リラックスできていない理由
2023年02月02日
「肩の力を抜きなさい。」 運動でも、習い事でも、何かに取り組もうと思ったら必ず言われる事ではないでしょうか? これはどういう事かというと、体をうまく動かそうと思うのであれば力をこめてはダメだという事を意味しています。走る、ジャンプするという運動もそうですし、字を書く、お茶を淹れるという日常的な作法や動作についても同じ事がいえます。 ところが、世間では、 「筋肉を身につけて体を支えなくてはいけない。」 全く逆の事が信じられています。 筋肉で体を支えるという事は、体に力をこめる必要があります。不思議に思うかも知れませんが、筋肉で体を支えるということはそういう事なのです。だから、力む必要があるといいかえるとさらにわかりやすいでしょうか。飛んだり、跳ねたり、走ったりみたいな運動では力を抜かないといけないのに、立ったり、座ったりみたいな動作では力をこめなければいけないなんておかしな事を言われている訳です。大きな矛盾があるのですが、多くの人が気がつくことができないようです。スポーツなんかで卓越した成果をあげる人はこういう矛盾の事をわかっています。だから、 「筋肉なんかつけても意味がないよ。」 なんていうことを有名なスポーツ選手が発言しているのを聞いた事はないでしょうか? さて、最近、ある方と習字に対する考え方について話をする機会がありましたのでその内容を説明してみることにします。 その方は他の方と比べて上達が早かったそうです。 字が上手にかけるという事は体を使ってうまく筆を使えているという事を意味します。字を書くのだって体を使う運動と捉えて考えてみるとわかりやすいでしょう。運動はあまり得意ではなかったそうですが、肩に力をいれていたら筆がうまく使えないのを想像するのは難しくないと思います。
この話で興味深い点は、 「力が抜けたらからキレイな字を書けた。」 のではなく、 「上手に字を書こうとしたら体の力を抜いて字を書けるようになった。」 という事です。 おそらくよい先生に教わっていたという事もあると思いますね。ダメな先生なら筋肉を使って筆を巧みに扱うのだとか言う無茶な指導をする訳です。 大事な点なので繰り返しますが、上手な字を書こうとしたら結果的に体の力が抜けたという事です。このことをふまえて世間に回っている言葉を見てみると、 「リラックスする事が大切だ。」 とかいう情報で溢れかえっています。 そのせいで却って力がリラックスできなくなっていると考えてみるとよいかもしれまん。
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