆくのはやはり当たり前のことです。
「辛いのは嫌だから薬を辞められません。」
なんていう人は、元気に、健康になるのは諦めた方がいいとさえは私は思います。
さて、同時にこられた二人ですが、一人は薬をやめて元気になりました。
もちろん薬を辞めるというのは簡単なことではありません。その過程では手がしびれてきたり、まったく眠れない夜があったりと、様々な苦労がりました。しかし、今では学生の頃やっていたという水泳をはじめたり、息子さんとキャッチボールをしたり、休みがちだった仕事もちゃんと毎日いけるように元気になりました。
しかし、もう一方の人は、
「きっと私ほど辛い思いをしている人はほかにはいないだろう。」
と、いいつづけていました。
そして、ついには、
「生きているのが辛い。」
とまで口にするようになって整体にはこられなくなってしまいました。
実は、最初に自律神経の状態をみたときには、
「これはちょっとやばいかもしれない。」
と思った人の方が元気になりました。
「薬を辞めた人から順番によくなっていく。」
といつもお話していますが、非常によい例ではないかと思います。