考え方の問題か?
2020年09月02日
「自分の考え方に問題がある。」
整体にこられた人が口にするセリフで、これほどうんざりさせられるものは他にはないかもしれません。
私が知る限り、こういう言葉を最初に言い出しのは医者です。
「検査をしても何も問題ないからあなたは健康で、不調を感じるのはあなたの考え方に問題があるからです。」
というような使われ方をしていますね。
まぁ、最近は突き放すようないい方がよくないと思ったのか、そこにビジネスチャンスがあると思ったのか知りませんが、心療内科が幅を着替えるようになってきましたけど。
確か、たまたま見たドラマで天海祐希が医者の役をやっていたのですけど、そのエンディングのシーンでこういう話をしていたのが妙に記憶に残っています。
水筒に水が半分入っているとして、その時に、
「もう半分しかない。」
と考えるか、
「まだ半分もある。」
と考えるかで健康状態が変化するという説明をしていました。
覚えているのは、多分、
「あほやな。」
と思ったからでしょう。
理由は簡単で、水筒に水が半分あるなら、
「水筒には水が半分入っている。」
と考えるのが適切な判断です。
その上で、状況によって考えが変わってきます。
例えば、水筒に水が半分の状態で砂漠を50kmほど歩かなくてはいけないという状況であれば、
「もう半分しかない。」
と考えるのが適切な判断でしょう。
この場合、真っ先に考えなくてはいけないのは飲水の補給です。目的地を目指すことは、後回しにしなくてはいけません。こんな状況で、プラス思考が大切だからと、
「まだ半分もある!」
とか、やっていたら間違いなく脱水を起こして途中で力尽きるでしょうね。
一方、大阪や東京などの都会で現金を十分に持っているとしましょう。
その状況で、水筒に水が半分はいっているとします。その状況で、
「もう水が半分しかない。」
とか言っている人がいたら、いったい何をいっているのだと思うでしょう。
深読みするなら、なにか特別な水が必要なのかと考えるかもしれませんね。水の補給など、コンビニなり、スーパーなり、自動販売機なりでいくらでも可能です。水筒など持っていないほうが軽快に行動できるというものです。
当然、この状況であれば、
「まだ半分もある。」
と考えるのが適切でしょう。
まぁ、この話でわかっていなければいけないのは、特定の状況でお医者さんの言う通りプラス思考なんてやっていら死ぬことがあるということですね。
それで、先日、
「私の考え方が悪いからめまいがするのです。」
なんていっている人がいました。
それで仕事がうまくすすめられないのだけど、周囲の人から、
「そんなものはおまえの考え方が悪いからできないだけ、甘えているだけだ。」
なんて言われて、
「そのとおり。」
と、納得しているのです。
それじゃあ、私のところになんてきていないで、精神修養でもして考え方を矯正すればいいじゃないかと思うわけですけどね。
ただ、一つだけ言わせてもらいましょう。
この考え方についての発想なんですが、医者が体についてすべての事を見通す神の目をもっているという前提でしか成立しません。診察しても、体の状態をうまく説明できない、解決の糸口を見つけることができない時に、
「そんなのはあなたの考え方が悪いからです。」
と発言していると考えてみてはいかがですかね?
考え方をちょっと変えれば解決方法は見つかったりすることもあるんですけどね。
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