精一杯に生きたいものです
2015年04月10日
評判のよい本があったので買って読んでみたのですが、その本の冒頭には、
「元気で長生き、死ぬときは眠るように。」
こんな事が書いてありました。
私はこの時点ですでに気に入りませんでした。そもそも長生きすることがよいなんていうのを盲目的に信じ込んでいるように感じたからです。
例えば、モーツァルトという人は、35歳でその一生を終えていますが、健康に留意して元気で長生きしようという気持ちをもっていたら、後世に名を残すような音楽家になっていたでしょうか?彼の手紙にはこういう一文が残っているそうです。
「長年にわたって、僕ほど作曲に長い時間と膨大な思考を注いできた人は他には一人もいません。有名な巨匠の作品はすべて念入りに研究しました。作曲家であるということは精力的な思考と何時間にも及ぶ努力を意味するのです。」
アマデウスという映画でみると破天荒な人間に見えますが、ひたむきな努力を惜しまない人物だったのではないでしょうか。実際、そうでなければ今日にまで彼の名前が残っているはずがありません。
私は寿命というのは生まれた時に決まっていると感じています。
その寿命をどのように消費して生きていくかというのは、その人の価値観が決めることです。
「元気で長生き」
なんて言葉は耳に優しく聞こえはいいでしょう。
モーツァルトのように、満足いくまで熱心に音楽の研究をして、その結果、早逝といわれるような事になっても、それはよい人生だったといえるのではないでしょうか。少なくともモーツァルトは普通の人が、70年も80年もかけてもできないようなことを30年程度で成し遂げているのですから。
ちなみに、眠るように死ぬというのも私は気に入らないのですが、これについてはそのうちにまた書いてみたいと思います。
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