健康になることが人生の目標ではない
2021年05月05日
「医者がいないと健康になれない。」
多くの人がそう思い込んでしまっているように思います。しかし、本当に健康な人、元気な人は医者なんてものは不要な存在です。
これは以前から何回も紹介している具体例です。
ある音楽家は60歳まで1回も医者に体をみてもらった事がなかったそうです。
それで60になったし、1回ぐらいいってみようと思ったそうです。あれこれと検査をしたのですけど、なんの問題もありませんでした。ただ、
「運動不足です。」
という指摘を受けました。
それじゃあということで、スポーツクラブに通う事にしたそうです。
それで医者のすすめる運動をはじめたのですけど、
「腰が痛くなった。」
という事で私にところへ相談に来られました。
この音楽家の方は医者という存在がどういうものか知らなかったのでしょう。そして、その医者もまた音楽家というのがどういう存在だったのかをしらなかったので、こういう間違いをしてしまう訳です。
最初に述べたとおり、60歳になるまでずっと元気に活動しておられたのです。
彼は、よい音楽活動ができる事を最優先に考え抜いた生活習慣を作り上げてきた訳です。体が大きく変化する40代ですというのでしたらまた話は変わってきていますが、その不安定な時期だって無難に乗り越えてきたのです。そういう人生の歴史を無視して、
「運動不足です。」
なんていうセリフはその人の音楽活動をあまりにもバカにした発言です。
この方は、60年ずっと音楽に関わってきたそうです。
60歳になっても現役で演奏もしているそうですし、教室も開いてもいるとのことでした。音楽というのは健康で、元気でなければできないものです。だから、本当に運動不足なのであれば、音楽だってうまくやれてこなかったはずです。体を痛めている人、弱っている人がよい演奏なんてできる訳がないという事は私からすると当たり前の事なのですけどね。実際、オーケストラで演奏している人が、40歳ぐらいで体を痛めてしまって続けられなくなってゆく人がかなり多いと話をしていました。そういう人たちに比べると、この音楽家の方は、60年ずっと音楽をやってきた訳で、かなり上手に自分の体と向き合って元気にやってこれたのです。
もし、
「もういい年だから、音楽を辞めて余生をのんびり過ごしなさい。」
あるいは、
「病気だから、音楽を辞めて治療に専念しなくてはいけない。」
なんて言われてたら、どういう事になっていたでしょうね。
医者は治療がすめば元通りに演奏できるようになるとか気休めをいうかもしれませんが、音楽のことなんてまったく知らない人がこういう事をいうわけですからね。
多分ですけど、この方が求めていたのはよりよい演奏をつづけることで、医者に健康だという認定をもらう事じゃないと思うのですけどね。極端な事をいうなら、いい演奏がまだ続けられるのであれば病気を抱えていてもよいのじゃないでしょうか。
医者に、
『健康だ』
というお墨付きをもらう事が人生の目的になっていないかをよく考えてみることですね。
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