耳鳴りと眠りの関係
2014年04月04日
「耳鳴りのせいで眠れないからなんとかならないか?」
という相談にこられた人がいます。
でも、残念ながら質問がすでに間違えています。
耳鳴りがするから眠れないというのが考え違いだからです。
どんな方でも電車の中で眠ったことは1回はあるのではないでしょうか。
電車の中などそうとう大きな音がしています。耳鳴りは不快な音だから、と思うかもしれませんが、近くで道路工事をやっていたり、大きな音で好きでもない音楽がなっていたって、眠れるように体はできています。
音だけではありません。、
人は横にならず立ったままでも眠れます。暑かろうが、寒かろうが、蹴飛ばされても必要があれば眠ることができます。
「○○でなければ眠れない。」
というのは単なる思い込みなのです。
話を耳鳴りと眠りの関係に戻します。
確かに、耳鳴りがするような人は、寝付きが悪い、眠りが浅くなるという状態ではあるといえます。でも、いくら耳鳴りがうるさく感じていても眠る事は可能です。ちょっとしたニュアンスの差ですが、非常に大きな違いを生むこともあります。
この方の場合は特にそうでした。
「耳鳴りさえ止まれば眠れるようになる。」
そう思い込んでおられました。眠ろうとすると、耳障りな耳鳴りが大きくなってくるのですからそう考えてしまうのも仕方ないかもしれません。
ただ、この方の場合、眠れないということで薬を飲んで眠っておられました。
そして、その薬の副作用のせいで耳鳴りがなっているというのが私の見立てでした。だから、
「薬なしで眠れるようになれば耳鳴りはとまりますよ。」
という説明に対して
「耳鳴りが止まれば眠れるから。」
という意味のない問答の繰り返しになってしまいました。仕方がないので、うちでは無理だから他をあたってくださいという結論にしました。
さて、眠ろうとすると、キーンという耳鳴りがしてくる人はたくさんいると思います。
その理由は、眠るときには左の骨盤が開いてきて副交感神経が優位になるからだろうと考えています。こんな事をいうと、たいていの人の頭に「????」の文字が浮かんできます。
「逆じゃないのか?」
と気がつくわけです。
そう思うのには2つの勘違いがあります。
1つは、交感神経と副交感神経の働きが単純なシーソーの動きにような関係であると考えているせいでおこる勘違いです。もう1つは、副交感神経を優位な状態にしてリラックスすれば、すべて解決するという勘違いです。
自律神経といわれる、交感神経と副交感神経の関係はシーソーで全てが説明できるほど単純ではないのです。
簡単に説明すると、交感神経の働きが悪くなると、体に異常な緊張がでることがあるということです。耳鳴りの場合だと、
・胃の働きが悪くなっている
・腕に疲労がたまっている
という状態だと、眠るときに耳鳴りがする傾向がたかまるでしょう。交感神経の部分的な緊張がおこっているのです。
私は自律神経の働きを説明するときによく植物に例えます。
耳鳴りと不眠を植物の状態に例えると、
・耳鳴りは花がしおれてきている状態
・不眠は葉が枯れてきている状態
だと考えるとわかりやすいでしょう。
そう考えれば、問題は幹や根にあると考えるのに抵抗はないと思います。
「耳鳴りがする。」
「眠れない。」
というのは、どちらも結果でしかありません。
つまり
「根がうまく水を吸わなくなっているから花や枝がしおれてくる。」
「幹がうまく水を運ばないから花や葉が枯れてくる。」
というわけです。
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